乳腺の病気

妊娠・授乳中の乳房

 乳腺は妊娠・出産を迎えることにより、成長途上で止まっていた乳腺の発育が最終段階を迎えます。今までになく乳腺は活発に働くようになり、分泌物も増え、乳管も開口します。外部からの細菌の侵入を許し、乳腺炎を起こしやすくなります。以前からあった乳腺腫瘍や乳腺症は特に成長が早まるということはありませんが、、正常乳腺の腫大に伴って分かりにくくなります。また、搾乳不良の硬結部分との見分けが難しいこともあります。よくマッサージをする必要があります。

 乳癌も同じ事で、周産期に乳癌の進行が早いということはありません。しかし、正常乳腺が腫脹していますので、その中にしこりを発見することが難しくなりますし、授乳中には搾乳不良のための硬結や乳腺炎との区別が難しく、乳癌の発見が通常よりも遅くなってしまい、発見されたときには進行していることが多いです。

 気になることがありましたら、産婦人科で相談して頂ければいいのですが、必ずしも乳腺の専門家ではないことが多いので、出来れば乳腺外来を受診することをお勧めします。