薬品情報

ゼローダ Xeroda

 カペシタビンCapecitabineは、抗悪性腫瘍剤5FUのプロドラッグの5'DFUR(フルツロン)のさらにプロドラッグであるフルオロシチジン誘導体であり、消化管より未変化体のまま吸収され、肝臓でカルボキシルエステラーゼにより5'-DFCRに変換され、次に肝臓や腫瘍組織内でシチジンデアミナーゼにより5'-DFURに変換され、さらに腫瘍組織内で活性の高いPyNPaseによって変換されて、5FUとなり抗悪性腫瘍効果を発揮する。
  カペシタビン Capecitabine は再発・転移性乳がんに対して、単剤で20% の反応があり、50%の治療効果がみられました。さらに、ドセタキセルとの併用により、60%の奏功が得られます。

PyNPase (ピリミジンヌクレオシドホスホリラーゼ)
 ピリミジン系ヌクレオシドを過リン酸分解する酵素の総称で、核酸合成系に関与している。癌細胞は増殖が盛んなため、核酸の合成能が高まっており、PyNPase活性が高くなっていると考えられている。PyNPaseにはチミジンホスホリラーゼとウリジンホスホリラーゼがあるが、フルツロン5'-DFURは構造式がチミジン、ウリジンに類似しているため両方の酵素によって、5-FUに変換される。

効能・効果
 手術不能または再発乳癌

剤型
 1錠 300mg

用法・用量
 体表面積にあわせて次の投与量を朝食後と夕食後30分以内に1日2回、21日間連日経口投与し、その後7日間休薬する。これを1コースとして投与を繰り返す。
体表面積 1回用量
1.31m2未満 900mg
1.31m2以上1.64m2未満 1,200mg
1.64m2以上 1,500mg


効能・効果に関する使用上の注意
  1. 本罪の術後補助療法における有効性及び安全性は確立していない。
  2. 単剤投与を行う場合には、アントラサイクリン系抗悪性腫瘍剤を含む化学療法の増悪若しくは再発例に限る。
  3. 併用療法に関して、初回化学療法における有効性及び安全性は確立していない。


副作用
  1. 手足症候群 (Hand-foot syndrome) 50.7%
    手掌及び足底に湿性落屑、皮膚潰瘍、水疱、疼痛、知覚不全、有痛性紅斑、腫脹など
  2. 赤血球減少 37.9%
  3. 白血球減少 33.0%
  4. リンパ球減少 31.0%
    他、下痢食欲不振など

併用禁忌
 TS-1(テガフール・ギメスタット・オタスタットカリウム配合剤)

併用注意
 ワンアルファカルシウム
 フェニトイン