質問です

ホルモン療法

054. 5年前,乳癌手術を温存療法で受けた38歳の主婦です。術後,化学療法,放射線治療,ホルモン療法を受け、先月,5年間服用したノルバデックスでのホルモン療法を終えました。しかし、年齢が30代という事もあり、治療を終えてしょまうには不安が残ります。できれば、ゾラデックスの服用を追加したいと思うのですが、ノルバデックスを5年間服用した後では、やはり過剰治療になるのでしょうか。また、服用できた場合の副作用も心配です。

 ゾラデックスは、腹部の脂肪への皮下注射で4週間に1回です。ノルバデックスの服用後にさらに追加するのは、過剰でしょうし、追加するならば、 ゾラデックスではなく、ノルバデックスをさらに飲み続けた方がよいと思います。5年間服用の有用性は証明されていますが、それ以上については未だ確かではありません。 子宮体癌の発生の危険性を無視すれば、続けることの意味はあると思います。

003. 今 ゾラデックスの治療をしています。術後5年まで続けるつもりですが、その後閉経を迎えなかった場合(年齢40代前半、ゾラを止めれば生理が戻ることはおおいに考えられるそうです)またゾラデックスを再開することは、可能なのでしょうか?また、閉経を迎えているか 血液検査などで 調べることはできるのでしょうか?モルモンレセプター陽性、リンパ節転移陽性(4個以上)なので、生理が戻ることがとても 不安です。

 ゾラデックスについてですが、通常2年間使用しますが、リンパ節転移陽性であったり、リスクのある人には3年間使用しています。長く使っていれば、それだけ良い結果になるかどうかは、今までの報告ではありません。その間に再発する人としない人のと明暗は、分かれています。あくまでゾラデックスによって癌を抑えているのではなく、癌を駆逐しているのだと考えて頂ければ、通常2−3年の間に、癌は消滅しているはずです。月経が再開したとしても一向に差し支えないはずです。ゾラデックス終了後に妊娠された方もいます。尚、閉経を迎えているかどうかは、検査では分かりません。

029. 5月に乳房温存・リンパ郭清手術をし、今は放射線治療も終わり月1回の注射と飲薬の治療を続けています。薬の副作用で頻繁に体が急に熱くなったりと事前に更年期の症状がでるとは聞いていましたが結構辛いものがあります。のどにタンが絡む感じでかわくのもそうなのかな?体のほてりは薬を飲んでる期間中は続くのですか?そしてリンパをとってるワキ・二の腕が最近だるくて痛みもあります。またキズの痛みも時々あります。入院中はリハビリ(マッサージ等)をしていましたが、今は働いてるせいもあり時間がなく夜に少しマッサージをする程度です。やはり毎日、時間をかけてしたほうがいいのでしょうか?

 ホルモン治療とくにノルバデックス、ゾラデックスやリュープリンを使用していると、更年期様症状が出やすいです。根本的な治療法はありません。漢方やパキシルを試してみると良いでしょう。リハビリは、やはりしっかりやった方がよいです。少し休むと硬くなって、突っ張ってきますから、常に必要です。根気よく時間を作って続けて下さい。

030. 34歳女性、今年2月温存術、リンパ節の切除は行っていません。術後すぐにCMF0.5クール受けました。その後、50グレイ25回放射線を浴びています。副作用は、とても酷いもので、3日3晩息をする事も出来ない程でした。現在はホルモンレセプター、プロエストロゲンレセプター共に陽性の為、リュープリンとトレミフェンを2年、5年の予定で、術後療法として行っています。副作用は多大なもので、3回目のリュープリンでは肢体の痛みが激しく、「他の病気が出現したのか」と思う程でした。今は、動悸が激しく、寝込んでいるような状態です。これほどの、副作用が出る事は有り得るのでしょうか。今は、副作用との闘いで、漢方薬や抗鬱剤を飲んでいます。あまり軽減されているようには思えません。この苦しい副作用は(抗がん剤(CMF)ホルモン療法)「若い」からの理由だけなのでしょうか。私の体質の問題なのでしょうか。副作用があまりに盛りだくさんなので、副作用について先生のご意見をお伺いさせて頂ければと、ご相談致します。

 ハイリスク群でありながら、腋窩リンパ節郭清を省略し、化学療法を行わないのは、危険性が高いと思います。腫瘍が非常に小さかったのでしょうか。そうであれば、放射線照射の必要もないし。少し腑に落ちないところもありますが、ともかく、副作用についてのご質問ですので、話を変えます。副作用は、人によって出方が様々です。特に自覚症状に関することは難しいです。手術の際の診断によって、術後補助療法の重要性が決まってきます。リンパ節転移があり、再発転移の可能性が高い場合には、副作用を押してまでも頑張る必要はありますが、可能性が低い場合には、あくまで予防的なものですから、その利益と副作用による不利益との比較で考えていく必要があると思います。どうしてその治療が必要なのかを一つ一つ納得して受けられるようになれば、もう少し頑張れるのではないでしょうか。
CMFについてですが、エンドキサンの内服をされたと思いますが、非常に嘔気が強く出て困りますので、当院では注射剤を使用しています。リュープリンで辛いのでしたら、ゾラデックスに変えてみるのはいかがでしょうか。こちらの方が四肢の痛みは少ないはずです。


031. ホルモン療法によるほてり、発汗、ふらつきは、どうすればよいのでしょうか?

 ゾラデックスは通常2年間投与が必要です。リスクのある人には3年間投与させて頂いております。40歳を超えると、ゾラデックスをやめても、月経が戻る可能性は50%ほどです。

032. ゾラデックスは何年位継続するのがベストなのでしょうか?

 術後補助療法としての化学療法は、本来は6クールで終了で、それ以降は、特に経口抗癌剤は必須ではありません。特にホルモン感受性のある方の場合、タモキシフェンなどのホルモン療法が有効です。しかし、リスクのことを考えると、抗癌剤抜きでは心配なので、経口剤として、UFT-Eまたはフルツロンを服用してもらっています。どちらが良いのかは、まだ判定できていません。再発、転移だけは絶対にさせたくない、と言う気持ちから来ていますので、病院によっては、経口剤を処方しないところもあると思います。かかりつけの担当医とよく相談して、決めて下さい。