質問です

センチネルリンパ節生検

033. 私の母(59歳)が8月初旬に地元(三重県)の病院で乳がんだと診断され検査を開始していました。リンパ節への転移の有無の検査は行わず、乳房全摘とリンパを摘出する手術を30日に行うということでした。私もまだ勉強不足なのですが、もしリンパに転移していないのなら術後のダメージが少ないと思うのでリンパは摘出しなくてもいいのでは…?と疑問を抱いたので先生のHPで知ったセンチネルリンパ節生検のことを聞いてみたところ、その検査は一切やっていないし、また人によってリンパをとったとらないとなるとよくないので当病院ではリンパまで必ずとるという返答でした。母は進行段階はUだと言われ、もうすでにリンパに転移しているのかもしませんが、調べてから手術というやり方もあるのかな?人それぞれの治療の方法があるのでは…

 センチネルリンパ節生検についてですが、現在の所、センチネルリンパ節を同定し、さらにそのリンパ節転移の有無によって、残りの腋窩リンパ節全体の転移の有無を推定できるかという課題を検討している段階で、センチネルリンパ節陰性で、腋窩リンパ節郭清を省略するという所までは至っていません。実際には、センチネルリンパ節陰性でも、腋窩リンパ節陽性という方がいるのです。その方を無視することが出来るかが問題です。
 腋窩リンパ節郭清による障害については、従来の過大な郭清によるものに比べると、最近の手術では軽微になっています。リンパ浮腫の頻度も、少なくなって、術前とほとんど変わらぬ生活が得られるようになっています。また、乳房全摘とのことですが、リンパ節郭清のことよりも、その前に温存療法の可能性について検討する必要があるのではないでしょうか。当院では、乳頭・皮膚への浸潤の可能性がなく、広範囲でなければ、出来るだけ鏡視下温存手術を行っています。その方が、侵襲が少なく、精神的にも安静が保たれると思いますよ。