平襠方足平首布の補足説明
平襠(へいとう)方足平首布(方足布)
平襠方足平首布は、通常「方足布」と呼ばれています。(以後「方足布」とします。)
方足布は足の形状が四角いもので、戦国中晩期(ほとんどが晩期)、三晋(韓、趙、魏)、周、燕、楚等で流通した
貨幣です。この貨幣は、各国でほぼ同一の大きさで作られ、広く流通した様です。
方足布には大型、中型、小型があり、面文は地名など数多く鋳出されています。また、その書体には変化が非常に
多く、現在不能読の物も多数あります。
通常、面の首から襠にかけて竪紋(じゅもん)と呼ばれる一本の縦紋が通っていて、その両側に面文が鋳出されて
います。
平襠方足平首布(方足布) |
方足布は、尖足布が変形したものと考えられています。
一般的な方足布の竪紋は一本ですが、尖足布の竪紋は二本です。(下図参照)
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方足布と尖足布の竪紋の違い(左:方足布、右:尖足布) |
しかし、一部の方足布には、尖足布と同じ二本の竪紋を持つ方足布(尖足布型方足布)が僅かながら存在し、
また、方足布と同様に一本の竪紋を持つ尖足布は現在まで発見されていません。
以上より、尖足布から方足布に変形していったと考えられています。
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