傾聴から伝道へ  

−講壇交換−

菊地孝枝


  2月17日、川口教会の笹田先生をお迎えして礼拝がもたれた。
旧約の時代は、神からことばを預けられた人が預言者として口頭で人々にみことぱを伝えた。今、印刷技術が発達し「聖書」として神のことぱを手元に持つ私達は、この時代の預言者とえる。
 命があり力があるみことぱが生きて働くために、私達はどの様にみことばを使えばよいのか。先生は「種を蒔く人」の譬話をされて、種をバラバラとどこにでも蒔けばよいと言う事ではない。それぞれの状況に適応するみことばを引き出して使う事だ、と語られた。
 これまでこの箇所は、みことぱの受け手としてのありようにだけ思いを巡らしていたが、種を蒔く視点に立ったのは初めて。自分の殻の中だけで聴いていた事を思わされた。そして、みことぱ、が観念ではなく、生きて働く神の人格として聴かれる時、そこに光を見、種を蒔く一人ひとりとして神に押し出される者とされていく事を思った。
 時折こぼれる笑いと解りやすいお話に、心と体が軽やかにされた礼拝だった。
(きくち たかえ)
みつばさ2002年3月号より