韓国基督教長老会 京畿中部老会総会に招かれて

石橋 秀雄

 昨年の総会で、関東教区と京畿中部老会との交流を進めることが両教区総会で決議されました。さらに、今年は姉妹教区として具体的な交流が進められることになります。この話し合いと京畿中部老会の総会問安のために、5月6日から8日まで韓国に行きました。
 出発の日、成田空港で「石橋秀雄さん、先ほどのカウンターに来てください」と呼び出しのアナウンスが第1ターミナルに響きました。忘れ物をしたのです。このそそっかしさが幸いして、総会での挨拶は成功しました。このアナウンスを聞いて、在日大韓基督教会の趙牧師が「石橋がいる」ということで探しに来てくださいました。たまたま趙牧師が韓国に帰る飛行機と同じでした。飛行機がすいていたので、ハングルで挨拶しようと思い、2時間の飛行機の中での特訓を受けました。韓国人のスチュワーデスもそばに来てくれて、特訓に協力してくれました。
 総会の礼拝で「たたえ分かち合う」それが教会だとの説教がありました。神が愛する民をたたえ、もてるものを分かち合うということが京畿中部老会の主題です。韓国基督教長老会は信徒数30万人で、韓国の教団としては小さい教団です。しかし、「自分たちは時代の矢になりたい」と鋭く社会の課題に取り組んでいる教団です。
 韓国軍事政権と闘い、民主化の先頭に立ち、いちはやく南北の統一を叫び、金現大統領が弾圧を受けていたときは、これを守る闘いをし、今は北朝鮮にお米を送る運動をしています。いずれも最初は社会から批判を受けるものでした。しかし、やがてその主張が韓国全体の姿勢になってきます。
 神が愛されている北朝鮮の人々が飢えているのだから、自分たちの持てるものを分かち合うのです。このことを金大統領の前で説教したら、大統領は大変感動したそうです。
 今、対日感情は良くありません。しかし、神が愛されている民です。いかなる歴史上の問題があっても神が愛されている民をたたえ、韓国基督教長老会京畿中部老会の賜物と関東教区の賜物を分かち合えれば、宣教の前進につながるものと思います。
 韓国で最高の礼をもって迎えられました。5月14日に来日される京畿中部老会の代表団には、今度は私たちが最高の礼を持ってお迎えする番です。(いしばし ひでお)