写真が二葉、机上におかれています。一葉は、荒野に立つこの詩の石碑、そしてもう一葉は、礼拝堂での幼稚園の卒業記念集合写真、一人顔を斜めに向けて、睨んでいる子どもが写っています。男の幼き日の姿です。右端に、「山路こえて」を作詞した信徒伝道者西村清雄さんが写っています。
卒業式から十余年が過ぎたクリスマスイブの夜、キャロルの行程が進み、既に病床に臥している信徒伝道者の家の門の中に入り戸外で「どうか私達の歌は上手くは無いけど、信徒伝道者の心の耳に『みつかいの歌』の様に届くように」との祈りを込め、讃美歌を歌い終わった時、玄関の戸が開き「今先生は神のもとに召されました」との声が発せられ、男を含むメンバーは深い悲しみの中で、しずかに、しかし力強くこの讃美歌を歌い出しました。
山路こえて ひとりゆけど
主の手にすがれる 身はやすけし
(おかばやし のぶお)