心に響く『故郷(ふるさと)』の歌

       遠藤 典子

 「兎追いし かの山 小鮒釣りし かの川」で始まる ふるさと の歌があります。
十八歳で故郷を離れた私にとって、この歌を口ずさむと、必ず、大家族でにぎやかに暮した田舎の生活や、山あり川ありの歌詞そっくりな、自然豊かなきれいな田舎の風景が思い出されて、思わず目頭が熱くなる一曲です。
 そしてその歌を、十年程前に、中学三年生の合唱曲に取り入れて練習したことがあります。大きな声を出すために、中庭をはさんで二階の校舎の端から端に向って、 歌った時です。無伴奏で歌う ふるさと の歌は、歌う生徒達も気持ちよさそうに堂々と大きな声を出して歌い、まわりで聞く者にも、とてもすばらしく感動的でした。
 そしてまた、歌の下手な私にとって、唯一歌える歌でもあります。

         (えんどう のりこ)


越谷教会月報みつばさ2005年9月号「私の一曲」より