自分にとって今夢中なもの

  田坂 邦彦

 自分にとって今夢中なもの?なんだろう。少年時代・青年時代にはそれぞれの時代に夢中になったものがあり、夢中の中で毎日を過ごしてきたように思う。社会人になってからは、良い意味でも、悪い意味でも仕事に夢中であったように思う。
 話を戻そう。ここで私に与えられたテーマはやはりそんなことではないようだ。今の自分に夢中になれる趣味が有るだろうか。孫達に夢中?越谷教会には孫の歌まで作った人がいると聞く。私は孫のことについて書くつもりはない。
 趣味は多いが夢中になれるものは多くはない。強いてあげれば、学生時代からやっていたテニスを最近また仕事仲間や同じマンションの婦人達とやっていることと、ベランダに植えてある花を育てることだろうか。
 仕事の関係で出席したある講演会で、日本人と欧米人の庭づくりの考え方の違いを聞いた。日本人は庭を囲って自分達家族が楽しむ為の庭を造る。しかし欧米人は周りの人達に見てもらうために庭造りをする人が多いという話であった。確かにヨーロッパの町々では花々が通行人を楽しませてくれる光景をよく写真やテレビで目にする。そこに植える花を選ぶ段階で遠くから目立つ色の花が多く選ばれるが、日本人の場合は比較的落ち着いた色の花が好んで植えられてきた歴史があるとの話であった。
 我が家は幸か不幸かマンションであり庭はない。ベランダに植える花を考える時に、出来れば家の前を通る人が見上げて(四階)くれるような花を植えたい。サフィニアの花がゆたかに垂れ下がったベランダを目指して努力をしている(毎日咲き終わった花を摘むことと適量の水遣り)のだが、気候条件や害虫さらには小鳥に花を食い散らされる等々うまくはいかない。(今年も失敗)
  しかし、うまくいくまでやってゆくのが趣味の良さであり、夢中になれる秘訣ではないか。  

(たさか くにひこ)


越谷教会月報みつばさ2006年10月号「私・・・に夢中です」より