車 寅次郎から学ぶ「言葉」理解

須賀 工

 この時期になると、レポートや試験勉強などで忙しく、体力的にも精神的にも非常に疲れが溜まります。このような中で、自分自身を癒してくれるのは、勿論、礼拝や祈りもありますが、映画「男はつらいよ」を観る事も又、大きな癒しとなっています。
  この映画で最も私自身が注目する点は、寅さんが拡張された妄想を「言葉」にして、語り始める所です。妄想と分かっていてもそれが現実の事であるかのようにイメージ出来るのが、この寅さんの言葉の魅力なのではないかと思わされるのです。ここではむしろ、耳で聞き、頭で理解するのではなく、心で聴き、体全体でイメージする事の出来る「言葉」の力を寅さんを通して感じる事が出来るのです。
 礼拝にも又、沢山の言葉があります。「読む言葉」や「語られる言葉」、祈りや賛美にも言葉は深く関係しています。その一つ一つを、私達は、頭で理解するだけでなく、心に響き渡るものとして、体全体で受け止め、その言葉に全身で応答するものでありたいと思います。 

(すか たくみ) 

越谷教会月報みつばさ2007年2月号「Tea Time」より