悪魔の器? いや天使の器!
小幡 正
夢中っていうのとはちょっと違うかもしれませんが、最近の私は携帯電話にハマりきってしまって…。なんでもかんでも携帯に頼り過ぎの状態ですが、自嘲と自戒とともに技術の発達への感謝もこめて書かせていただきましょう。
利用量に応じてたまったポイントのおかげで、去年の夏に、思ったよりだいぶ安く、この新しい機種が与えられました。機械オンチなので、最初は分厚い説明書を持ち歩いて、昼食中や電車で座れた時なんかも首っ引きでナビゲーション地図やテレビやスケジュール管理など、多彩な機能の習得に熱中してました。
携帯でFMラジオも聴けるし、ちっちゃなマイクロSDカードを中に入れると、ほんとうにたくさんの音楽をCDやインターネットから保存できて、ヘッドホンで聴いてる時に電話がかかってきたら、すぐそのままヘッドホンで通話できたりします。だけど、こんな爪の先ぐらいのカードが、こんなにも膨大な量の音楽を記憶して、こんなにキレイな音質のステレオ音声で再生できる理由が、どうーしても納得できません。
コンサートのチケットや新幹線の指定席を取る。辞書を見る。銀行振込をする。CDの一部を試聴して、五回聴いても買いたい気持ちが変わらなかったら通販の注文をする。いつも冷蔵庫のおもな中身を携帯にメモしといて、無駄な買物や買い忘れを防止。時には桃と梨とどっちがビタミン多いのか調べたりする。そして桃を購入。
優先席付近は避けて、右手はつり革、左手は「みつばさ」の原稿の続きを打つ。見直ししたら編集委員の姉妹に送信する。駅から教会行くバス、帰省中は仙台のバス時刻表も…。すっかり左手と一体となった名秘書が、これら(桃の購入とつり革を除く)を一手に引き受けてくれてます。
誰もいない帰り道「か〜み〜は〜わ〜が〜や〜ぐ〜らー」だけど二番・三番・四番がゴッチャんなっちゃって悔しい!でも讃美歌全曲の歌詞を一分以内に表示してくれる、スゴ腕の秘書です。
(おばた ただし)