今月の特集題  平和



One Peace
佐藤 学
 今回「平和」と言うテーマで「みつばさ」の原稿を依頼された時、正直戸惑いました。僕自身平和と言う事について今まで深く考えた事がなかったからです。
 そもそも平和の定義とは何だろう? 
 とりあえず辞書を使って調べてみました。辞書によると平和とは「心配、揉め事がなく穏やかな状態」だそうです。確かにそのとおりだと思いました。
 しかしこの「平和」の定義からすると、「はたして人間社会に平和な時など存在するのだろうか」と考えました。最小の社会単位の家庭と言う場に目を向ければ、社会情勢に、生活に、災害にといろいろな心配事を持っています。さらに国家単位に拡大してみてもテロや戦争、災害と重複する部分もありますが、心配事や不安と言ったものを持っています。一般的に平和とされている日本で生活している僕が思っている事ですから、世界の人々はもっとたくさんの不安や心配事を持っていると思います。要するに定義されている「平和」と言うのは人間社会には存在しないと考えました。
 では自分なりに「平和」とはいったいどういった事なのかと考えてみました。僕なりに考えた「平和」の結論は、「神につながっている事」だと思いました。
 人間とは弱くもろい生き物であり、けっして一人では生きて行けないものであると思います。だからこそいろいろな事に悩み、心配をし、そして不安を覚えるのだと思います。人間同士が寄り添えば大半の事はどうにかなってしまいますが、ささいな事でその集団が内部分裂してしまったりもします。そういった時に人間以外の第三者の力が人を通して与えられる事があると思います。これこそ神の恵みだと思います。そのような事が継続され、維持されている状態こそ、真の平和ではないかと思います。人間と神、両方の存在と可能性を信じていればきっといつかは世界中が平和になれると僕は信じています。
 余談ではありますが、今回この文章に、「One Peace」と言うタイトルをつけましたが、このタイトルには二つの意味を込めてみました。
 一つは平和という意味での英語peace、もう一つは、発音では同じ、洋服のワンピース(One piece) から考えたものなのですが、ワンピースと言う洋服は一つながりの服の事を言います。それと同じで、僕自身神と一つながりでありたい。そう考えたのです。そこで今回、このようなタイトルをつけさせていただきました。        
(さとう まなぶ)

戦費を災害に
遠藤 孝
 昨今、大雨による災害を受ける地域が増えてきていると感じる。6月頃にくる台風の被害は甚大である。洪水、土砂災害、橋や道路の損壊などが目立つ。
 6・7月頃発生した台風は、台湾・中国方面へ進むことが多い。しかし、東海・関東地方へ上陸する回数が多くなってきている。はるかかなた太平洋上にある台風の刺激で、梅雨前線が活発になるようだ。その時に大雨を降らせ、各地に災害が起きている。
 それらの原因は、地球温暖化による海面温度の上昇と言われている。赤道付近で発生するはずの台風が日本列島のはるかかなたで発生し、東海・関東地方へ進路を向け北上してくることもある。昨年は、史上最多10個の台風が上陸した。集中豪雨も含め死者・行方不明者は200人を超えた。今年は14号までで29人の死者・行方不明者がでるなどの被害が目立つ。
 農作物にも多大な被害を受ける。家庭菜園をしているわずかな作物も倒れ、台風が通過した翌日、土を寄せて起こしてあげる。台風後の晴天で茎や葉はしおれているが、数日後には元気に育ち始め、「主に収穫の喜びを感謝」することができる。
 台風の被害は、日本だけなのだろうか。
 世界各国でも被害を受けているが、連日報道されているのはアメリカの災害である。米国南部を襲った超大型ハリケーン(台風)は、千名以上の死者数(完全に把握できていない)と洪水による家屋の損壊が大きい。ルイジアナ州ニューオーリンズ市一帯から避難した人の様子が報道されている。
 水位が下がり避難先から戻りかけはじめたら、ハリケーン「リタ」がテキサス州を直撃。テキサス州沿岸150万人・ルイジアナ州40万人以上の退避命令がでたとのことである。リタの被害の死者数は数名とのこと。カトリーナの被害の大きさに驚く。
 1900年にテキサス州では8,000人〜12,00人の死者数が出る大きなハリケーン被害があった。
 災害から人名を守るための費用はいくらかけてきたのだろうか。9・11の同時多発テロ後のアフガン・イラク侵略し多数の生命を奪った戦争。この戦争のために莫大な戦費をつぎ込んでいる。戦争のために費やす費用と人材の百分の一でも災害のために使われていたらと思う。
 災害国日本では、被害が起きると復旧及び護岸工事などが行われ、被害を少なくしようと努力している。日本の沖縄・鹿児島県地方では、カトリーナ級の勢力を持った台風は毎年直撃している。今後、台風・集中豪雨の時に大都市の0メートル地帯の地下鉄、地下道・商店等が心配である。
(えんどう たかし)

越谷教会月報みつばさ2005年10月号特集「平和」より


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