今月の特集題  クリスマス



クリスマスの思い出
古澤ひかる
 今年もまたクリスマスが巡ってきます。日も短くなり暗くて寒い冬の日々。このような時期に、私達のただ中に光として来て下さったイエス様の御誕生を祝うクリスマスがあることはとても嬉しいことです。
 少しの間滞在した北ドイツの冬は、太陽が昇っても低く、昼間でも夕方のような弱い光しか射しません。朝は遅くまで暗いですし、あっという間に夜になってしまいます。この暗い季節にクリスマスがあることで本当に救われます。
 子どものころのクリスマスの思い出はたくさんあります。母教会では、ちょうど私の家族が転居して来たころに聖歌隊が結成され、キャンドルサービス、そしてキャロリングが行われるようになりました。キャロリングには小さい私はまだ参加できないので、聖歌隊が歌いに来るのを自宅で待っている間に寝入ってしまい聴けなくて悔しい思いをしたこと。少し大きくなって初参加できて嬉しかったこと。またキャンドルサーヴィスで蝋燭点火の役をやれて誇らしかったこと。その頃のクリスマスの嬉しさは、子どもの私が少しの間、大人の仲間入りができることだったのかもしれません。
 特に思い出深いのはキャロリングです。当初は徒歩で教会員の家庭を回っていましたが、少し離れたところに住む方々の中にも希望者が多くなり、私が青年会(=聖歌隊でした!)に入る頃には、車数台に分乗して回るスタイルが定着していました。日が暮れてから出発し、蝋燭を持って各家庭の前でクリスマスの讃美歌を二曲ずつ歌います。雪のキャロリングも何度か経験しました。ですから私の讃美歌は、クリスマスの歌のところだけしわがよっています。寒い中で歌う聖歌隊員のために、玄関先にストーブを出しておいて下さるご家庭や、温かいスープを用意して下さる方もありました。終わりが夜九時や十時を回ることも多かったので、いつも最後に食事を用意して労って下さるご家庭もありました。夜遅くまで大変でしたが、毎年とても楽しい暖かいキャロリングでした。
 アドヴェントの今、幼稚園でも先生方が子どもたちと一緒にクリスマスに向けて心をこめて準備をして下さっていることは感謝です。先日息子が持ち帰った冊子「クリスマス」の最後に祖父の詩を見つけ、なつかしさで胸がいっぱいになりました。暗闇の中に希望の光として来て下さったイエス様。その大きな恵みに心から感謝しつつ、クリスマスを楽しみに待ちたいと思います。   
(ふるさわ ひかる)

クリスマス〜奉仕者をおぼえて
須賀 工
 今年もクリスマスの時期となりました。教会の奉仕においても学校の緒行事においてでもとても忙しくなる時期です。キャンドルサーヴィス、クリスマス祝会、クリスマス礼拝、キャロリングその他諸々、沢山の行事が交差し合い、一年の中でも特に忙しくなる時期であるといえます。教会員の方々は、「伝道」の為にそして「奉仕」の為に頑張って働かれている事でしょう。
 しかし、忘れてはいけない事、それは教会で行う「奉仕」や「伝道」が一般的にいう「仕事」とは、違ったものであるという事は言うまでもない事です。教会は、決して単なる人の集まっている所ではありません。教会は、「キリストの体」です。そして、「御子はその体の頭」(コロサイ1・18)であり、更に私達は、「自分の体がキリストの体の一部」(コリントT6・15)となるのです。即ち、私達一人一人は、教会の頭であるキリストを信じる信仰によってキリストの体に入れられる事が赦された存在なのです。それは、「奉仕」にせよ、「伝道」にせよ教会のあらゆる事柄は、神様が主体であり中心である。私達はそれに仕える形でその事柄を進めて行く事を意味しているのです。
 教会の中での私達は、決して人ではなく、人に向かってでもありません。むしろ、神によって導かれ、「キリストの体」に入れられ、神様からの愛への応答のようにして「奉仕」を進めます。そして日々、「天地創造」から「神様の受肉即ちキリストの降誕」、「キリストの十字架における罪の赦し」そして「イエス様の再臨」までを心に留めて、神との交わりの生活ができる事こそが、私達に与えられた最大の恵みではないのでしょうか。私達は、人生経験や育ってきた環境など違う事が沢山あります。どの人も違うものを持った存在であります。しかし「キリストに結ばれて一つの体を形づくって」(ローマ12・5)いるのです。一つとされた私達は、今主が生きて働いておられる事をおぼえ、そして一人一人が神の栄光を受けている事に感謝し、力を合わせて「伝道」したり又は、「奉仕」する者となれるように願っていますし、祈っています。そして自分自身も頑張っていきたいと思います。
 クリスマスの話とは、また違った話をしてしまったのですが、越谷教会は伝道を常に推し進めている教会であると言えます。伝道する場は常にあるのですが、クリスマスは特にその場が沢山与えられる時期であると言えます。またその中には沢山の教会員の働きを見る事も出来ます。だからこそ、私はこのような文章を書きたいと思ったのかもしれません。一人一人の奉仕の働きをおぼえて神様に感謝してクリスマスだけではなく、毎日を過ごしていきたいと思います。        
(すか たくみ)

越谷教会月報みつばさ2005年12月号特集「クリスマス」より


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