今月の特集題 みことばに押し出されて
佐々木 義夫 |
2005年は、私にとって激動の年でした。数年前までは、家内との関係で受洗はしなければと思いつつもまだもっと先の事と思っていました。しかし、石橋先生にご相談し、十年目の節に当たる昨年、何か心にふつふつと燃え立つものを感じ受洗する決意をしました。そして、事前の勉強会で家内の私への気持ち及び、聖書のみ言葉(エフェソの信徒への手紙)から家内との和解にこぎつけました。 それ以降の気持ち・自分なりの課題を二点に絞って述べてみます。 (1)受洗するには、もっと勉強する必要を感じ先生にお願いしてマタイによる福音書の解説書をお借りし読み始めましたが、難解で相当の知識がないと読みこなせないことに気付くと共に、今迄有名なみ言葉の断片的知識だけで新約聖書が分かったような顔をしていた自分が恥ずかしくなりました。 先生から教えて頂きましたが、四大福音書は各々主対象とする民族が異なる為、自然と主のみ言葉の中で重点の捉えかたが違い、全体を通して読まないと主の真の教えが理解しづらいようです。特にマタイ書はユダヤ民族を対象とするだけに、宗教を心の依りどころと考えていた私には「信仰とは何か」が分からなくなり少々とまどいを感じました。中でも第10章34節 (わたしが来たのは地上に平和をもたらすためだ、と思ってはならない。平和ではなく、剣をもたらすために来たのだ) 以下の部分は文章だけでは違和感が強く先生や長老の説明でやっと分かった次第です。その他でも私にとって分かり難い表現が多く、そのつど亀井先生、長老にもご迷惑を顧みず質問しては理解の補強にしています。 (2)現在、壮年部で「信徒の友」を輪読していますが、その中で多くの著者がもっと日本人に馴染めるような教え方が必要と指摘しています。特に、島国の日本と、砂漠や山脈で国が接している西欧や中近東の諸国とでは宗教観、歴史観、気質の相違から、み言葉をどう噛み砕き説教するのか石橋先生、亀井先生、川端先生ともに日夜ご尽力されているのが説教の端々から伺えます。 恐らくザビエル師が布教を始めたとき日本人に受け入れてもらう上で信長公の政略的庇護があったにしても血のにじむような努力があったことでしょう。今日でも、その意味で岩手県大船渡市の山浦医師が山上の垂訓を地元の言葉で解釈し説教されている記事を読んで感動しました。(この意訳に対し賛否両論があるようですが、宗教といえども世の動きと無関係ではいられないと思います)。 以上、拙文で申し訳ありません。ただ、自分がキリスト教を理解し半歩ずつでも前進していく為には、まだまだお説教や信仰の諸先輩のお話を聴き、又、種々の解説書を読んで解釈し理解する等、家内や子ども達の気持ちも踏まえつつ自分なりの努力をしていかなければならないと思います。 今はその緒についたばかりです。何卒、皆様方からの暖かいご指導をよろしくお願いいたします。 |
(ささき よしお) |
藤森 恵美子 |
テーマは「みことばに押し出されて」ということです。 「みことば」に押されても動かない、私にこの「みことば」は耳の痛いものです。 いつも息子の事ばかり書いて申し訳ありませんが、障害を持った子の親の中には素晴らしい働きをする人が居ます。行く場所の無い我が子の為に作業所を立ち上げる人、大変な努力の末に自分の子は入ることが出来なかったという事も聞きます。 私の能力では息子を抱え少しでも成長して欲しいと一緒に歩く事で精一杯でした。 そんな中で最初の場所は失敗でしたが次の場所は息子の隠れていた力を引き出してくれた暖かいゆったりとした場所でした。彼の通う知的障害者授産施設ワークスみぎわは二十周年を迎え彼は最古参となりました。(途中、関連の会社に四、五年就職しましたが会社の不振で離職、みぎわに戻りました) 四月からは障害者自立支援法が施行され就労継続支援(非雇用型)施設となります。「個々にあったサービスを選択する事が出来ますよ。しかし、あなたが施設に通い一日を過ごす為には職員の人件費、光熱費など諸々の費用が掛かりますから通所した日数分だけは支援費を支払いますが、休んだ分は支援費は支払いません。そしてその支払い分の一部をあなたも負担して下さい」というものです。施設は経営の為に利用者を増やさざるを得ません。 サービスの低下に繋がるかも知れませんし職員も今まで以上に大変です。 今、息子の給料は月八千円です。 加須まで通うだけで月二万円です。四月からは新たに三万円程の負担増になりそう です。金銭だけで言えば五万円出して八千円頂くわけです。 一麦福祉会を母体に沢山の方々が支援をして下さいます。 越谷教会でも毎年のバザーに出店させて頂いています。木工製品を買って下さる方、教会のホームページとみぎわのホームページをリンクして紹介して下さる方、祈って下さる方、本当に有難う御座います。 今年はみぎわの隣接地を買う事が出来てお店を出す事になりました。委託販売のご協力も増えてバザーの出店も多数です。 みぎわの利用者に年金と合わせて生活出来る給料を出したい、と夢見て理事長始め職員も親達も頑張っています。二十人の利用者は仕事を通して成長していきます。 利用者が皆で朝の讃美歌を歌う時、昼食のお祈りの時、主が共に居て下さると信じます。みぎわは恵まれている方とはいえ施設を取り巻く状況は厳しいものです 「神様どうぞ良き道を備えて下さい」そして押し出してください。 |
(ふじもり えみこ) |
越谷教会月報みつばさ2006年3月号特集「みことばに押し出されて」より |