今月の特集題 教会の夢 -主にあるヴィジョンを考える-
貴田 陽一 |
うめきながら、夢を語ることは辛い。 そして更に老骨に鞭を当てて未来を語るそのエネルギーが私に残っているのだろうか。 こんな不信仰が書き出しになってしまうことをお許しいただきたい。 会堂、幼稚園舎の借入金返済以来、第二礼拝堂建設の借入金返済に当たらせていただいた年月。 この7月には銀行借入れは完済といえる所までたどり着いた。 あとは二年後にやって来る教会債をお返しできれば、ご一緒に歩んで来て下さった兄弟姉妹との長かった歩みは終わる。 「有難う」。 何度悲鳴をあげただろう。何度主に訴え祈ったろう。何度兄弟姉妹に助けられたろう。それを思うと感謝のほかはない。 小海牧師・石橋牧師と共に借金と向き合って30年。両牧師の優れた指導があったことを忘れない。 両牧師とも福音に立つ牧師として、その宣教のわざに徹していて下さった。 さて夢を実現するために何を語ったら良いのだろうか。 データはすべて下向きである。共に生き生きと支えて下さった兄弟姉妹も私同様老いを感じている。 そして献金に対する比重もその方々に負うところ大きい。 しかし私達は失望しない。私達はこの30年間一糸乱れずこの大きな業に取り組めた。それを主が見ていて下さったこと、さらには私達のあとに来る人たちも見ていてくれたことである。 この恵みを今、父なる神に感謝したい。 そして幾度かの危機を主にあって越えた、その導きと共に私に寄せて下さった兄弟姉妹の祈りがあった。私は孤独ではなかった。 教会は社会の中にある存在であることも知らされた。銀行という企業との付き合いは冷厳をきわめる。これは勝負の世界では無く誠実な話し合いと約束を実行して行く世界である。話し合いは苛烈をきわめることもあった。 しかし私の交渉を見守る両牧師の冷静な信仰があった。 さてデータの上では不安があるかも知れないが、私は失望しない。 兄弟姉妹の行く手にゆるがない御手があること。甘いと言われても私はここに賭ける。 「教会はキリストの体であり、すべてにおいてすべてを満たしている方の満ちておられる場です。」(エフェソの信徒への手紙1章23節) 福音に立つ教会である限り主の御手は我が教会から離れない。 |
(きだ よういち) |
榎本喜美夫 |
信徒の友の「日ごとの糧」をみると、日本におけるキリスト教の置かれた状況がよく分かる。手元の2007年1・2月号(鹿児島、香川、愛媛)によれば、100年以上の歴史(1900年以前の創立)がありながら聖日礼拝の出席者が20名以下という教会が5つもある(うち4つは年間予算が500万円以下。最大でも平均111名、2、324万円)。越谷教会の歴史は120年近く、礼拝出席者は110名ほど、年間予算も1、500万円であるから、日本の教会の中では非常に恵まれていると言える。 教会は個々のキリスト者のよりどころであると同時に、地域社会をベースに宣教の業に励むことを担わされている。越谷教会がこれからどう目標を定めて歴史を刻んで行くのか、この時代に生きた我々の、後世に対する義務が課せられているわけである。 越谷教会はこれまでの歴史の中で、「キリスト教主義幼児教育」「バザー」「クリスマス行事」「特別伝道集会」などを通して、地域との関わりをもち、それぞれよく受け入れられてきている。これは神の祝福と先人の努力の結果であり、これからもその精神を受け継いで行く必要がある。(信仰と伝道はキリストの教えに忠実であることが第一であり、地域との関わりは超越してもよい、という考え方もあろう。しかし、私見としてはこれまでの越谷教会のあり方を首肯していきたいと思う)。 現在、第2礼拝堂献金を継続中である。銀行への返済は程なく終了する予定とのことであるが、教会債として残る債務はまだ建築献金として継続して行かねばならない。 こうした状況下、並行して第2礼拝堂を具現化するプランが教会員に提示せらるべき時期または現実味を帯びて検討する段階に来ていると思う。 以下僭越ながら私見を述べることにより、具体的イメージを描く際の一助にでもなればと思う次第である。予定地に建築物を建 てるについての制約があることは仄聞(そくぶん)しているが、それは別問題として考えてみた。 イメージとしては ○ 文字通りの第2礼拝堂(副牧師が必要?) ○ グループホーム中心(高齢者・要介護者など専任のスタッフ問題) ○ 上記の複合施設(礼拝には外部からも出席可能とする) ○ その他も当然考えられて然るべきということになろうかと思う。 越谷教会の10年、20年後を見据えた場合、土地取得問題に目処がついた段階で、教会員大勢の意見を徴しながら、実現可能な方策を探ってゆく過程を踏むことは必要であろう。 |
(えのもと きみお) |
越谷教会月報みつばさ2007年2月号特集「教会の夢 -主にあるヴィジョンを考える-」より |