今月の特集題　　私の出発点

土屋　恵子

数年間の越谷教会のみつばさ月報を読み返していると、「喜びにあふれて」と題して、キリスト教保育園の保育士として10年ぶりに保育に携わる喜びを、原稿に書かせていただいていました。夫を亡くしてからのさみしさや悲しみの中にあって幼な子に関わっていく中で前向きな思いを書いていました。そして、3年前、付属保育園勤務のため松戸教会へ越谷教会より一時転会しました。しばらくの間は越谷教会の第一礼拝に出席してから松戸教会へ出席していました。 　しかし、8年間お世話になった保育園も今年3月に退職しました。4月からは越谷市内の保育園で毎日、幼な子と関わって生かされています。 　さまざまな出来事がありました。8年前は元気いっぱいに体ごと支えてくれていた義母も要介護になり、一昨年義父は他界しました。高校3年生と中学3年生の二人の息子は、また人生の節目の時を迎えています。 　私自身年齢が重なるわけもたくさん知らされましたが、笑顔と明るさだけは何より自信があったのに、胸が焼けるかのような悲しさ苦しさ悔しさに出合いました。 　もう、誰にも話したくない会いたくないと嘆いた時、石橋牧師に「会って下さい」とその日のうちに電話をして、胸の内を聞いていただきました。そして励まされて、祈っていただきました。 　暗く悲しさの中にあっても、試練を与えてくれたことをむしろ感謝として、逃げないで、乗り越えてゆく力を求めなさいとのメッセージをいつも石橋牧師からいただいているようで、聖書に出会った時の初めてのみ言葉「忍耐は練達を、練達は希望を生む」（ローマの信徒への手紙5章4節）をあらためて心にきざみました。 　私の好きな幼児さんびか「ひとりひとりのなをよんで」があります。 　 ♪ひとりひとりのなをよんで 　　　あいしてくださるイエスさま 　　　どんなにちいさなわたしでも 　　　おぼえてくださるイエスさま 　 ♪ひとりひとりをあいされて 　　　うれしいときにはよろこびを 　　　かなしいときにはなぐさめを　　 　　　あたえてくださるイエスさま 　深く悲しい悩みの中にあって石橋牧師のみ言葉を聞く喜びとなぐさめが与えられ、その時々が私の出発点でした。そして、心がこわれそうな時も暖かく時に謙虚さが大切であることを教えてくださった大好きな先輩がいます。 　先日、越谷教会へ再び転入会できるとの知らせを頂いて喜びでいっぱいになりました。 　教会の頭である神様につながって、その枝々に連なる越谷教会の皆様の仲間に加えていただけることに、感謝の気持ちでいっぱいです。新たな出発点を越谷教会からはじめさせて頂きます。よろしくお願いします。

(つちや　けいこ)

鷲尾　慈美

教会の隣に生まれて28年。子守歌のように讃美歌を聞いて、神様の愛に包まれて育ちました。それはとても有り難いこと、しかしこの歳になるまでそれに気付かず過ごしていました。 　昨年の妊娠、お産を機に改めて歩んできた路を考えさせられました。 　予定日より８日遅れたものの、やきもきしていた私と違って赤ちゃんはマイペースで、やっと出てくるのを決めたようでした。なるべく医療の介入がない自然なお産を求めた結果、私達は実家で自宅出産することにしました。とはいえ、初めてのことで緊張しましたが実際はリラックスしてそのときを迎えることができました。「オーチャン(長尾弘)、神様、お守りください」と、口には出さなかったけれど、見守ってくれていた家族がそれぞれ同じようにお祈りしていてくれたそうです。 　そして日曜日の朝、無事に予想より少し大きな女の子が産まれました。たくさんの人に見守られ祝福されて、赤ちゃんと私にとってこんなに幸せなことはないでしょう。その場に立ち会ったみんなも幸せな気持ちになれるとても素晴らしいお産になったようです。 　すぐに祖母が石橋牧師に報告したところ、教会学校のお礼拝が終わってすぐにお祈りに来て下さいました。その日お話して下さった説教から、娘に「寧路（ねいろ）」という名をつけました。 　今回の妊娠、お産では自分の力ではどうにもならないことがたくさんありました。先が見えず不安になったりもしたけれど、神様がいつもこうして共に歩んで下さっていたことに改めて気がついたのです。 　私の歩みの出発点は、両親が幼児洗礼に、寧路が信仰告白に導いてくれました。そして夫や周りの人達の理解に日々支えられています。 　この家族とすごす温かな毎日を神様に感謝しています。

(わしお　いつみ)

越谷教会月報みつばさ2008年6月号特集「私の出発点」より