今月の特集題  新しくされて生きる



私の夢と目標
薩摩 愛徒
 私は、今大きく分けて二つの夢と三つの目標があります。向こうに行って、これからどうなっていくか全く解らないですが、今はこの夢と目標についてじっくり読んで下さい。
 まず夢の一つは、自分のやりたい仕事に就くことです。私のやりたい事、もう大半の人が知っているでしょうが私のやりたい事とは、酪農です。そのために私は、親元を離れ単身北海道へ行くのです。期待が六割不安が四割って感じでこの文を書いています、そしてみなさんがこれを読んでいる時はきっと私は向こうでもう勉強をしていることでしょう。大学を卒業したら勉強したことを生かして牧場で働きたいと思っています。できる限りこっちに戻って来たいと思っていますが難しいのでどうなるかわからないですが頑張ってこっちで雇ってもらえる成績をとってみせます。そして、牧場で働いたときは、最高の牛を育て上げてみせます。
 気持ちは、消えかけている酪農を再び立て直すくらいの気持ちです。皆さん、照覧あれ。
 もう一つの夢は、平和に生きることです。昔からのんびりとしたマイペースな人間なので争いが嫌いです。だからこそ平和に生きたいです。この先避けることができない対立もあるだろうけど自分の考えが正しければ私はそれを貫きます。例え一人でも悪い考えを受け入れません。人間資本の考えなんてもってのほかです。人間がえらいなんて誰が決めたわけでもないのに人間は威張りくさっている。このまま話しを進めると長くなるのでこの辺にします。でもこれだけは言える、今の人間の行いはキリスト教に置き換えるとモーセが地球、イスラエルが動物、人間は、エジプト人となると思う、人間は動物を下に見ている。当然その命も。命は上も下もない全ての生き物に平等にある、全ての人間が命の平等性に気付けばきっと世界は平和になると思う。
 次に目標について、一つ目の目標は、大学で成績上位になること。酪農に対する気持ちは負けないので他の人より良い成績をとりたいです。自分のやりたい事をやる以上誰にも負けません。
 二つ目はコミュニケーション。動物はとても敏感な生き物でコンマ数秒で相手が敵か味方か判断するのでコミュニケーションは重要です、と言ってもこれは生まれもった素質なので無ければ努力するだけですけどね。
 そして最後三つ目は毎週礼拝に出ることです。そんなの当然と思う人もいるでしょうが生き物相手なので病気で急変とかあるのでけっこう大変だと思います。
 これが今の私の夢と目標です、向こうでどんな生活が待っているかわからないですがいつでも全力でぶつかって行きたいと思うので皆さん応援してください。
(さつま まなと)


共に祈りつつ
鈴木 恵子
 昨年9月20日、7年間親しくしてきたM.Tさんと言う友人が天に召されました。M.Tさんと私は、同じ化学物質過敏症と云う現代病を通して深く理解し支え合って来ました。7年前に彼女は乳癌を発病し大学病院で薬剤テストを受けましたが、すべての薬剤に反応し手術には対応できないと云う結論でした。残された道として数々の民間療法に希望を託し試みましたが、癌は一進一退しながら骨にまで転移してしまい、この2年間は壮絶な痛みとの戦いでした。
 石橋先生の御紹介で聖路加病院を受診しホスピスに検査入院をしました。病院内の礼拝堂で何度も手を取り合ってお祈りしました。日々メールや電話のやりとりがありましたが、痛みで眠れず祈ってほしいとの電話の回数が増えていきました。わずかな量しかモルヒネも使えず、とうてい痛みを抑えることは出来ませんでした。その間、石橋先生が彼女の為に御言葉を語って下さり祈り支えて下さいました。
 9月19日の早朝、大出血を起し救急車で横浜のS病院に搬送されました。苦しそうな呼吸の中で、輸血をしても間に合わないであろうと云う医師の言葉を耳にしたと言う彼女から電話があり、私はすぐに車で病院に向かいました。
 彼女の最後に間に合うように何度も祈りながら雨の中を走りました。病室に着いた時には血の気がない真青な顔色に驚きました。薄れゆく意識の中で、お祈りさせてね、と言う私の言葉に彼女は深くうなずきました。彼女の冷たくなっていった手をとりアーメンと最後に唱えました。翌朝、身内の方々に見守られながら安らかに天に召されました。
 彼女はとても心の優しい誠実な人柄で、私の父が召された時も病をおして越谷教会の葬儀に来て下さいました。
 私の母が再度の手術を控えてM.Tさんの家に見舞った時、「私はまだ大丈夫です。お母さん、お体を大切に長生きして下さいね」といつまでも母の手を握りしめて下さいました。どんなに苦しくてもいつも前向きで生きようとする彼女の姿勢に私は心を打たれました。今は神様の元で痛みから解放され重荷をおろしていると思います。
 今は彼女の形見となってしまったハンカチには、一面にありがとうの文字が刺繍されていました。常に感謝の心を忘れない人でした。彼女が召された事は大きな悲しみですが心の中には温かさとぬくもりの灯がともっています。石橋先生始め、お祈り頂いた教会の方々に心から感謝いたします。
 化学物質過敏症は諸外国では、デンマークやオーストラリア、ドイツでも国としての取り組みが進められつつあります。日本では未だ対策が遅れています。生きていたくても生きられなかったM.Tさんの想いが無駄にならないようにこの事を覚えてお祈りいただけたら幸いです。
(すずき けいこ)

越谷教会月報みつばさ2009年4月号特集「新しくされて生きる」より


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