今月の特集題 新しくされる喜び
本間ふみ子 |
私は、キリスト教とは無縁の生活環境で育ちましたが、教会や聖書を知るうち、興味を持つようになりました。 初めて礼拝堂の中に入り、大きな十字架を見上げ、石橋先生のお説教が良くわからなくても、大好きな讃美歌を歌うことができれば、うれしく、礼拝に出席するようになりました。教会に通う内、信徒の方々が御言葉に支えられ、そして、柔軟な中に強い心があり、明るく生活している事を知り、私もそんな風に生きて行きたいと思う様になりました。 その反面私は、自分で見なければ信じない、感じなければ信用しないと言って、いつも自分の気持ちを優先していて、見えない神様を信じられないでいました。けれど、神様を信じられる人がうらやましくもありました。そんな私に石橋先生が、トマスの話をして下さいました。「見ないで信じる者となる」。イエス様の傷跡をさわって確かめたから信じたトマス。今の私にはそんな事は出来ないのだから、神様は見えなくても御言葉に現われて、私に教えて下さっているのだと理解しました。そして、信じて生きて行きたいと思いました。 受洗の事を考える様になってから、長男の結婚が決まり、受洗に向けての学びもお願いして、喜ばしい事が続く一年になると期待していました。しかし、神様のご計画は他にもあって、元気に仕事をしていた姉の突然の発病、そして余命の宣告と厳しいものでした。そのショックで私は、精神的に落ち込み、祈ることもできず、真っ暗な中にいるような状態でした。そんな時、信徒の方々が、私を励まし、「祈りますよ」といって下さいました。私の祈りは、自分の欲望と不満のことだけでしたので、「他人の為に祈る事ができる」信仰の強さと優しさに目の前を明るく照らされたように思いました。そして、石橋先生が私達の為に祈って下さり、洗礼を早く受けるように勧めて下さいました。私も早くこの辛さから抜け出したいと思いました。 神様にしっかり向き合わずに、自分を見ていてくれないと嘆くばかりの受洗までの長い年月は、私に相応しい時間だったと納得しています。 今、十字架を見上げ皆様の前で「信じます」と言うことが許され、本当にうれしく思います。これからは、聖霊の助けをかりて、神様に何でもお話し、この後の人生を充分に味わって行きたいと思っています。長い間、礼拝に招かれていながら信仰に到らなかった私に本当の祈りを教えて下さった皆様に感謝します。そして、この越谷教会で神様につながる者となれたことも幸せに思います。 |
(ほんま ふみこ) |
柿沼千恵子 |
神様に導かれ2009年11月15日に洗礼を受ける事ができました。 受洗後初めての聖餐式の日は少しドキドキしていました。今までは見ているだけで目の前を通り過ぎて行くだけでした。私もいつか聖餐に与かる日が来ることを願ってはいましたが、特に聖餐の意味など考えた事もなく儀式の一つとしか思っていませんでした。でもパンを口にした時、とても重く喉を通るのを実感しました。 受洗式の日は緊張の為、無事に終わった感謝の気持ちでいっぱいでした。 聖餐式では自分でも想像していない思いでした。神様はずっと私の側にいて下さったのですね。いつか受洗する日が与えられるように願ってきましたが、私には人間関係でどうしても忘れられない思いがあり、長い間悩んで来ました。自分がこのような気持ちを持ち続けてきたことに苦しみ、でもどうする事も出来ない、その為体調を壊して眠れない日もありました。自分の思いが強く周りが見えなくなっていたようです。 受洗するのに相応しい人間・敬虔なクリスチャン、私は洗礼を受けるのに相応しい人間ではないと思ってきました。試練の中で神様を知るとありますが、私には苦難としか思えないでいました。暗闇の中でじっと時が過ぎるのを待つようになり、祈れなくなりました。神様から心が離れ見失っていたようです。そのことにも気付けませんでした。この思いを解決すれば心の平安が得られると思い続けてきました。でも今のままでは洗礼を受ける日は与えられないと感じるようにもなりました。ですがそれまでの思いを変えることもできません。 でも受洗後初めての聖餐式では自分でも想像していなかった思いに気付かされました。今までの思いが少し和らぎ穏やかな気持ちに、胸が暖かくなったように感じられました。とても不思議な感情です。主が共にいて下さり、共に苦しんでくださっていたのですね。まだまだこれまでの思いから解放されるには時間が必要です。でも神様から問題を抱えながらも歩む力を与えていただきました。これからは以前のような良い関係に戻れるようにと祈っていきたいと思います。神に委ね与えられたものの中で精いっぱい生きていけるようになりたいです。 そして、聖餐の恵みに与かることでいつも神様と繁がっていける者となりたいと思っています。 多くの方にお支えいただきましたが、これからは神様が与えて下さった新しい道を歩んでいきたいと思います。 |
(かきぬま ちえこ) |
越谷教会月報みつばさ2010年1月号特集「新しくされる喜び」より |