決して滅びない



わたしは彼らに永遠の命を与える。彼らは決して滅びず、だれも彼らをわたしの手から奪うことはできない。
(ヨハネによる福音書10章28節)
      

 聖書の主題は「神共にいます」だ。副題を問えば「聞いても信じない」と言える。マルコによる福音書は主イエスの復活を知らされた弟子たちが「聞いても信じなかった」と繰り返し語っている。
ヨハネによる福音書六章三六節では「見たのに信じなかった」とある。「聞いたのに、見たのに信じない」。人間と神との間にある断絶が示されている。この断絶は、激しい神への反発を示している。
 主はこの反発する人々に「わたしの羊ではない」と拒絶される。反発と拒絶、この中で人間の激しい罪が、暴露されていく。
 主は「わたしと父は一つである」お方、生まれつき目の見えなかった人が見えるようになったということだけでなく、主イエスが語られておられること、主イエスの存在そのものが神の業だ。
 今、信じない人々の只中に「神と一つ」であるお方が立っておられる。

 しかし、人々は激しく反発し、神を冒涜するものとして石で撃ち殺そうとするのだ。
 主はこの不信の只中に、激しい罪の只中に立たれる。そして、神を冒涜する罪を自ら背負い、「わたしの羊ではない者」の為に十字架に死んでくださった。
 この十字架の業、この神の決定的な業によって、わたし達は「主イエスの羊の群れ」の中に、赦されて罪の中から引っ張り上げられた。
 主イエスが聖霊によってわたしたちの中に入り、信じない者から信じる者に変えてくださった。信じる者であるところに神の業がある。
 今、救われて、神の羊とされた者に、主イエスが力強く語ってくださる。
 「わたしは彼らに永遠の命を与える。彼らは決して滅びず、だれも彼らをわたしの手から奪うことはできない。」
 わたしたちに、様々な力が覆いかぶさってくる。病に心がボロボロにされる時がある。罪の誘惑があり、サタンの力が思わぬところからわたしたちをとらえてしまうことがある。しかし、その時、主イエス・キリストは闘ってくださる。聖霊の神として、闘ってくださる。よき羊飼いとして、羊を脅かす力と闘ってくださる。そして、「永遠の命を与える。決して滅びることがない。だれも、わたしから奪うものはいない」と断固として語ってくださっている。
 この力に、主イエス・キリストによってわたしたちの生活は、支えられているのだ。


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