「今、あなたは身ごもっている。やがてあなたは男の子を産む。その子をイシュマエルと名付けなさい、主があなたの悩みをお聞きになられたから。」 |
(創世記16章11節) |
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深い悩みの中で人生をさ迷うという事があると思う。その時、主の言葉が響く。「あなたはどこから来て、どこへ行こうとしているのか。」(8節)
御言葉はさ迷う人生の足を止めさせ、自分について、人生について、人間存在の根源について問い、考えさせる言葉である。
女奴隷ハガルはアブラムとサラのもとから逃げている。このさ迷う人生の危機の中で、神の御言葉を聞く。
「あなたは、どこから来て、どこに行こうとするのか」
アブラムのもとから逃げるということは、神を捨て、神に背を向けて、逃げることになる。
神を捨て、神に背を向け、神なき世界に逃げていく。しかし、神なき世に救いがあるだろうか。神なき世界でハガルの悩みは克服されるだろうか。 悩みの中にあるハガルに主は語りかける。
神はハガルに宿った命、その子どもに名前を付けられた。
「今、あなたは身ごもっている。やがてあなたは男の子を産む。その子をイシュマエルと名付けなさい、主があなたの悩みをお聞きになられたから。」(11節)
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ハガルが産む子どもの名前は「イシュマエル」だ。
この名前の意味は「主が悩みを聞かれる」という意味だ。聖書はイシュマエルの人生について記している。「彼はあらゆる人に敵対し、兄弟達に敵対して歩むものとなる」とある。何という人生だろう。ハガルはイシュマエルを産むことによって大きな悩みをかかえることになる。その子育ては困難だ。
しかし、同時にイシュマエルと共に生きる事は「主が悩みを聞かれる」ことを噛みしめる人生、悩みを聞かれる主を深く受けとめながら歩む人生となる。
ハガルは「自分に語りかけた主の御名を呼んだ」(13節)
ハガルは悩みの中で「自分に語りかけてくださる神」に出会って、神を賛美する。人間の深い罪と悩みを神は知ってくださり顧みてくださり、立ち返るべきところに導いてくださるのだ。
神は主イエス・キリストの十字架においてわたし達の罪と悩みを知り、担い、罪と悩みから救い上げ解放してくださる。
真に悩みを聞かれる十字架の主に出会い、高らかに主を賛美することができる。
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