主に生かされて

      アーメン

         鷲尾 慈美



  「かあさん、おきて!」
 早いと朝五時半に起こされます。
 とても元気で活発に成長した娘は、この前卒乳したと思ったのに、あっという間にしゃべり始めて、その上かなり積極的なのです。初めて会ったお友達がびっくりして泣くのは毎度のこと。知らないおばちゃんにも「おじちゃん!」と話しかけるので目が離せません。
 言葉はオウム返しですぐ覚えますがやっぱり少し間違ってしまいます。言っていることがわからなくて何度も聞き返すと、「もう!」私の口ぐせが移ってしまいました。

 この前、夕方の散歩の帰りに隣のおうちからピアノの音色が聞こえてきました。娘は音の聞こえてくる方を指さして言いました。
 「かあさん、アーメン」
 私は驚き、
 「アーメン?なあに?ピアノのこと?」
 「うん!」
 娘はお礼拝で聞く讃美歌の伴奏だと思ったようです。実際には讃美歌ではなかったものの、この子にとってはずっと教会で聞いてきた曲に思えて、「アーメン」だって言えるようになったんだ!そう思ったら毎日の寝不足も疲れもすうっとどこかに行ってしまいました。
 こうした娘の言葉から、神様はいつもちゃんと私達を見守って下さってるんだと思え、心に温かさが染みわたります。

 育児は大変で困ったり、思うようにいかない毎日ですが、ふと、こういった癒しがあります。でも自分の心が凝り固まり感謝を忘れると、神様の恵みも娘の思いやりや成長も見逃してしまいます。いつも大らかに受けとめていれば、神様の深くて大きな愛が心をいっぱいにしてくれます。落ち込んだときは、「アーメン」です。

 家では夕飯の前にお祈りをします。
 今日もお守り下さってありがとう。他に娘は、ばあばちゃん!じいじ!とみんなのこともお祈りしてくれと言います。

 アーメン

(みつばさ No.297 2009年7月号より)


           



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