主に生かされて





  祈りつづけて


           鈴木 恵子




  2011年3月11日、かつてない大地震が東日本を襲いました。この地震によって多くの方々が尊い命を失われたことに心からのお悔やみを申し上げます。また甚大な被害に遭われた皆様へ心よりお見舞い申し上げます。

 この日私は母と都内に向かう車中にいました。突然、車が宙に浮いたような衝撃をうけ左右に大きく揺れ何事かと驚きました。
目の前の信号機が倒れるのではないかと思うほどの恐ろしさでした。一瞬何が起きたのかと思いましたが、地震だと気づきすぐにラジオをつけ、震源地は三陸沖と知りました。
 この日都内を走る車は大渋滞となり、鉄道は全線ストップのため通勤帰りの方たちで歩道は、長い長い列をなしていました。人々が事態を冷静に受けとめ、都内から自宅に向う長い道のりを黙々と歩く姿を見て胸が痛みました。
 帰宅後、TVに映し出される現地の被害状況を見て改めて自然災害の恐ろしさを思わされました。

 私は、十年程前に化学物質過敏症で一番つらい時期に、宮城県塩釜市にある坂総合病院のアレルギーアナフィラキシー専門医である角田先生の診察を受けるため石橋先生に連れていって頂きました。
その後、角田先生から、お手紙で、食物アレルギーに関する注意点や、日常生活での危険性を回避するためのアドバイスをして頂き大変お世話になりました。現在は、多賀城市にクリニックを開院され治療にあたられています。震災後、先生の安否が心配になり早速お電話をいたしましたところご無事を知り安心致しました。
現在の被害状況をお話し下さり、多くの方々が車を失ったために、特に病気の重い患者さんが来院できず、今も連絡がとれない方も多く大変心配されていました。
義援金も全く足りず、避難所では洗濯機や掃除機などの電化製品が必要だそうです。
町のがれきの撤去作業もなかなか進まず人手が欲しいとおっしゃっていました。現地にて復興支援に当たられている方々の安全を願いつつ、無力な者ですが、この現実に立つ方々のために真剣に祈り続けていきたいと思います。

     (すずき けいこ)

(みつばさ No.317 2011年5月号より)


           


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