第6日

12月3日



木が良ければその実も良いとし、木が悪ければその実も悪いとしなさい。木の良し悪しは、その結ぶ実で分かる。
(マタイによる福音書12章33節)



モミ
マツ科モミ属の常緑高木。日本では秋田.岩手以南から屋久島までの主に太平洋岸に自生します。まつすぐ伸びた幹は大きいもので数十メートルにも達します。ブラシ状に生えた葉が特徴。樹皮が揉んだように見えることから「モミ」と呼ばれます。
クリスマスツリーにモミが採用された理由は、横から見ると三角形をなす樹形が三位一体を表しているためとか、イエスの十字架がモミで作られたためとか、いろいろな説があります。
大きな木のわりに実は大気汚染に弱く、都会周辺の自生林ではだいぶ立ち枯れが発生しています。
モミの花言葉は「時問・崇高」だそうです。
マツ
マツ科マツ属の樹の総称。北半球を中心に約百種が分布し、日本でも本州青森から屋久島までどこにでも生えています。海岸、荒れ地など過酷な環境でもよく育ち、防風林・防砂林としても植えられます。カーブを描いて伸びた幹は堅さもほどよく腐りにくく、パルプの原料のほか、建材、船、楽器の材料などに広く使用されます。
秋の終わりに落とす実(松ぼっくり)はクリスマスリースの材料になります。和製クリスマスツリーとも言うべき門松には、アカマツかクロマツが使われます。
花言葉は「慈悲・不老長寿・勇敢」です。



リンゴ
バラ科の落葉高木。中央アジア原産で、北半球の温帯・冷帯に広く分布します。寒冷地でも栽培でき、貯蔵がきくリンゴの実は、冬のヨーロッパでは貴重な保存食でした。
クリスマスツリーによくぶら下がっている金銀のボール、あれはもともと本物のリンゴの実をぶら下げていた名残りです。ツリーにリンゴをぶら下げたのは、中世、クリスマスに教会前の広場で受難劇を上演した際、エデンの園の場面でモミの木にリンゴをぶら下げて「禁断の木」に見立てたのが発祥と言われています。実際「禁断の木」が何の木だったのか聖書には書かれていませんが、ラテン語で「罪」と「リンゴ」がどっちも「マールム」(malum)と書かれる同音異義語だったため、エデンの園に生える「禁断の木」もリンゴだったのではないかと考えられました。
花言葉は「誘惑・後悔・最も美しい女性へ」。
シクラメン
西アジア原産の、サクラソウ科の多年草です。秋に球根を植えて、明るい室内で育てるとクリスマスの頃から翌春にかけて赤や白、ピンク、やその混色の花を咲かせます。球根の形から、和名は「ブタノマンジュウ」というなんともいえない名前ですが、その名を呼ぶ人はいないですね。赤い花びらが上方に反りかえって咲く姿が篝火(かがりび)に似ているので、カガリビバナともいいます。
赤いシクラメンは歌にもあるように「はにかみ」、白は「思いやり・嫉妬」です。



ヒイラギ
リースの材料や、クリスマスカードの絵柄に良く使われます。 常緑樹で、先のとがった葉はイエス・キリストがかぶせられて いたいばらの冠を、また、赤い実はキリストの血を表すと言わ れています。日本産のヒイラギは、葉が褐色になり、実は黒く なります。花ことば『剛直』
柊の葉の間より花こぼれ   高浜 虚子
ポインセチア
真っ赤な花びらのように見えるのは、芽やつぼみを守る包葉で、その形を三博士をイエスさまのもとに案内した星に見立てます。原産地のメキシコでは「聖なる夜(クリスマス・イブ)の花と呼ばれていました。ポインセチアの名は、アメリカのメキシコ大使だったポインセットからとたれたそうです。和名は「ショウジョウボク(猩々木)」。
ポインセチア愛の一語の虚実かな
                 角川源義

 

月桂樹
クスノキの仲間の地中海沿岸原産の常緑低木です。雌雄異株で,日本には雌株が少ないそうですが,4,5 月に黄白色の花をつけ,果実は 1 センチくらいで 10 月頃に暗紫色に熟します。
古代ギリシャのオリンピックで、 優勝者に与えられた月桂冠(日本酒ではありません!?)は、 ゲッケイジュの葉(ローレル葉と呼ばれます)がついた枝をリースのように編んだ冠です。芳香のある葉は鎮痛剤になり、現在では主に料理のスパイスとして利用されます。 また、古代ギリシャやローマでは、太陽の神に捧げられてもいました。
花言葉は「名誉・栄光・勝利」。
ツタ
クリスマス・カードの絵柄でよく使われているツル性の植物で、 ほかの木に絡みつきます。ブロック塀や家屋の壁面にも這い登って繁茂します。魔物や病気から守ってくれるものとして、 また丈夫なことから不死のシンボル、どんどん蔓延(はびこ)ることから 子孫繁栄のシンボルとしても考えられています。



クリスマス・ローズ
キンポウゲの仲間で、あわいピンクや白色の花を咲かせます。 とくにイギリスでは、冬に咲く数少ない草花なので、クリスマス を飾る花として喜ばれます。学名のHelleborusはギリシャ語で「死に至らしめる食物」の意味だそうです。この植物は薬草であり、毒草でもあります。
日本でよく見かけるクリスマスローズ(和名ではセツブンソウ :節分草) は 春に咲く品種です。
花ことば『追憶』
ヤドリギ
他の木に根を張って育つ常緑樹です。宿主の幹に楔型に根を食い込ませて栄養や水分を横取りします。 こんもりと丸くなり,常緑なので,冬に宿主の木の葉が落ちたときに遠くからでも目立ちます。
キリスト教が広まるより前から、 ヨーロッパでは薬や魔よけになると言われていました。





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