15世紀ごろから宗教的な絵にクリスマスのあいさつを書き込んだものがつくられるようになりましたが、現在のようなカードの起源は、なんと、子どもたちのお習字だったということです。19世紀、イギリスの寄宿学校では、冬休みの前に生徒たちが美しく印刷された紙にクリスマスや新年のあいさつの言葉を書く「クリスマス作品」という慣わしがありました。子どもたちはその作品を家に持ち帰って親に渡し、プレゼントを心待ちにしたのです。この慣習からクリスマスカードは誕生したのです。しかし、クリスマスカードの普及とともに1856年頃には、学校における「クリスマス作品」の創作はなくなりました。 |
クリスマスカードを初めて商品化したのは、イギリスのヘンリー・コール卿だとされています。1843年、ヘンリーコール卿がいつもなら友人にクリスマスの手紙を書くのだが仕事が忙しかった為に英国王立美術院会員のジョン・カルコット・ホーズリーにデザインを依頼し、 リトグラフで製作。カードは3つの場面から出来
ていて、三世代の家族がクリスマスを祝うテーブルに着き、その場にいない客(つま
りカードの受け取り手)に向かって乾杯のグラスを掲げている所と、その左側に腹を
すかした子供が食べ物を貰う所、右側に貧しい婦人が洋服を貰う所が描かれ、家族の 絵の下に“A
Merry Christmas and A Happy New Year to
You”と書いてありました。このカードはリトグラフで約1000枚印刷され、コー
ルとホーズリーが使う分を除いて1枚1シリングで売られたそうです。当時は郵便代がべらぼうに高くあまり売れなかったそうですが。 その後、ヘンリー・コール卿は郵便制度改正のため奔走なされたそうです。 |
商品としてのクリスマスカードは、1860年代にロンドンのチャールズ・グッド
ール・アンド・サンズという印刷会社が大量印刷を初めてから一般に利用されるよう
になりました。当初は名刺大のカードに「メリークリスマス」と「ハッピーニューイヤー」
という字が印刷されていただけでしたが、次第に駒鳥や柊や人物や風景が加えられていったようです。 |
アメリカでは、1875年にドイツ生れの印刷業者ルイス=プランクがマサチュー
セッツ州ロクスバリーの彼の工場で初めてクリスマスカードを印刷しています。カード
印刷もさることながら、彼の最大の功績は全国レベルでのクリスマスカードのデザイ
ンコンテストを実施したことです。 このコンテストには賞金が出され、これにより
クリスマスカードの普及は一段と進みました。それにより誰も彼もが大量のカードを送るようになったので、1871年には「正規の郵便物が遅滞するほどクリスマスカードが郵便局に届けられている」と新聞がニュースにしました。
1873年に「タイムズ」誌の通信欄には「今年はクリスマスカードを欠礼させてもらいます」と言う文句が登場したということもありました。
1880年、ロンドン中央郵便局は「クリスマスカードの投函はお早めに」と言う標語を使い始めました。
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現在でも海外では、届いたカードをリビングルームなどに飾ったり、壁に貼ったり、暖炉の上に並べたりと各家庭で工夫して楽しみます。
日本でも近年はクリスマスカードを新年の挨拶を兼ねて送ることが多くなりました。特に海外の方にお送りするときは日本的な画像、浮世絵や版画、千代紙、和紙等のカードがよく使われます。中でも海外の方に特に人気のある画像は「相撲」の絵だそうですよ。
なお、年賀状と違って、喪中の人に出しても特に失礼にはあたりません。クリスマスの時期、大事な家族を失って寂しい思いをしている人に心のこもったカードでお慰めするのもいいかもしれません。
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