第25日

12月22日


彼らが王の言葉を聞いて出かけると、東方で見た星が先立って進み、ついに幼子のいる場所の上に止まった。学者たちはその星を見て喜びにあふれた。
               
(マタイによる福音書2章9節〜10節)


 「あの星はどこまで動いていくのだろう。」

ユダヤの国のずっと向こうの東の国では、3人の博士たちが、不思議な星を観測し、語り合っていました。そして古い予言の書物からその星がいにしえより語り継がれてきた救い主・メシアが生まれた印であることを突き止めました。

「星が止まったところに救い主がおられるのだ」

三人の博士たちは星のあとを追って救い主に会いに行くことにしました。


遠い国から、らくだに乗って、いくつもの山を越えて旅をしていました。一行は、高い峠や深い谷を通って、ゆっくりと進んで行きました。

博士や供の者も長い旅に疲れ、ラクダも、脚は傷だらけ、膝はがくがく疲れ果てていました。
「昨晩の星占いで神のみ子がお生まれになることがはっきりと現れた。わたしたちは、銀色に輝くあの星を道しるべに、遠い国から、長い旅を続けて来た。もう少しだ、さあ!先を急ごう。夜が明けたらあの星が見えなくなってしまう。」

                     



「あっ、星が止まったぞ。救い主はあそこだ」
「そうだ、神の御子は、あの星がじっと動かずにいるあの場所の下におられるのだ」
博士たちもラクダたちも最後の力を振り絞り駆つけました。星は粗末な家畜小屋の上に光っていました。
博士たちがおそるおそる家畜小屋に入ると、そこには動物達に囲まれて飼葉桶の中に 光り輝く玉のような幼な子がすやすやと眠っていました。 



 博士たちはうれしくなって幼な子の前に進み出てひざまづきました。
「おお主よ、王国ひとつ分ある、この黄金の包みをお受け取りください。」
メルヒオールという博士が捧げ物をしました。
 続いてカスパルが
「わたくしは、あなたさまを誉めたたえるお印として、乳香をもってまいりました」    
    
      
三人目の博士、バルタザールは
「わたくしからの捧げものはガラス瓶一杯の没薬でございます。神のみ子でいらっしゃるあなたさまが、わたくしたちと同じ人間の姿でわたくしたちのところへおいでくださった御祝いの印として、どうぞお納めください」
と言いました。
              
博士たちはこの喜びを神に感謝しながら帰っていきました。
 



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