6月23日 ミツバチのお引越し


そろそろ、191号線のアジサイ街道の花も見ごろになっただろ、ということで、今日は、1年前に人間ドックで知り合いになった、ひらおさんとドライブに。残念ながら、雨がおちてきそうなはっきりしない天気だけど、このところ空梅雨続きなので、アジサイにはちょうどいいかも。

出発前に、デモンストレーションもかねて、アメリカとのビデオチャットで、おとーさん&ひらお、ご対面。本当に、便利な世の中になったもんです。

お昼前、広島の家を出発。安佐動物公園前を経由して、191号線に合流し、太田川沿いに小板に向かう。
途中三段峡入り口にある三段館でお昼ご飯。

三段館のすぐそばにはちょっとした滝があるのだが、一度もいったことがないのでよってみた。空梅雨のせいで、水量はめっきり減って気の毒なぐらい。

滝のすぐそばの大木には、直径3mcぐらいの大きな実があちこちになっている。下に落ちている実を触ったら、皮はちょっと粘ついている。後で調べたら、オニグルミなのだそうだ。秋には食べられるようになるらしいので、忘れずにまたこよう。

民家の庭に咲くアジサイを見ながら道を登っていく。峠を越えて松原の交差点を左に曲がると、そのあたりから道端にアジサイの木が増えてくる。でも、ここのアジサイは、ようやく色づき始めたばかり。うーん。1〜2週間早まったか。

小板に到着。みんなはまだお昼ご飯の最中だったので、家の周りの畜舎を案内する。
育成牛の畜舎の前で、「じっとしてるとよってくるよ」といって待ってたら、案の定よってきて、ひらおの手をなめたり、顔に鼻を近づけたり。さすがのひらおも、子牛とのキスは遠慮したいようだ。

花壇の横に、ずーっと昔からあるグミの木の実が赤く実っている。これ、みるからにおいしそうなんだけど、渋いんだよなー。と思いつつ、食べてみると、甘いんだけど、やっぱりあとで舌をごしごししたくなるほど渋い。

そういえば、この奥に確か、ブルーベリーがあるのよね。と、のぞいてみると、アスパラガスの林の陰に、あったあった。ちょうど黒く色づいたブルーベリーが。食べてみると、やっぱりブルーベリー。もぎたてブルーベリーの味は格別。

家にかえって、お袋、親父さんと談話。最新のおもしろニュースは、ミツバチの引越しの話。

おがくずをつんであったトラックにミツバチが巣を作ってしまって、そのままでは仕事にならない。そこで、強制引越しを敢行。一体どうやって?下手するとさされてしまうので、まずは、綿を燃やして煙を出し、巣から追い出して弱らせる。次は、なんと、掃除機でミツバチを吸い取って、集塵袋がいっぱいになったところで、あらかじめ作ってあった木箱に移したとのこと。掃除機のあまりの風圧に、だいぶ犠牲者が出たらしい。1つの巣の中に一匹しかいない、女王蜂の引越しが成功していなかったら、引越しは失敗。いまのところ、新しい住処に蜂がせっせと出入りしているので、第一段階はクリアしたものと思われる。ただし、卵やさなぎは引越しできなかったので、寿命一ヶ月の働き蜂が全部いなくなってしまわないうちに、次の蜂が育たなかったら、やっぱり失敗。引越しの成否の結果は、7月中ごろにわかるそうです。

長靴に履き替えて、牧場めぐりに出発。まずは、肥育牛舎を案内。

肥育牛舎のすぐそばに、「夕焼けこやけの 赤とんぼ おわれてみたのは いつの日か.  村の畑の 桑のみを こかごにつんだは まぼろしか」で有名(?)な桑(ヤマグワ)の木がある。ほんの少し前までは、ものすごい数の実がなっていたらしいのだが、カラスをはじめいろんな鳥が寄ってたかって食べてしまったせいで、ほんの少ししか残っていない。真っ黒になった実を食べてみると、おいしい。

その先のおがくず置き場に、問題のミツバチの新居がある。
(画面右上隅に見える四角い木の箱がそれ)

確かに、体長1cmぐらいの蜂がせっせと出入りしている。ところで、ミツバチってこんなに小さかったんだっけ?養蜂に使われているミツバチは、セイヨウミツバチ。これはニホンミツバチらしい。セイヨウミツバチが入ってくるまえは、養蜂にも使われていたんだそうだ。引越しが成功するといいんだけど。。

取材用に、堆肥の写真をとっていると、親父さんがショベルにおがくずを乗せてやってくる。

何するのかなとみていると、そのまま牛房のひとつにショベルをつけると、ザザーっと、牛房の床に落とす。おー、牛の敷布団の入れ替えだ。牛も新しい布団がうれしいのか、早く広げてと催促しているのか、おがくずの中に足を突っ込んで、後ろに蹴り上げたりしている。

さて、本日のメインコース牧草地に向かう。一度刈り取りが終わった牧草が伸びて、牧草地全体は新鮮な緑のじゅうたんを敷き詰めたよう。

それから、谷を埋め立ててできた新しい牧草地を通って、林道方面へ。
牧草地をつなぐ道路の脇には、コアジサイが満開。

連絡道路の先の牧草地は、数年物の堆肥が積んである。その堆肥の山の上をひょこひょこお尻を振りながらあるいている白黒の鳥がいる。セグロセキレイだ。でも、残念ながら写真はなし。

山側から、ウグイスの声が盛んにするので、姿が見えないかと牧草地の終端までいってみる。2つも3つも、すぐ近くから、声が聞こえるのに、どこにいるのやらさっぱりわからない。ウグイスのほかにも、キツツキが木をつつく音もする。ひらおは、「初めて聞いたよ」と喜んでくれた。

ふと目を移すと、木の枝に白い大きな塊がいくつも見える。下には小さい池。ということは、モリアオガエルの卵じゃないかしら。下の池は水位が相当へっていて、このままでは、卵から孵ったおたまじゃくしが無事着水するのが難しくなってしまう。なんとか、それまでには、雨が降ってくれますように。

牧草地を抜けて林道にでる。道端になっている赤い木苺の実をとって食べながら、林道を歩いていく。

道端に、オカトラノオを発見。懐かしい。小学校時代に植物採集をしたときに、最初に覚えた花の1つ。

道の両側にはヒメジョオンがたくさん、可憐な花を咲かせている。

ヒメジョオンの下のススキの葉を良く見ると、体長2cm弱の小さいバッタがたくさんいる。茶色いのと緑色のがいるが、どちらも同じ形だ。もしかして、青いのは脱皮したてなんじゃない?と探してみると、ススキの葉に透き通ったバッタの抜け殻が引っ付いていた。へー、バッタの抜け殻って初めてみた。せっかくの写真はピンボケで見せられません。。。

キツツキの巣穴のある枯れ木を見せていると、向こうの背の高い枯れ木の上に鳥の影、シルエットはキツツキみたいだったけど、双眼鏡で特定するまもなく飛んでいった。あーあ、残念。といっていたら、目の前のアザミの藪に何かが飛んできてとまった。あざみの花跡の綿毛を引き抜いては捨てている。まって、そのまま、そのまま。かろうじて撮影成功。あとでしらべてみると、カワラヒワらしい。ひまわりの種が大好物で、他にタンポポの種なども食べるらしい。あー、いいもん見せてもらった。今日はこれだけで大満足。

つくし屋敷にちょっとよる。前回ここに昔懐かしいチョウチンイチゴ(スグリ・グーズベリー)が生えているのを見かけたので、実がなっていないかとおもって調べてみると、あるある。とってたべると、あー、相変わらず超すっぱい。
このイチゴ、てっきり日本の野草と思ってたら、前にアメリカに行ったとき、スーパーにパックで売っていたのにびっくり。さらに、カナダのおばちゃんの庭に生えていて、それをとって投げると、本来すっぱいのが嫌いなはずな犬たちが、器用にそれを空中キャッチして食べるのに、2度びっくり。

ゆったりとした牧場散策を終えると、もう夕方。出発前にトイレに入ると、トイレの窓のすぐ外からスズメの声が聞こえる。あんまり近くから聞こえるので思わず窓をあけると、びっくりしたスズメの親鳥が、おとりになろうとしているのか、窓からほんの1mぐらいのところで、ピーピーなきながら、必死のホバリングをしている。ごめん、驚かせて悪かった。後で外から見てみると、トイレの窓のすぐ上の屋根の隙間の断熱材の隙間から、草の茎が何本かはみ出している。きっとあそこに雛がいるんだね。

日が暮れないうちに小板を後にする。グミ、ブルーベリー、ヤマグワ、木苺、チョウチンイチゴ、今回はイチゴ尽くしの帰省になりました。