特派員レポート おいしい牛肉(2) 世界中には、いろいろな種類の牛がいます。有名なアンガスやヘレホードなど、国内でも黒牛の和牛を始めとして、肥後の赤牛、山口の無角、それに乳も肉もと改良された日本ホルスタイン・・・・・無数にあります。しかし、その中で和牛肉はトップの味を誇っているのです。 牛肉の自由化が外交の日程に登り初めた頃、和牛の種雄牛や精液の国外流出を禁止していた規制の網をくぐって、アメリカに2頭の雄牛が流れでました。続いてオーストラリアへ。牛肉の輸出を考えていた両国にとって、和牛の血統を導入することは、牛肉の味を良くするために、必要不可欠の条件だったのです。 でも、その最高の牛の味も、飼い方次第で色々と変わります。その話をしましょう。 子牛は生まれて10日目頃から、分娩房(産室)から抜け出して冒険旅行に出ます。見浦牧場には、分娩房が7つある牛舎と4つある牛舎と2つの分娩用の牛舎があります。そのため、常時、ほぼ同じ頃に生まれた子牛が何頭かいますから、遊び友達に不自由はしません。好奇心旺盛な子牛たちは、牛舎の周囲を探検したり、イタズラしたり、友達の牛房に遊びに行ったり、おなかが減ったとき以外は母親の所へ帰ってこない、なんて、不届きな奴までいます。 しかし、問題もあります。1頭でも病気になると、時間を置かないで皆同じ病気を患います。 ですから、子牛は小さいときから集団を組んで、元気いっぱい遊び回っています。これによって、体は健康で丈夫になり、肉のうまみの元である筋肉が十分に発達します。 「命の通っている健康な食品を消費者に届ける」、これも見浦牧場のこだわりです。 美味しい牛肉を消費者の皆さんにお届けするためには、大変な農民の努力が費やされている事を、消費者の方にも、畜産関係者の方にも、流通業者の方にも、是非理解していただきたいと思います。 つづく 見浦 哲弥 |