小板集落葬儀細則


 私共の小板部落では、集落内で死亡された方を、同行(ドウギョウ)として、助け合いの葬儀を行ってきました。
 しかし、過疎現象が進み、高齢化が進行するに及んで、今までの申し合わせも、手直し、変更、廃止?のやむなきに至りました。
 そこで、今回から、葬儀施行細則を改正し、同行を任意の集りで、その趣旨に賛同し、思いやりと、助け合いの精神をお持ちの方々を会員として、運営して参ります。
 小板に定住の皆さんの、一人でも多くの参加と協力をお願いします。

目的

 小板部落の一員として生活され、小板の人として生涯を終えられた方を、同じ仲間 として小板の土に返すため、簡素ながら、心のこもった野辺送りをすることを目的 とします。

葬儀の基本

  1. 葬儀は同行全員で行います。(お元気で、お手すきのご家庭は何人でも、また、短い時間でもご協力ください。)
  2. 葬儀は故人宅《以下当家といいます》、または小板会館とします。この手配は願人がします。
  3. 火葬場は町営の火葬場(土居にあります)とし、火葬場の準備、使用後の清掃等は同行が手配するものとします。願人は役場に問い合わせて使用の許可と注意点を確認して下さい。
  4. 葬儀は、それぞれの宗旨、ご都合により、ご希望がお有りと思います。浄土宗以外の各宗派、またお付き合いの葬儀社との立場も全て認め、ご当家がご希望の不足部分を同行が補います。ただし、その場合は、この葬儀細則の精神に基づいて、簡素で心のこもった葬儀と言う事になります。以下は、浄土宗の場合を書き記しますが、他宗の場合はこれに準拠します。
  5. 生花は三対、果物かごは一対までとします。花輪はご遠慮願います。
  6. お棺は、箱棺とし、金襴をかけます。《金襴は振興会にあります》

葬儀の施行

  1. 死者が出たときは、当家は、速やかに世話人《不在の時は相談役》に通知してください。通知を受けた世話人は、当家と相談の上、願人1名を指名します。(原則としてお隣とします)
  2. 願人は、当家と相談して葬儀の日時を決めて下さい。親戚、知人への通知は、当家にされるものとします。

 以下、葬儀は願人が指揮して行いますが、病気その他で、その任に耐えないときは、世話人に申し出てください。世話人は相談役と協議の上、適任者を指名します、指名された時は、特別の理由の無い限りお引き受け頂きます。

願人 (ガンニン)  1人

  1. 願人は、当家から依頼を受けた時から、骨上げまでの葬儀、又は葬儀の不足分一切のお世話をします。
  2. 願人は葬儀を開始する旨、世話人に報告して下さい。世話人は補佐役として願人の仕事を手伝います。
  3. 願人は別表の出役表に基づいて、同行会員に役割をし、速やかに通知して下さい。通知を受けた会員は、事情の許すかぎり協力してください。但し格段の理由のある場合はこの限りではありません。
    (出役表は新しい同業では、まだ出来ていません。実際の葬儀の中で適正な表を作り上げて行くつもりですので、しばらくお待ち下さい。)
  4. 葬儀の式次第など、当家と話し合って決めてください。
    1. お寺さんを決めて依頼する《3人まで》
    2. 役場に届を出す《健康保険証,死亡診断書2通、年金手帳、判…・》。
    3. 当家より葬儀費用五万円を預かってください、もし当家にその手持ちが無い場合自治会長に相談して下さい。葬儀中の出費は一切願人が取り仕切って下さい。不足の時は、帳場より仮領収書と引き換えに、一定金額を受け取りこれに当てます。
    4. 葬儀に必要な資材を調達してください。
      1. 葬儀用の貼り紙
      2. 会葬のお礼品
      3. 葬儀の領収書
      4. 飾り紙花
      5. おとき場用の食材
      6. その他
        以上を、当家の手持ちを確かめて、不足分を調達して下さい。
  5. 書類、購入品のメモ、依頼先《弁当.バスなど》名簿等を飛脚に渡して、部 落外の用事を依頼します。
  6. お寺さんの休憩所、帳場の場所を決めて、それぞれのお家に承諾をとります。お寺さんの接待は、世話人又は相談役があたります。
    願人は常に所在を明らかにしてください。願人は主に当家に、世話人は帳場か、おとき場に詰めるようにお願いします。
  7. お総佛さんの手配をしてください。
  8. お布施は、当家から依頼があった時のみ、帳場から仮領収書と引き換えに指示された金額を受け取り、お寺さんに差し上げてください。
  9. 当家と話し合って、当主挨拶は誰か決めもらつて下さい。ご親族のご焼香の順序も同様とします。
  10. 葬儀の進行係りは願人とし、葬儀委員長として最後の挨拶も願人とします。
    (但し,願人の依頼で世話人又は相談役が代行する事もあります。)
  11. 願人は、お斉の亭主役を勤めて下さい。
  12. 願人は葬儀終了後、後始末を確認して、帳場と共に当家に行き、報告と金銭書類の引渡しをしてください。

帳場 (チョウバ)

  1. 帳場は役割の通知を受けたら、速やかに当家に忌中の張り紙を出して下さい。
    (張り紙は、見浦和弥に依頼すれば、パソコンで印刷してもらえます)
  2. 帳場は、願人に指示された場所、日時に帳場を開設する準備をして下さい。
  3. 帳場は、入金のみ扱います。願人から葬儀費用の請求のあつた時は、仮領収書と引き換えに、必要な金額を渡すことができます。
  4. 香料、香典、見舞い、等、科目に応じて、金品を受け取り、領収書を発行し 会葬お礼品を手渡します。
  5. 帳場が立てこんで、規定の人員で処理できないときは、願人に申し出て応援 を頼んで下さい。
  6. 複数の帳場人が金銭を受け取る時は、それぞれ領収書と金箱を持ち、各々の入金のみに領収書を発行し、責任の所在を明らかにして下さい。
     帳場終了後も、帳場人ごとに集計し、領収書控えと照合確認した後でないと、 集めてはなりません。
  7. 香典帖の記入作成は、コンピューターの表で代行することができます。
    (現時点では,帳場の集計が済み次第,伝票(帳場の領収書)を見浦和弥,又は見浦亮子に渡して香典帖の作成を依頼してください。)
  8. 帳場締め切り後、速やかに願人と費用の精算をして下さい。
  9. 帳場は、記帳、精算が終わり次第、願人立会いの上、その書類、香典帖,領収書、金銭を当家に引き渡して下さい。

板場 (イタバ)

   お斉の賄いをする役を言います。

  1. 責任者を決めて願人に報告して下さい。
  2. 当家の手持ち材料、お斉の人数を願人に問い合わせて、不足分を書き出して購入を依頼して下さい。
  3. 献立は
       平  5品  若しくは 7品
       つぼ  1品  
       汁 1品  味噌汁
       汁のふた  1品
    とします。
    容器は人員の節約のため、パックを使用します。みそ汁、お茶は別に器が準備されていますので、それを使用して下さい。
  4. 故人の身内の方の昼食が必要な場合があります。確かめておむすびを作つて ください。なお同行会員のための、おむすびも必要です。
  5. 野武士に持たせる野団子、9個が必要です。忘れないで下さい。
  6. お斉がすんで、板場の後始末が完了したら、責任者は、借り入れ品、残り物の送付、備品の収納など、結果を確認の上、願人にその旨報告下さい。

野武士 (ノブシ)

 式場の設定、駐車場の準備・案内、火葬場へ伴走してお世話するなど、葬儀の裏方をしていただきます。火葬場は町営の火葬場を使用します。

  1. 互選して責任者を決めて、願人に報告して下さい。
  2. 火葬場の管理人に連絡して、その指示にに従って準備をして下さい。
  3. 霊柩車より前走して、火葬場に行き、雑用を受け持って下さい。火葬場を退場するときは、清掃して、管理人の確認を貰って下さい。
  4. 管理人への寸志は誰が持参するかを願人に確認して下さい、もし依頼されたら確実に手渡して下さい。
  5. 火葬場には、生花、ろうそく、線香、抹香(焼香用)、野団子、お酒(1升)、骨壺、骨箸(若干本数)、その他を忘れずに搬送して下さい。
  6. 火葬場の業務が終了したときは、必ず願人に報告して下さい。以後、願人の指示にしたがつて葬儀の後始末をしください。
  7. 以上は原則です、その時の状況に従って、願人に相談の上、適宜対応してくだ さい。

飛脚 (ヒキャク)

 部落外へ連絡、届け、買い物,等の用事を担当します。

  1. 部落外の葬儀の用事をしていただきます。役割の通知を受けた時は、直ちにその指示に従って下さい。
  2. 役場への届けや、買い物など、願人からの指示は必ずメモを貰って下さい。
  3. 出先から帰宅する前に、願人に電話して新たな用事の発生の有無を聞いて下さい。
  4. 指示された用事が済み次第、速やかに帰宅、願人に報告して次の指示を受けて下さい。
  5. 飛脚の仕事が完了した後は、他の雑用をお願いすることになりますので、ご協力ください。

小走り (コバシリ)

  1. 葬儀の様々な雑用をお願いしますので、常に願人と連絡を絶やさないように、お願いします。

葬儀終了

 葬儀が終わったら、会員全員で食品残品の当家への移送、什器、器材の手入れ、格納、返品、会館の清掃などを、願人の指示と確認のもとで行い、願人の終了の挨拶の後、解散するものとします。
 但し、事情の有る方は、この限りではありません。願人の許可をもらって帰宅してください。

補則

  1. 本細則に記載の無い事柄については、願人の指示に従ってください。
  2. 葬儀式次第については、お寺さん、宗旨によって微妙な違いがあります。接待係の世話人又は相談役は、その点をよく確かめて下さい。
  3. 葬儀の用事で自家用車で集落外に出られた方に、ガソリン代の一部(2000円)が支給されます。願人に申し出て下さい。
  4. この細則は、会員の同意の上で変更されるものとします。

2004.12.16

平成18年8月15日現在は 世話人は見浦哲弥、相談役は島川重行です。