BRUCE ROBERTS ブルース・ロバーツ ミスタア・ロバーツって誰? |
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こん太 |
ゴールド・フィンガー Bruce Roberts, Intimacy (Atlantic) ロバート・L・ペラ評 |
ブルース・ロバーツが1971年に(「人気家族パートリッジ」の)ダニー・ボナデュースのソロ・アルバムを共作・共同プロデュースしてから、思えばそうとう大物になったものだ。その後これまでに彼は、数々のヒット曲をアリサ・フランクリン、パティ・ラベル、シェール、ベット・ミドラー、ドリー・パートン、そしてホイットニー・ヒューストンらに書き(とりわけ有名なのはバーブラ・ストライサンドに書いた<THE MAIN EVENT/FIGHT>、ドナ・サマーがストライサンドとデュエットした<NO MORE TEARS/ENOUGH IS ENOUGH>)、その間に感心するぐらい多くのソング・ライティングの賞を獲得してきた。 この彼の3枚目のソロ・アルバムで、ロバーツは彼の音楽業界のスターの友人達にハーモニー・ヴォーカル(ルーサー・ヴァンドロス、アシュフォード&シンプソン)、楽器演奏(エルトン・ジョンがキーボードとバック・ヴォーカル)、そして共作をお願いした。しかし、これらのビッグ・スターたちの助力があったとしても、シンプルなバラードとダンス向けの曲からなるこのコレクションで光り輝いているのは、ロバーツのスタジオでの手腕とソングライトの才能に他ならない。 ここでのアレンジはシャープで―ファンク味の<ALL THROUGH THE NIGHT>とジョージ・マイケル風な<THE MAN WHO LOVES YOU>をチェックしてみるといい―ロバーツは彼の限られた声域を、(録音技術でごまかしたり、彼のヴォーカルを他のもので埋め合わせたりすることなしに)最大限に生かしている。たとえロバーツがマヘリア・ジャクソンには到底及ばないとしても、彼はk.d.ラングと並べられても一歩も引けをとっていない。ラングはアルバム・タイトル曲を彼と一緒に歌っているのだが、その感動的な情熱への賛歌はこのアルバムのハイライトでもある。 ロバーツの真の強みは彼の歌作りにある。彼のスイートなソネットは何層にもなっているような深みがあり、例えば、美しいバラードの<LET ME STEAL YOUR HEART>では、その余分な物を取り払ったようなピアノのアレンジとシンプルなメロディーが、その歌詞の大胆さ(去って行ったボーイフレンドに彼の今の恋人を捨てて、自分のもとへ戻ってくるように請うといった)を覆い隠しているのである。その上、このアルバムでの"インティマシー(親密さ)"の多くは男達の間のそれであるというのも事実だ。不可解な生殖への賛辞<RAISE THE POPULATION>(ロバーツはマジで我々に彼が子作りに励んでいるとでも思わせたいのだろうか?)を除き、アルバム「INTIMACY」は、はにかんだボーイとボーイの詞、みずみずしいバラードやセクシーなヘビー・シンセサイザー・ダンス・トラックといったものでドレスアップされた午後のお茶時の舞踏会(注:ティー・ダンス=日曜の午後に行なわれるゲイのダンス・パーティ)と同じくらい華やか(=ゲイ)である。 それに、非常にダンサブルな<WHEN THE MONEY'S GONE>でロバーツは、この10年間で最も完全にシニカルなディスコ・ソングを書いたと十分言えるかもしれない。ドラムマシーンと70年代風シンセ・ストリングスが何重にもなってガンガン鳴り響き、エルトンが遠吠えしているといったバックに合わせて、彼は愛の取り引きについて歌う、("お金がなくなったら/もうキャビアともおさらば/ポンコツ車の中で/ファースト・フードを食べてくれる?")。 ゲスト参加の大スター達や感情表現の細やかさはさておき、基礎の揺らぐことのない作詞・作曲と気持ちのよいポップなノリが「INTIMACY」の成功の原因である。おそらく、これらの歌のどれかは誰か有名なシンガーによってカバーされ、ロバーツはポップ・ミュージック・シーンで、縁の下の力持ち的役割を再び演じることになるであろう。そうなるまでに、彼の最新レコーディングも彼が今まで受賞したおびただしい数のゴールドとプラチナム・セールス・アワードと同じくらい、健闘することになろう。 |
アメリカのゲイとレズビアンの為の総合誌であるThe Advocateを去年(1995年)の秋から定期購読するようになったのだけれども、隔週で自宅に届けられるその雑誌の95年10月3日/691号で、ニューヨーク生まれのシンガー・ソングライター、ブルース・ロバーツの新作の上記の評を見つけた時は、二重の驚きであった。まず一つは、前作からなんと15年ぶりの新作であり、ソングライター、プロデューサーとしては相変わらず活躍していたけれども、もう彼自身の新作が出ることなどないと考えていたからだ。そしてもう一つは、(こちらの方が大切なのだが)彼の新作がThe Advocate誌で紹介されていたという事実に!もちろん、これまでの2作を聴いて、彼の声や歌の内容、しゃれ者の彼の雰囲気、そしてセカンド・アルバムを発表した80年の時点で写真家のハーブ・リッツが中の写真を撮っていたことなどから「彼はゲイではないのか?」とつねづね思ってはいたけれども。
リチャード・ギア、ハーブ・リッツ、ロバーツの関係?
ロバーツとハーブ・リッツとのつきあいは単に写真家と被写体といった関係だけではないようである。リッツが無名時代のリチャード・ギアを撮影したポートレートが認められ、現在の大成功のキッカケをつかんだというのは有名な話だが、このロバーツとリッツ(共に53年生まれ)そしてギア(49年、一説に48年生まれ)の3人は、極々親しい友人同士であるようなのだ。というのも、ギアとシンディ・クロフォードの91年12月12日の結婚式は、マスコミは完全にシャット・アウトされ、ほんの数人の内輪だけで、ひっそりと、しかし、あわただしくラスベガスで行なわれたそうだが、その参列者の中には、リッツと並びロバーツの姿もあったというからだ(Focus誌92年1月3日号‘42歳R・ギアの「スーパー初婚」―お相手は25歳美人モデルでホモ説にケリ!’)。(94年には、「私たちはヘテロ・セクシュアルで、一夫一婦制です」という大々的な広告を、2人の偽装結婚説の高まる噂に対して、新聞1ページにわたり発表したギアとクロフォードであったが、結局3年弱で別れてしまった。やっぱり…)今回のロバーツの新作で使われた写真も全てリッツの撮影によるものであり、これまでのアルバム・ジャケットとは少し違った雰囲気に仕上がっている。メガネなしのロバーツを見るのは初めてだが、この分だと、次あたり服なしのロバーツ(撮影 by ハーブ・リッツ)かも?(追記:ハーブ・リッツ氏は、肺炎による合併症のため、ロサンゼルスのUCLAメディカル・センターで2002年12月26日に亡くなりました。)
素敵なソングライター、ミスタア・ロバーツ
ロバーツの経歴などは、91年に日本のみでCD化されたファーストとセカンド・アルバムの解説に詳しいので、それを参照してもらうとして、ここでは彼の音楽で彼を知ってもらうのが一番だろうから、次にソングライターとしての彼のこれまでの活躍を紹介したいと思う。ロバーツは詞・曲共一人で書くこともあるが、多くの作品では、キャロル・ベイヤー・セイガー、アリー・ウィリス、アンディ・ゴールドマークといった人達と共作している。彼はスローなバラードからアップ・テンポのダンス・ナンバーまで、実に様々曲を書いているが、僕自身が一番好きで、彼の才能が最もよく出ていると思うのは、スローまたはミディアムの曲である。
ミスタア・ロバーツのスロー・ナンバーは最高!
例えば、リタ・クーリッジの<FOOL THAT I AM>、B.J.トーマスの<DON'T YOU LOVE ME ANYMORE>、ディオンヌ・ワーウィックの<HOW YOU ONCE LOVED ME><WHISPER IN THE DARK>、デニース・ウィリアムス&ジョニー・マティスの<SO DEEP IN LOVE>などがそれらである。またアメリカの「スター誕生」番組から出てきた、白人男性版パティ・ラベルといった感じの若いシンガー、サム・ハリス(ゲイの噂あり 追記:その後サムは1999年にカムアウトしました)にロバーツはたいへん美しいバラード<THE RESCUE>を書いているが、ロバーツ自身が弾く静かなピアノだけをバックに、その曲でサムと一緒に歌っているのが、日本でも昔からおなじみのジャニス・イアンである。彼女はレズビアン(バイ・セクシュアル?)であることをカムアウトしており、また、The Advocate誌にコラムを連載もしている(注:96年当時していた)が、彼女とロバーツはニューヨークのハイスクール・オブ・ミュージック&アートでクラスメートであったそうな(イアンは50年生まれ)。この3人が一緒にレコーディングしている光景なんて、興味深い。
それから、ベット・ミドラーとはおかしなと言おうか、かわいい曲を共作している。<YOU'RE MOVING OUT TODAY>と<BLUEBERRY PIE>がそれなのであるが、この2曲ではロバーツがベットと一緒に歌っており、彼のユーモラスな面を知ることができる。スイートなソウル・グループ、モーメンツが歌った<I COULD HAVE LOVED YOU>もこの2人とC.B.セイガーのコラボレーションである。(注:写真は1997年のシンディ・クロフォードとロバーツ)
ミスタア・ロバーツにはダンス・ナンバーもあるよ
アップ・テンポのナンバーも少し紹介しておくと、ミュージカル「ドリームガールズ」から出た迫力のシンガー、ジェニファー・ホリデイの<I REST MY CASE>(裁判で使う言い回しをタイトルにしたユニークな曲)やポインター・シスターズに書いた<EASY PERSUASION><TWIST MY ARM>(これは「そこまで言うなら、やってあげてもいいわよ」っていうようなニュアンスのタイトル)<POUND, POUND, POUND><MERCURY RISING >などが代表作。でも彼のアップ・テンポの作品は、歌詞は面白いものの、サウンド面で少し単調すぎるような気がして、もうひとひねり欲しいところ。
世界中で歌われる?ミスタア・ロバーツのうた
さらにロバーツの曲は、こういったアメリカ勢だけでなく、世界中で採り上げられている。まずイギリスでは、ソウルフルなレオ・セイヤーに<WE CAN START ALL OVER AGAIN>、かつてのギラギラ・セックス・シンボル、エンゲルベルト・フンパーディンクに<YOU LOOK GOOD ON ME>、その他<I DON'T WANNA GO>は中国の血を引くオーストラリアの素敵な歌手サマンサ・サングによっても歌われたし、セルジオ・メンデス&ブラジル'66の元リード・ヴォーカリストであったラニ・ホールのソロ・アルバム用に書いた傑作<I DON'T WANT YOU TO GO>は後に、香港の素晴らしい歌手サンディ・ラム/林憶蓮に<眞想_知道>のタイトルで広東語でカバーされた。加えて、ブラジルが誇るシンガー・ソングライター、ロベルト・カルロスも歌っていた<NIAGARA>は、岩崎宏美が日本語でレコーディングするなど、ロバーツの作った歌が注目されているのは、英語圏のみに限られているわけではない。
ミスタア・ロバーツ 数々の映画にも曲を提供
これらの他に、ロバーツは映画の主題歌や挿入歌等も手がけているので、案外みんなも耳にしたことがあるかもしれない。どういった作品かというと、スタローン監督・主演の「パラダイス・アレイ」('78)でスライ自ら歌った<TOO CLOSE TO PARADISE>、ゲイにはおなじみの映画「メーキング・ラブ」('82)でロバータ・フラックが歌った同名主題歌(これ一曲で映画の内容全てを語っていると言えそうな静かな名曲)<MAKING LOVE>、トム・クルーズの「栄光の彼方に」('83)で、アメフト選手の男だけのロッカー・ルームでのダンス・シーンに使われたジュニアの<UNISON>、続いて84年のダンス系の映画「ボディ・ロック」ではデヴィッド・ラズリーの<TEAMWORK>の作・プロデュースを担当し、翌85年には、「パーフェクト」でポインター・シスターズの(彼女達のハーモニーが最大限に生かされている曲)<ALL SYSTEMS GO>、この映画に主演したトラボルタのセクシーなエアロビクスのシーン(必見!)で使われたジャーメイン・ジャクソンとホイットニーの<SHOCK ME>、男性ストリップのシーンで使われたジャーメイン・スチュワートの<WEAR OUT THE GROOVES>の3曲を書いているといったぐあい。
ミスタア・ロバーツの最近の作品なら?
比較的最近では、バーブラ&ドナで79年に全米No.1となった<NO MORE TEARS/ENOUGH
IS ENOUGH>(この曲は昔エディ・マーフィーのおふざけヴァージョンもあった)がジョセリン・ブラウンとキム・メイゼルのデュエットで再びダンス・ヒットしたし、シェリル・リン<MOST
OF ALL>、ハート<SECRET>、ナタリー・コール<WHAT I MUST DO>、スタイリスティックス<ME
- U = BLUE>、アシュフォード&シンプソン【註1】<IN YOUR ARMS>、ジェフリー・オズボーン<TRUE
BELIEVERS><THE FAMILY>といったところを書いている。
最も新しいところでは、日本ではプロモーションにすごく力を入れて大いに持ち上げていたけれど実際はたいした才能を持たない女性ヴォーカリスト、ウェンディ・モートンに<FOREVER YOURS>を提供していたし、ダイアナ・ロスが最新アルバムでていねいに歌っていた<VOICE OF THE HEART>は、ロバーツらしさの非常によく出た彼の近作である。
ミスタア・ロバーツ自身のアルバムはどうなの?
さて最後に、彼自身の3枚のソロ・アルバムを紹介しておこう。77年に発表されたファースト・アルバム「BRUCE ROBERTS」は'胸キュン'などという死語が出てしまう程せつない1曲目から、僕自身彼の最高傑作ではないかと思っている<I'D RATHER BE ALONE>、NBCテレビ・シリーズ「フェーム」でも出演者によって歌われた<STARMAKER>、そしてグラディス・ナイトやジャズ・シンガーのアーネスティン・アンダーソン、カーメン・マクレーなどにも採り上げられた、彼の'内面への道'とでも呼べそうなアルバム最後の曲<I'M COMIN' HOME AGAIN>まで、駄作なんて一曲もないし、完璧な名演、名唱集に仕上がっている、なんとしてでも手に入れなければならないアルバム。これを聴いたがゆえに、僕は今までずっと彼の曲を追い求めることになってしまったロバーツの超名盤。裏ジャケットの彼の笑顔もとってもカワイイ。
BRUCE ROBERTS(1977) | |
(A) 01. I DON'T BREAK EASILY (Bruce Roberts) 02. OUR NIGHT (Bruce Roberts, Carole Bayer Sager) 03. I DON'T WANNA GO (Bruce Roberts, Carole Bayer Sager) 04. I'D RATHER BE ALONE (Bruce Roberts) 05. STARMAKER (Bruce Roberts, Carole Bayer Sager) (B) 01. THIS BOY (John Lennon, Paul McCartney) 02. ME AND MY LOVE (Bruce Roberts, Carole Bayer Sager) 03. THE CAR SONG (Bruce Roberts, Diane Bulgarelli) 04. STEAL AWAY AGAIN (Bruce Roberts, Carole Bayer Sager, Bette Midler) 05. I'M COMIN' HOME AGAIN (Bruce Roberts, Carole Bayer Sager) |
80年にリリースされたセカンド・アルバムの「COOL FOOL」は、79年を代表するヒット・アルバムであるドナ・サマーの「BAD GIRLS/華麗なる誘惑」の為に彼とドナが共作した<ALL THROUGH THE NIGHT>(彼女のヴァージョンでピアノを弾いているのも彼)やロバーツが一発屋アイドル歌手デビー・ブーンの為に書いた<WITH ALL OF MY LOVE, WITH ALL MY HEART>(このデビーのヴァージョンにデヴィッド・ラズリーとアーノルド・マッカラー【註2】がつけたコーラスが最高!!)を自ら採り上げたりしていて、曲自体は決して悪くはないのだが、前作に比べると魅力はかなり落ちる。<S'GOOD ENUF>のこれまでになかった歌い方に聞かれるように、全体的にソウル色を強めた感じのアルバムでコアなファン向け。
COOL FOOL(1980) | |
(A) 01. COOL FOOL (Bruce Roberts, Allee Willis) 02. S'GOOD ENUF (Bruce Roberts, Andy Goldmark) 03. WITH ALL OF MY LOVE, WITH ALL MY HEART (Bruce Roberts, Allee Willis) 04. ALL THROUGH THE NIGHT (Bruce Roberts, Donna Summer) (B) 01. THE GUYS YOU DANCE WITH (Bruce Roberts, Andy Goldmark) 02. NO OTHER LOVE (Bruce Roberts, Andy Goldmark) 03. HEART BE STEADY (Bruce Roberts, Carole Bayer Sager) 04. PRELUME(Instrumental) (Bruce Roberts) 05. LIGHT IN THE WINDOW (Bruce Roberts, Andy Goldmark) |
そして新作の「INTIMACY」であるが、まず前作では出ていなかった伸びのある声が魅力的。セカンドとは違ったアプローチの<ALL THROUGH THE NIGHT>のニュー・ヴァージョンが聴けるのも嬉しい。アレンジでは<RAISE THE POPULATION>が個人的には一番気に入っている。不可解と評された、この曲の"生めよ殖やせよ"の歌詞に関しては、大賛成である。たとえゲイ自身は(多くの場合)子供をもうけることがないとしても、ストレート達にどんどん子供を作ってもらわないと、人口の10パーセント?ともいわれるゲイも増えないものね(僕達ゲイのたいていの者はストレートの親から生まれているという事実に注目しよう)。今回のこの新作は、ゆったりとした感じのくつろいで聴けるアルバム。繰り返し聴くほどよくなってくる。ゲスト参加の大物たちが、前面に出すぎるといったところがなく、メインがあくまでもロバーツであるのも好ましい。
INTIMACY(1995) | |
01. INTIMACY (Bruce Roberts, Junior Miles) 02. REAL (Bruce Roberts, Allee Willis) 03. LET ME STEAL YOUR HEART (Bruce Roberts) 04. WHEN LOVE GOES (Bruce Roberts, Junior Miles) 05. MY ONE JOY (Bruce Roberts) 06. WHEN THE MONEY'S GONE (Bruce Roberts, Donna Weiss) 07. RAISE THE POPULATION (Bruce Roberts) 08. ALL THROUGH THE NIGHT (Bruce Roberts, Donna Summer) 09. EMERALD (Bruce Roberts) 10. THE MAN WHO LOVES YOU (Bruce Roberts, Junior Miles) |
待たせないでね! ミスタア・ロバーツ
どちらかといえば、彼本人はあまり注目されることがなく、その作品を通してのみしか、彼のことを知ることができなかったので、多分に作品リスト的紹介となってしまったが、みんなには、ぜひ彼のファーストと最新アルバムを聴いてもらいたい。彼の人間性の出ている音楽は、多くの歌手によって歌われてきたことからもわかるように、やっぱり人の心を惹きつける何かがあって、きっと気に入ってもらえると思うから。
そして、ミスタア・ロバーツには、次作が出るまで、今度は僕達を15年間も待たせないように期待したい。
【註1】Ashford & Simpson : <I'M EVERY WOMAN> をはじめ数々の名曲を書いてきたこの夫婦は、73年にデュオとして出発して以来今(96年4月)までに14枚のアルバムを発表していて、それらに収められた曲は、たった2曲を除き全て彼ら自身のペンによるものである。その2曲のうち1曲は、ヴィレッジ・ピープルの2代目リード・ヴォーカリストでもあった、彼らの弟レイ・シンプソンによるもので、残りの1曲がロバーツによるこの曲である。
【註2】Arnold McCuller : この人も昨1995年10年ぶりにアルバムを発表したが、そのアルバムの中には、映画「ゼロ・ペイシェンス」('93)でミスHIVを演じ、信じられない程素晴らしい歌声を聞かせたマイケル・カレンや、ピーター・アレン、写真家のスティーブン・アーノルドなどエイズで亡くなってしまった彼の友人達十数名の名が、感謝の言葉と共に記されていた。
WHEN THE MONEY'S GONE (1995) (Bruce Roberts, Donna Weiss) Featuring Elton John |
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01. E-Smoove Radio Edit (3:39) 02. Album Edit (4:10) 03. E-Smoove Club Mix (9:24) |
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WHEN THE MONEY'S GONE (1995) (Bruce Roberts, Donna Weiss) Featuring Elton John |
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(A) 01. E-Smoove Club Mix (9:15) 02. Album Version (5:39) (B) 01. E-Smoove Dub 1 (8:03) 02. Ronnie Ventura "Debit Dub" (7:28) |
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WHENEVER THERE IS LOVE (1996) (Bruce Roberts, Sam Roman) Bruce Roberts & Donna Summer |
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01. (4:30) 02. Instrumental Version (4:30) 03. Mixed by Junior Vasquez (9:47) |
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WHENEVER THERE IS LOVE (1996) Remix (Bruce Roberts, Sam Roman) Mixed by Junior Vasquez Bruce Roberts & Donna Summer |
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(A) 01. Club Mix (9:47) 02. Club Dub (7:49) 03. Riff Dub (4:56) (B) 01. Tribal Beats (4:01) 02. Instrumental (5:08) 03. 7" (4:06) |
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FLAWLESS (1999) Music From & Inspired By The MGM Picture |
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01. PLANET LOVE (Bruce Roberts, Allee Willis) - Taylor Dayne 04. WHEN THE MONEY'S GONE (Bruce Roberts, Donna Weiss) - Bruce Roberts feat. Elton John & Kristine W 15. THE NEIGHBORHOOD (Bruce Roberts) 16. TIA'S TANGO (Bruce Roberts) 17. LUCIANO (Bruce Roberts) なお、この映画の日本語ホーム・ページでブルースに関する情報が色々見れます。こちら。 |
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FOR ONLY YOU(1999) PRODUCED BY BRUCE ROBERTS ASSOCIATE PRODUCTION BY DAVID TOBOCMAN AND BILLY STRITCH |
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01. ALWAYS (Irving Berlin) 02. TIME AFTER TIME (Sammy Cahn, Jule Styne) 03. IF I HAD YOU (Ted Shapiro, Jimmy Campbell, Reg Connelly) 04. MY FUNNY VALENTINE (Richard Rodgers, Lorenz Hart) 05. BLUE MOON (Richard Rodgers, Lorenz Hart) 06. THE VERY THOUGHT OF YOU (Ray Nobel) 07. YOU BELONG TO ME (Pee Wee King, Chilton Price, Redd Stewart) 08. JUST IN TIME (Betty Comden, Adolph Green, Jule Styne) 09. YOU'LL NEVER KNOW (Harry Warren, Mack Gordon) 10. MOONGLOW (Will Hudson, Irving Mills, Eddie De Lange) 11. THE NEARNESS OF YOU (Hoagy Carmichael, Ned Washington) 12. YOU WERE MEANT FOR ME (Nacio Herb Brown, Arthur Freed) 13. THE MORE I SEE YOU (Harry Warren, Mack Gordon) 14. WHEN I FALL IN LOVE (Victor Young, Edward Heyman) 15. I COULD WRITE A BOOK (Richard Rodgers, Lorenz Hart) 16. FOR ONLY YOU (Bruce Roberts) |
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先日何気なくGoogleで検索してて、このアルバムを見つけてビックリ!注文後1週間で届きました。2003年の新作と思いきや、CDにある表記では1999年となっていました。4年も前に発表されていたのに、今まで何の情報も目にしなかったとは…。16曲中15曲はスタンダードで、最後の曲のみブルース作。準プロデューサーとして、ライザ・ミネリのピアノを担当し、ライザと共に来日もしたBILLY STRITCHが参加しています。今のところネットでの販売のみのようです。こちらred balloon recordsで、試聴・購入出来ます。ジャケット写真はやっぱりHERB RITTSが担当。(2003年5月22日) | |
COME FROM ALL OVER THE WORLD(2000) VOCALS : BRUCE ROBERTS PRODUCED BY BRUCE ROBERTS & DIANA B |
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01. COME FROM ALL OVER THE WORLD (Bruce Roberts, Diana B) 02. DUS OF A SPUD (Bruce Roberts, Diana B) 03. KEY TO SPEED (Bruce Roberts, Diana B) 04. LITTLE STAR (Bruce Roberts, Diana B) 05. THE RAIN FOREST (Bruce Roberts, Diana B) 06. YETI (Bruce Roberts, Diana B) 07. SPACE ROCK BOOGIE (Bruce Roberts, Diana B) 08. WE'RE GOIN' TO TEXAS (Bruce Roberts, Diana B) 09. POP GO TOKYO (Bruce Roberts, Diana B) 10. COME FROM ALL OVER THE WORLD (reprise) (Bruce Roberts, Diana B) |
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上記のred balloon recordsから発売された、限定盤CD。ブルースの友人シンディ・クロフォード(Cindy Crawford)が作った子供向けビデオ"Minimuscles"の為の音楽だそうです。全曲ブルース作で、彼自身が歌っています。共同プロデューサーのDIANA Bさんはこのレーベルのオーナーであり、ブルースのファースト・アルバムに収録されたTHE CAR SONGを、Diane Bulgarelli名義で彼と共作していた人物。2001年には再度ブルースと共にミュージカル・アニメ"RUDOLPH THE RED-NOSED REINDEER & THE ISLAND OF MISFIT TOYS"の音楽を担当しています。このCDは既に品切れのようで、注文したらオーナー自身のお手製CD-Rが送られてきました。めちゃインディーズ(笑)。こちらred balloon recordsで試聴・購入出来ます。(2003年5月22日) |
★この文章は、GAY-FRONT関西の機関誌「ぽこあぽこ/Poco a Poco」6号(1996年4月1日発行)に掲載されたものです(一部訂正・加筆しました)。