ペイトンプレイス物語:あらすじ(2)
(第138話〜第212話)
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主な登場人物 マイケル・ロシイ/Dr. Michael Rossi (ED NELSON) *** 医師 エリオット・カーソン/Elliott Carson (TIM O'CONNOR) *** ペイトンプレイス日報編集長 コンスタンス・カーソン/Constance Carson (DOROTHY MALONE)(代役LOLA ALBRIGHT) *** その妻、書店女主人 アリスン・マッケンジー/Allison MacKenzie (MIA FARROW) *** その娘 ジョージ・アンダーソン/George Anderson (HENRY BECKMAN) *** セールスマン ジュリー・アンダーソン/Julie Anderson (KASEY ROGERS) *** その妻 ベティ・アンダーソン/Betty Anderson (BARBARA PARKINS) *** その娘、ロドニイの別れた妻 レスリー・ハリントン/Leslie Harrington (PAUL LANGTON) *** 元工場経営者 キャサリン・ハリントン(故)/Catherine Harrington (MARY ANDERSON) *** マーチン・ペイトンの一人娘、レスリーの妻 ロドニイ・ハリントン/Rodney Harrington (RYAN O'NEAL) *** その長男 ノーマン・ハリントン/Norman Harrington (CHRISTOPHER CONNELLY) *** その次男 イライ・カーソン/Eli Carson (FRANK FERGUSON) *** 雑貨店主、エリオットの父 モートン医師/Dr. Robert Morton (KENT SMITH) *** ドクターズ病院の院長 チョート婦長/Nurse Choate (ERIN O'BRIAN-MOORE) *** ドクターズ病院の看護婦長 エイダ・ジャックス/Ada Jacks (EVELYN SCOTT) *** 酒場の女主人 リタ・ジャックス/Rita Jacks (PATRICIA MORROW) *** その娘、ノーマンの恋人 デビッド・シュースター/David Schuster (WILLIAM SMITHERS) *** 後任の工場経営者 ドリス・シュースター/Doris Schuster (GAIL KOBE) *** その妻 キム・シュースター/Kim Schuster (KIMBERLY BECK) *** その娘 スティーブン・コード/Steven Cord (JAMES DOUGLAS) *** ペイトン家の家政婦の息子、弁護士 ジョー・チャーナック(故)/Joe Chernack (DON QUINE) *** 不良青年、リタの昔の恋人 ステラ・チャーナック/Stella Chernack (LEE GRANT) *** ジョーの姉 テッド・ダウエル/Theodore Dowell (PATRICK WHYTE) *** 弁護士 ジョン・ファウラー/John Fowler (JOHN KERR) *** 検事 マリアン・ファウラー/Marian Fowler (JOAN BLACKMAN) *** その妻 ラス・ゲーリング/Dr. Russ Gehring (DAVID CANARY) *** ドクターズ病院の医師(トレーナー/マッサージ師) マーチン・ペイトン/Martin Peyton (GEORGE MACREADY) *** ペイトンプレイス一番の権力者、キャサリン・ハリントンの父 ハンナ・コード/Hannah Cord (RUTH WARRICK) *** ペイトン家の家政婦 アン・ハワード/Ann Howard (SUSAN OLIVER) *** 謎の女 |
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* すべてのあらすじは「週刊TVガイド 関西版」に連載されたものから転載しています。 | ||
138 1978/05/29放映 尋問はじまる 139 1978/05/29放映 証言台の少女 140 1978/05/29放映 偽証 |
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予審はじまる ついにジョー・チャーナック殺人容疑予備審問の日が来た。 ファウラー検事は、今日の審問会には自信満々だ。 必ずや本裁判の場にロドニイを引っ張り出せると考えている。 今日が終わればしばらく休暇を取り、妻のマリアンとヨットに乗りに海へ行くプランのほうに、はや思いはとんでいる。 だが、マリアンにしてみれば、夫とのんびりヨット遊びなんかやる心のゆとりはない。 「ラス、もしもアリスンが私を覚えていたら……」。 マリアンの病院の秘めたる恋人ラス・ゲーリングに苦悩を打ち明ける。 「私、警察へ行くわ」。 「出来ないことはわかっているだろう」。 法廷にはペイトンプレイスの住人が続々とつめかけて来た。 エリオット・カーソンはその日一時間も前から出かけていた。 エリオットの脳裏には、十八年前の日のことが、あざやかによみがえって来た。法廷の机も椅子も少しも変わってはいない。 自分が座って"有罪"の判決を言い渡された椅子に、わが愛娘アリスンのボーイフレンドのロドニイが、今日は座らなければならないとは――。 予審が始まった。検察側は、まずノーマン・ハリントンを召喚した。次々と証人は喚問される。 キムも法廷に立った。 キムはファウラー検事の尋問に従って、あの晩、波止場でロドニイとジョーの争い目撃し、ロドニイが鉄棒を投げてジョーを倒したと証言する。 だが、弁護側ではスティーブン・コードが、逆にキムへの尋問で、キムが心理的に動揺していたし、ロドニイが何と言っていたのか、キムにはわからなかったことを証明し、いささかの点数をあげた。 ファウラー検事はここで、意表をつく作戦に出た。 ステラ・チャーナックを証言台に呼び上げたのだ。法廷はざわめいた。 「ロドニイは言いました、"ジョーを見つけ出して話をつけてやる"って。私は"それは脅迫?"って訊きますと、彼はもう一言付け加えました。"ジョーに伝えておけ"って……。"必ず見つけ出してカタをつけてやる"そして"殺してやる"と……」。 「ウソだッ!」。 被告席のロドニイは叫んだ。 「君はウソをついてる。ウソだ、ウソだ、みんなウソだーッ!」。 裁判長の忠告も聞かず、ロドニイは叫び続けた。 すぐに弁護士側の反対尋問にスティ−ブンが立ち、ステラにくいさがった。 「チャーナックさん、ロドニイが来たと証明する人がいませんね」。 「ロシイ先生がいます。ロドニイが帰るのとすれちがいに来たので」。 このステラの証言はウェーバー裁判長の心証を検察側に傾けさせるに足るものだった。 「被告に殺害の容疑ありと認める」と裁判長は宣言したのである。(文・山口 浩) |
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--- 1978/06/05放映 (別番組放送で休止) | ||
141 1978/06/12放映 予審の波紋 142 1978/06/12放映 新しい生命 143 1978/06/12放映 大いなる遺産 |
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父親の情愛 「実はお話があるのよ」。 エリオットがわが家に帰るなり妻のコンスタンスが待ちかねたように言った。 「アリスンのことか?」。 エリオットはギョッとした。アリスンはいまだに昏睡状態のままである。もしかしたら何か変化が、それも悪い方での変化があったのか。肉親としてはまず心配が先に立つ。だが、それにしては妻の表情は明るい。 「ねえエリオット、あなた何て言うかしら……そのう……もし私たちに赤ちゃんが出来たとしたら……」。 予期せぬ事でエリオットは驚いた。 彼は妻に近づいてキスをした。 「決まってるじゃないか"愛してる"って言うよ」。 「昨日のお昼に病院から電話があって間違いないって」。 「私に黙ってたな」。 「だって……確かだってわかるまで言えないでしょ。それに、喜んでくれるかどうかも」。 「アリスンの事故があったからかい?」。 「妊娠は、事故の前だったのよ。そしてアリスンがあんなことになるなんて考えられなかったし……。でも、時は私たちに目もくれず流れていくのネ。そして新しい生命を運んで来るんだわ。喜んで受け入れてやりたいの。子供は愛される権利があるのよ」。 「ああ、そうだとも」。 コンスタンスも、そしてエリオットも、妊娠の事実を喜びとして受け取りながらも、これでアリスンがよくなってくれたらどんなに幸せか、祈る気持ちだった。 翌日、エリオットは病院にロシイを訪ねた。 「バカげたことかもしれないが、アリスンに本を読んでやろうと思うがどうでしょうか」。 ロシイは考え込んだ。 「しかし、まだアリスンには聞こえませんよ」。 「そりゃそうなんだが、意識の下に働きかけることは出来ないかな。私の声ならアリスンにわかると思うんだが。私たちはよく文学について話し合った。だから私が好きな本を読んでやれば、何か期待できないかと」。 「やってみてムダではないと思うけどネ」。 「じっとしていられなくて、何かアリスンにしてやりたいんだ」。 「わかりました、それならいいでしょう」。 許可をもらったエリオットは、アリスンの愛読書のひとつ、ディケンズの「大いなる遺産」を、暇を見つけるとアリスンの枕もとで読んで聞かせることにした。 マッサージ師のゲーリングは、アリスンに治療を施すため病室に行くが、そんな父親の情愛に接し複雑な気持ちだった。しかもマリアンは病院の手伝いをやめてしまっていたのだ。 孫の生まれることを聞いたイライもまた大喜びだった。 「この手に孫を抱ける、なんて嬉しいことなんだ」。 そしてイライは言った。 「アリスンも祝ってくれるよ」。(文・山口 浩) |
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--- 1978/06/19放映 (別番組放送で休止) | ||
144 1978/06/26放映 苦境に立つ 145 1978/06/26放映 憎しみの対決 146 1978/06/26放映 告白 |
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ステラの偽証 ロドニイの主任弁護士ダウエルがレスリー・ハリントンを訪れた。ロドニイの弁護を降りたいと言うのである。 「わしよりスティーブンのほうが適任だと思うんだ」。 「スティーブン・コードを主任弁護士にと推薦されたのはこれで二度目だが、どうもその気になれないんだ」。 「一度目は誰が?」。 「マーチン・ペイトンが電話でだよ」。 「あのじいさんなら無理もない」。 「しかしそれを決定するのは私だからな、確かにスティーブンの精力的な弁護ぶりは評価に値するがネ」。 ロドニイは決意していた。ステラがなぜ法廷であんな偽証をしたのか、直接聞こうと思ったのだ。ロドニイは病院の駐車場でステラをつかまえた。 「君みたいな人間は見たことがないよ、ステラ」。 「いくら私を脅したってどうにもならないわよ」。 「ボクには分からないんだ、なぜ君はウソを言ったんだ」。 「私に付きまとったらどうなるか知ってるの?」。 「なぜウソをついたんだ、ジョーだって浮かばれないぞ」。 「私に近寄らないでよ、あんたにしゃべりたいことがあれば私は法廷で全部しゃべるわよ」。 「あの日、君はなぜボクをわざわざ家に入れた、なぜだ」。 「弟を捜しに来たからよ」。 「ジョーはいなかったのに、入れと言ったじゃないか、なぜだ」。 「ジョーのことが心配だったの」。 「ああ、確かにジョーのことを心配していたネ、だからボクが来たわけを知りたかったんだ」。 「ジョーを助けたかったのよ」。 「そうかい」。 「あなただって弟がいるからわかるでしょ」。 「ボクはケンカになるって注意した」。 「あなたは二度と問題を起させないって言ったわ」。 「そう言ったけどボクは脅すつもりもないし脅してもいない。ボクはただジョーとじっくり話し合って解決するつもりだったのに、君は勝手に脅したと誤解したんじゃないか」。 「私は記憶力には自信があるのよ、自信を持って証言出来るわ」。 「あきれたよ、君はデッチあげてそれを真実だと思い込む特技を持っているんだ、話をしてもまったくムダだな」。 ロドニイは今はこれまでと、わめくステラを後に去った。 アリスンをひいたマリアン・ファウラーは心安まる日がなかった。 しかもその原因は、病院のマッサージ師ゲーリングとのデートの帰り道を急いでいたからだ。ひき逃げを打ち明けるには、どうしても彼とのことを告白しなければならない。 ファウラーが帰宅した。マリアンは重圧に耐えかねて、ついにある男性とあやまちを犯したことを打ち明ける。激怒したファウラーは離婚を言い渡す。(文・山口 浩) |
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147 1978/07/03放映 履歴書 148 1978/07/03放映 盗み 149 1978/07/03放映 失踪 |
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ベティの決心 「ペイトンプレイス」の町の名前は、そもそもペイトン家に敬意を表してつけられた名前である。しかし、今やペイトンを名乗る人物はただ一人。しかも彼はこの町ではなく、車で二時間も離れたボストンに住んでいた。 ペイトンは病弱で、しかも高齢だ。だが、老人とは思えない程の鋭い感覚と強引なやり方は、実業家として現役そのものである。 彼にはスティーブン・コードの母ハンナが家政婦として数十年付き添っている。 さて、スティーブンが懸念していたことが現実に起きた。 ステラの父ガス・チャーナックが、ロドニイがステラを追いかけて来て詰問したことをファウラーに言えと、ステラに迫ったのだ。 「そんなのイヤよ、ロドニイは私に別に何もしてないわ」。 父の提案をステラは断るが、ガスは大声でどなり、お前が行かないならわしが検事に話してやると言う。エリオットもロドニイに会った時、スティーブンと同じ懸念を伝える。 「私をおせっかいだと思ったろうが、二人とも興奮していたから止めに入るつもりで声をかけたんだ。君がステラにしたことは、明らかに"証人の脅迫"としかいえないよ」。 エリオットには、十八年前の苦い経験があり、ロドニイの気持ちが痛いほどわかる。 「十八年前の私が君そっくりだった。人から反感を買い、あげくが有罪の判決だ。陪審員というのはコンピューターじゃなくて十二人のまったく違う人間の集まりなんだ。彼らの基準はそれぞれ違う。第一印象だったり証言だったりネ、自重することだ、慎重に行動することだよ、いいネ」。 スティーブンが病院にやって来た。ベティに会いにだ。コッソリ彼は言った。 「ステラのことを聞きたい。同僚かインターンか、とにかくステラと仕事上つながりのある人でいいんだ」。 「そんな人いないのよ。ロシイ先生ぐらいで、友だちはいないの」。 友だちも同僚もなく、高校の時の記録を調べても、彼女の過去がわからない。ベティがふとつぶやいた。 「ステラの経歴だったら病院に採用された時に書いたのがあるわ」。 ベティは、ステラがその履歴書を提出した時に、偽りを書いたことを知らない。だが、スティーブンはその言葉に飛びついた。 「ふーん、それ見たいなあ、いや、見たいなと言ってみただけさ」。 スティーブンが帰った後、考えていたベティは決心した。ロドニイが前の夫だったからではない。ロドニイがジョーを殺してはいなという自信に近いものがあり、何とか助けたいと思ったからだ。 首尾よくチョート婦長の部屋から、ステラの履歴書を盗み出したベティは、早速スティーブンの所へ届ける。だが、運悪く、ステラの履歴書を見たいと、ロシイがやって来て、紛失していることが分かってしまった……。(文・山口 浩) |
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150 1978/07/10放映 解雇 151 1978/07/10放映 ある朝突然に 152 1978/07/10放映 館の独裁者 |
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マーチン・ペイトンの登場 ベティ・アンダーソンが病院を解雇された……。 「なぜあんなことをやったかワケを聞きたい」。 「尋問ですか?ロシイ先生」。 「そうだよ、ベティ」。 「ステラ・チャーナックに興味があったからですわ」。 「本当のことを言ってくれ」。 「先生だってご存知でしょ」。 「だが、君から聞きたい、どうして君がステラの履歴書を取らなきゃいけなかったのか、そのワケをネ」。 「ロドニイの役に立つと思ったの」。 「誰かが取れと言ったのかい?」。 「いいえ」。 「しかし少なくとも誰かに見せたんだろう?いいかい、ベティ、病院から書類を持ち出したのは、いや盗んだのは確かに君だが、それをそそのかしたのはスティーブン・コードなんだろう?」。 「彼は私に命令したわけではないし、私は自分の意思でやったんです」。 「君のこれまでの成績から情状酌(しゃく)量にしてあげたいが…」。 「先生のお好きにどうぞ」。 「だが、君のしたことは汚点なって記録に残り、一生つきまとい新しい仕事を探すことは困難になってしまうぞ」。 「私にとっては敗北なのよ」。 「君が病院をやめれば記録には残らない。そうだ、やめることだ。私は責任者の一人として見逃すわけにはいかないんだ」。 「わかりました。私、病院をやめます。簡単なことよ。まず、やめますと言って荷物をまとめて、見慣れたコーヒーポットや自分のイスや机にサヨナラを言って、それで終わりよ、すぐ出て行きますわ」。 その頃、ダウエル弁護士の事務所でスティーブンとエリオットが話をしていた。スティーブンが何げなく外を見ると、マーチン・ペイトンの車がゆっくりと走っているではないか。 なんとペイトン自身がボストンからやって来たと聞き、彼は二度びっくり。 「ペイトン家の大事な孫のために来たんだ、彼は身内意識がとても強い。きっと私の指揮を取るつもりですよ」。 エリオットの考えは違う。 「彼はスケールの大きな怪物だよ。十九世紀のこの地方の大地主みたいな、ヘンリー・ジェームズの小説に出て来るような人間さ。彼の視野の広さはロドニイだけを考えているのではなく、この町のこと、工場のことも考えてやって来たと思うネ」。 ペイトンは屋敷に住むことを宣言し、そのために工場長のデビッド・シュースターは屋敷を出てホテル住まいを余儀なくされる。 ペイトンは早速スティーブンを呼びつけた。 「もっとテキパキやることだ、絶対にこの裁判に負けてはならん、よいな」。 ペイトンはさらにその日の七時にロドニイを晩さんに来させるよう言いつける。 呼びつけられたロドニイは行く決心をする。(文・山口 浩) |
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153 1978/07/17放映 途切れた記憶 154 1978/07/17放映 新たなる不安 155 1978/07/17放映 失われた思い出 (註)コンスタンス・カーソン役のDorothy Maloneが病気の為、第153話から第166話までLola Albrightが代役で演じています。 |
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記憶喪失のアリスン 「今日は、ようこそカーソンさん」 とアリスンは言った。 父親エリオット・カーソンの顔を見てそう言ったのだ。 「わざわざ来てくださってありがとう。その花、私に?ありがとう。お見舞い客の一番乗りよ」。 「そりゃ光栄だな」。 エリオットは胸に熱いものがこみ上げてくるのをこらえて、さりげなく答えた。 「あら、カーソンさんは、もう何度もいらしたのよ」。 コンスタンスがそばから口を出した。 「まあホント、お母さん、この花いけて下さらない?」。 父親の持ってきた花を、見舞い客の花のようにいけなければならないコンスタンスも、涙があふれそうになるのをこらえるのに必死だった。それだけではない。アリスンは医師のロシイにこんなことを頼む。 「お母さんに、明日の朝来る時にお父さんの写真を持って来るように言ってくれる?バカげていると思うでしょうけど、小さい頃病気になると、あの写真を横に置いて寝たのよ」。 ロドニイがいそいそとアリスンを見舞った。 「ノーマンは一緒に来てくれなかったの。お見舞いありがとう。ノーマンに必ず来てって伝えてネ」。 ああ、会いたくてたまらなかった、と思いを込めて言うロドニイに対して、ひどく他人行儀のアリスンなのである。 アリスンは、ちょうど一年前から現在までの記憶を、喪失してしまったのだ。だからエリオットは"カーソンさん"であり、ロドニイは同級生ノーマンの単なる兄にすぎないのだった。 「座らんかロドニイ、何をためらっておる」。 ペイトンは言った。町に戻り屋敷に住み始めたペイトンは、孫のロドニイを晩さんに招待したのだ。 「お前は何を恐れとる。人生に何を求めとるんだ」。 「ボクは失ったものを取り戻したい。この屋敷や工場、無くしてしまった名声……」。 「この町で名声があるのはわしだけだよ、ペイトンの名だ。この屋敷も工場もわしのもの、お前の父はわしの使用人だったにすぎん」。 その頃、ハリントンはノーマンに言い聞かせていた。 「ロドニイだけを招待して、ノーマンにやきもちを焼かせるハラなんだ。これはゲームで、私は何年もこのゲームをやらされてきた。私たちが結婚すると知った時、彼は必死になって画策した。自分がキングで娘はプリンセスなんだ。 お母さんにしても私を対等に見てくれず、わがままで身勝手で強引だった。私はペイトンの存在を無視し、お母さんへ期待しないことにした。その結果、工場の経営がスムーズになったんだよ」。 ペイトンはエリオットのインタビューにこう答える。 「わしがこのペイトンプレイスに帰った目的は、死んだ娘の立派な墓石を立ててやるためだ」。(文・山口 浩) |
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156 1978/07/24放映 証人台への決意 157 1978/07/24放映 思惑 158 1978/07/24放映 裁判迫る (註)コンスタンス・カーソン役のDorothy Maloneが病気の為、第153話から第166話までLola Albrightが代役で演じています。 |
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ペイトンの休戦 「ベティお願いだから、ペイトンさんの所で働くのはおよし」 とジュリーは言った。つい先日も、自分のことは自分で決める、と宣言した娘のベティに、それも仕方ないと思っていたジュリーなのに。母親の真情であろう。マーチン・ペイトンの所で働くことに気持ちが傾いているベティを、必死になって止めているのである。 その頃、スティーブン・コードのオフィスに、母のハンナが訪ねて来た。彼女はペイトンの長年の家政婦だ。 「私が何しに来たかわかるかい?」。 「さあね」。 「忠告をしに来たんだよ」。 「じいさんの使いでだろ?」。 「違うよ、だんな様は関係ないの。お前の母親としてネ。今度の裁判なんだよ。お前のことが心配でね」。 「予審が負けたから裁判も、ってですか?」。 「いいえ私の心配はそんなことではありませんよ。お前の立場を心配しているんです。ここはちっぽけな町だよ、そして陪審員たちはこの町の人だよ。もしお前が少しでも傲慢な態度を見せたら、すぐに反感を買うよ」。 「フン、私には町の連中の支持がないって言いたいんですか?」。 「いいかい、お前の名はファウラーじゃない。ファウラーは、皆から選ばれた役人で多くの人の支持を受けている。だから彼の攻撃目標はただひとつ。陪審員たちの手が届かない富と地位を持った人間だよ。お前はその被告を守る立場だ。だからお前の態度いかんで裁判は決まるんだよ」。 「母さんは私におとなしくしてろと言うんですか。母さんは一度も考えた事はないでしょうネ。初めてプラモデルを作った時、ちょっとでいいから出て来て一緒に肩を並べて見て欲しかった。卒業式に来て欲しかった。まだあるんです、その内の一つでよかったんだ、一緒にやって欲しかった」。 「私にはわが子と費やす時間さえ与えられていなかったんだよ」。 この母子の前を常に立ちふさぐペイトン。ベティにとってもこの老人は、いや、今後結婚にまで到達するかもしれないベティとスティーブンに、この老人はこれからもさまざまな影響を与え続けるに違いない。 この町に来て、ペイトンの行動にはめざましいものがあった。 彼は工場長デビッド・シュースターに、デビッドの改革案のオートメ化は従業員の反感を買い、ロドニイの裁判に不利になるから、しばらくタナ上げにすると宣言。 また、彼はハリントンに言う。 「ロドニイの裁判が終わるまで、わしらの争いを休戦しよう」。 「あなたの口からその言葉が出ようとは……しかし私には共闘の意思はありませんよ」。 「わしが一番願ってるのはロドニイの無罪だ、さあ休戦の握手だ」。 ペイトンの差し出す手を、ハリントンは黙って握り返した。 彼らの期待にこたえてスティーブンがどのような活躍を見せるだろうか。(文・山口 浩) |
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159 1978/07/31放映 戦いの時と場所 160 1978/07/31放映 館に戻った女 161 1978/07/31放映 裁判の朝 (註)コンスタンス・カーソン役のDorothy Maloneが病気の為、第153話から第166話までLola Albrightが代役で演じています。 |
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ペイトンとスティーブン マーチン・ペイトンがこの町に戻って来てから、色々な変化が起こるに違いない。 その日、マーチンは工場の入り口で、出勤して来る工員たちに声をかけていた。 名前を覚えていてくれて感激する工員もいる。ジュリーがマーチンを見かけ、オフィスへ入るとシュースターに言う。 「間もなくペイトンさんが見えますよ。合理化計画のファイルを一つに集めておきます」。 程なくペイトンがオフィスへ入って来る。シュースターに会うなりピシリと言う。 「君は大金を浪費しとるぞ」。 「レポートを送ったはずですが」。 「あれがレポートか、経済学用語の寄せ集めにすぎんぞ。浪費の原因を知りたい」。 「それはこの工場が時代遅れだからです。機械が旧式です。レポートは工場をオートメ化するか閉鎖するかの選択を迫っているんですが……」。 「工場を閉鎖したりせん、絶対にせんからな」。 「どうやってそれを止める気ですか?」。 「わしを甘く見てはいかんぞ、機械がどんなかこの目で見たが、確かに近代的じゃない。だが、わしは雇い人たちに会って話を聞いた。わしは長年この世界にいて、一つの基本的な真実を学んだよ。両手が自分の命令下にあるうちはワゴンも動く、ということだ」。 「一生あなたの個人資産でこの工場の赤字を埋めていくつもりですか」。 ペイトンはこの後、顧問弁護士のダウエルの所へ行く。 「わしはシュースターの経営合理化を延期する。ロドニイの裁判が終わるまでだ、何週間かかろうとかまわない。合理化を進める以上、多数の解雇者が出る。いま町の反感を買うことはマイナスだからだよ」。 「しかし、ロドニイと工場とは何の関係もないはずですが……」。 「ロドニイはこのわしの孫だぞ。解雇はいつでも出来るが、一度有罪の判決を受けたら最後、孫の汚名は消えん。そうだろうスティーブン?」。 ダウエルの所にいるスティーブン・コードにはペイトンの策略が理解出来た。 スティーブンはペイトンに尋ねる。 「ロドニイの裁判を傍聴なさるんですか?」。 「行くつもりだ」。 「ロドニイは喜ぶかもしれませんが、マイナスですネ」。 「なぜだ、ロドニイはわしの孫だぞ」。 「その通りです、ですから私はさっきの意見に賛成でした。しかし今度は同じ理由で反対です。あなたが裁判に出れば、陪審員を始めみんなに圧力をかけにやって来たような印象を与えるからです」。 スティーブンはやがて独立し、有能な弁護士になっていくのだ。いよいよロドニイの裁判の朝がやって来た。(文・山口 浩) |
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162 1978/08/07放映 公判はじまる 163 1978/08/07放映 陪審員の条件 164 1978/08/07放映 孫の反抗 (註)コンスタンス・カーソン役のDorothy Maloneが病気の為、第153話から第166話までLola Albrightが代役で演じています。 |
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十二人の陪審員たち 「全員起立!これよりペイトン郡地方裁判所第二法廷を開廷します。アーウィン・ジュサップ判事の出廷!」。 いよいよ裁判が始まった。ただし、日本の裁判と異なる点は、十二名の陪審員が最後の判決を下すことである。 そして、裁判の前に、その陪審員を選出する審査がある。 では、その審査の模様を眺めてみよう。 裁判長はジュサップ判事。コード弁護士とファウラー検事とが審査の実行役となる。裁判長が言う。 「被告ロドニイ・ハリントンは第一級殺人罪で起訴されたのです。警察の調書よれば、去る七月十六日夜、被告は明らかな殺意を持ってジョー・チャーナックを殺害しました。もし皆さんの中で、いま名前をあげた人物と親しい関係にある人がいたら手を挙げて下さい。そして被害者の家族アンナ・チャーナック、ガス・チャーナック、ステラ・チャーナックと親しい方はいませんか?」。 陪審員候補の人たちは誰も手を挙げなかった。裁判長はまず弁護士から始めるように促す。コードが立って言う。 「皆さんか、家族の方が、暴力事件の被害者になったという人はいませんか?」。 もしいたら、そういう人は、偏見を持っているという理由で降ろされることになるのだろう。 加害者、被害者およびその家族の知り合いがいても、ひいきになるから同じく降ろされるわけだ。次に候補者一人一人に質問を始める。 「ボイト夫人、あなたの職業は?」。 「家庭の主婦ですわ」。 「被告が有罪か無罪か、自分の考えを決めていますか?」。 「まだです」。 「全ての証言を聞いた後で、"事実はこうだ"と結論が出た時、あなた一人が他の陪審員たちと違う意見だったら、自分の意見を変えて従いますか?」 「いいえ変えません」。 「他の十一人が全員あなたに反対しても、あなたは自分の意見に確信が持てますか?」。 「持ちたいと思いますわ。そりゃ意見が間違っているようだと納得すれば別ですが……」。 「裁判長、この陪審員に対して忌避権を行使したいと思います」。 「ボイトさん、お帰り下さい」。 このように弁護士は尋問していって、どうもこの人はこちらに不利な判定をしそうだと考えたら、"忌避権"を行使して退場させることが出来るのだ。なんでも二十人まで忌避出来るそうである。 ついでチョート婦長が立ったが、今度はファウラー検事が、彼女はアリスンを患者として扱い、アリスンはロドニイと親しい間柄であるとして忌避に追い込んだ。 中にはエリザベス・カーソン殺しの陪審員を務めた人もいて、これはコードに忌避される。こうして弁護士側と検事側が納得のいく人を選ぶのだから、これだけで何日も続くことがあるのだ。(文・山口 浩) |
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165 1978/08/14放映 愛の障害 166 1978/08/14放映 公判二日目 167 1978/08/14放映 忘れかねた過去 (註)コンスタンス・カーソン役のDorothy Maloneが病気の為、第153話から第166話までLola Albrightが代役で演じています。 |
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ロドニイのあせり その夜、ロドニイは思いつめた表情でアリスンを病院に訪ねた。 保釈される前に牢に面会に来た彼女は、確かにロドニイに愛を打ち明けたのだ。 しかし、今のアリスンは、交通事故のため記憶が失われてしまっていた。 ロドニイはいても立ってもいられない気持ちで、また見舞いにやって来たのだ。 「ノーマン元気?」。 「元気だよ、あいつも心配してるよ」。 「ロドニイ、なぜ何度も来てくれるの?」。 「迷惑かい?」。 「そんなことないけど……ただあなたはノーマンのお兄さんで、学校のパーティーとか催し物の時、会うぐらいでしょ」。 「ボクはヒマだからノーマンの代わりに来てるのさ」。 まさにロドニイの心中察するにあまりある、と言えよう。 死んだジョーの姉ステラ、彼女は病院でロシイ先生の助手を務めているが、勤務時間外でも二人は次第に親しくなっていく。 その夜も、ステラはロシイの家へ行き、それから町のレストランへ行った。 「冒険心がある男って好きだわ。あなたが好きよ。私を好き?」。 「好きだよ」。 そんな会話をはさみながら二人は食事をして、やがてレストランを出たところを、やって来たスティーブンとベティが目撃する。 「あなたの言ったこと」。 「何て言ったかな?」。 「私のことが好きだって……」。 ロシイはステラの肩へ手をかけ、額をつけ合う。 「私のうちでコーヒーでも」。 「いや、ボクのうちへ来ないか」。 ロシイの車で立ち去る二人を見送るスティーブンとベティ。 「忘れるんだな」。 「いいえ、出来ないわ。ロシイ先生はロドニイの味方のはずだわ」。 だが、その夜、ロシイは自分の家でステラにキスをしようとしたが、やめてしまった。 「正直に言おう、他の世界を締め出して二人っきりになろうと努めているのだが、ダメなんだ。たった一つ邪魔するものがあってネ。今日開かれた裁判の被告がボクの友人だっていうこと、君が裁判のカギを握ってること……」。 その裁判は、ペイトン郡地方裁判所第二法廷で開かれたのだ。 検事側からの質問で始まり、まず第一に証人に呼ばれたのはクラーレンス・ヒーリー医師だ。彼はペイトン地区の主任検死官で、ジョーの検死を行なった人である。 ヒーリー医師は、死亡の直接原因は、後頭部を鈍器に類するもので強打されたからと証言する。 この証言の後、ファウラーは鉄製のかぎざおを提出する。 「これは鈍器に類するものに該当しませんか?」。 「まあ、するでしょう……しかし何もそれでなくても……」。 「このかぎざおは"それ"に該当するわけですね?」。 ファウラーは自信満々に真相を追究していく。(文・山口 浩) |
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168 1978/08/21放映 倉庫の中の秘密 169 1978/08/21放映 また手が動かない! 170 1978/08/21放映 衝撃の証言 |
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衝撃の告白 リタが法廷に立った。こう然と頭を上げて証言台にあがると、ファウラー検事はすかさず尋問を始めた。 「あなたはジョーのガールフレンドだったわけですね?ジョーが少年院から戻って来てから、あなたはまた交際を始めましたか?」。 「いいえ」。 「デートもしなかった?」。 「会いたくなかったのです」。 「どうして?」。 「どうしてもです」。 「ほかの男と付き合ってたからですね」。 「……そうです」。 「その人を教えて下さい」。 「ノーマン・ハリントンです」。 「つまり被告であるロドニイ・ハリントンの弟のノーマンですね?」。 このように追求し、リタをはさんでジョーとノーマンが争い、ノーマンがジョーに殴られ、保護者のような兄ロドニイがその仕返しに殺したのだ、という論理をひれきする。 だが、弁護側反対尋問のスティーブン・コード弁護士はもっと厳しかった。まず彼は未成年者退廷を要求する。 不良仲間にリタが入ったキッカケを詳しく尋ね、リタは泣き出した。 「私……逃げようと……したけど捕まって」。 「それで君はどんな目にあったの?」。 「……」。 「それ以来、君はジョー・チャーナックの女になった、どうだ、違ってるかい、どうなんだ、違ってるか?」。 「ええそうよ、私はジョーに抱かれたわ!」。 「ジョーは少年院へ送られる前、君を仲間のダレに紹介していったんだい?」。 ついに判事は止めた。それ以上立ち入った質問は許可しない、と言う。だが、リタは答えた。 「ジョーは私をキッチに紹介し、私はキッチのものに……」。 「そして何ヵ月もキッチと付き合った後、君はノーマンに出会い付き合い始めたが、キッチたちは喜ばなかった」。 「はい、ジョーが戻って来た時まき添えでジョーに痛めつけられるのを恐れ、私を避けるようになりました」。 「ジョーが少年院から出て来てどうしましたか?」。 「"お前はオレの女なんだ、ノーマンと別れろ"って」。 ジョーの父、ガス・チャーナックは、次々とリタの口からあばかれる暴挙ぶりに、再三わめいてついには退廷させられた。 スティーブンはさらに、何度かリタがジョーに脅迫され、ある時は強引に車で連れ去られそうになったところを、エリオットに助けられたことなどを、リタに証言させた。 閉廷となってからファウラー検事が、スティーブンの手腕を褒めたほど、このリタの証言は説得力があった。そのかわり、リタは過去をあばかれボロボロになった。 ノーマンはスティーブンを殴ろうとする。(文・山口 浩) |
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171 1978/08/28放映 愛はつのる結婚へ! 172 1978/08/28放映 真夜中の結婚式 173 1978/08/28放映 哀しい父娘 |
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リタとノーマン結婚へ 法廷でリタが過去の全てを明らかにされた日の午後、やつれきってリタはわが家へ戻る。 スティーブンのほうもまた、役目とはいえ、私的な立場に立ち帰った時に自己嫌悪にさいなまれて荒れ、ベティに慰められる。 リタの証言によって不利になったジョーの父ガスは、エイダの店へ押しかける。エイダにしたって、わが娘がボロボロになっているのを見て、気が立っている。エイダとガスはけんかになるが、ガスの娘ステラが来て止める。 この日エイダは店を開ける気もしないで休みにする。 リタはちょっと外の空気を吸おうと、家を出る。 と――。 そこにノーマンが立っていたではないか。思わずリタは駆け寄る。ノーマンは抱きとめてキスをする。 「リタ、話があるんだ。来てくれ」。 リタはもうノーマンをあきらめようと思っていたのだった。 窓の陰から二人を見ていたエイダ。 「結婚しよう!」 とノーマン。 「……」。 「したくない?」。 「したいわ。でも……」。 「今すぐにだ」。 「今すぐ?」。 「誰にも言わずに」。 「お母さんが何て言うか分かるだろ。うちだってそうだ。父や兄貴がいつまでも言い争うだけさ。若すぎるって言われるな。だからボクたち二人だけで、これから式を挙げに行くのさ」。 「……いいわ、結婚しましょう」。 二人の乗った車は走り去って行く。車は何時間も走った。やっと明かりのついた教会を見つける。 神父は結婚するのは年齢的に早いのではないか、と説得するが二人の決意が固いのを知ると、夫人にそう言って二人に晴れ着を貸した。 かくしてノーマンとリタは、介添人もなしで、二人きりの真夜中の結婚式を挙げたのだった。 その夜、二人は教会の近くのモーテルで結婚第一夜を迎えた。 ペイトンプレイスに初雪の降った朝、ノーマンとリタの新婚カップルの車が町に戻って来た。 「すばらしい雪ね」。 「君のために特別注文しといたんだぞ」。 「ありがとう、"あなた"!」。 二人きりの結婚式に対して身内の人たちはいずれも喜んだ。エイダは涙を流して喜び、自分の寝室を譲ることを提案。ロドニイもまた"姑と一緒だと失敗することもある"と彼らのアパートをこの新婚夫婦に明け渡し、自分はホテルへ移った。だがスティーブンは 「せっかくリタの証言で有利になったと思ったのに、ノーマンとの結婚を報酬にリタに証言させたように取られるとまずい」 と言う。 ガス・チャーナックはむしゃくしゃした気分をバクハツさせ、工場の機械をぶち壊したが、その時発作を起して倒れた。(文・山口 浩) |
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174 1978/09/04放映 思い出せない! 175 1978/09/04放映 愛を取り戻す薬 176 1978/09/04放映 わら人形 |
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アリスンは認めない 入院中のアリスンは、ロシイ先生の部屋で、偶然、耳にしたラジオのニュースに驚いた。 「……以上が公判三日目までの大体の経過です。なおこの事件はロドニイ・ハリントンがジョー・チャーナックを殺害した容疑に問われているもので、検察側は、弟ノーマンの仕返しをする為であったと見ています。この事件の為、ペイトンプレイスの町全体が大きなショックを受けていると申しても過言ではありません。裁判は今日四日目が開かれ、ジョン・ファウラー検事の証人喚問が、続きます……」。 思わず、アリスンは耳をふさいだ。この時、ロシイ医師が部屋に入って来ると、あわててラジオを消す。 「なぜ言ってくれなかったの」。 「君こそなぜ忘れたのだ、君が自然に思い出してくれることを願ってたんだ」。 「私ゴメンだわ、あなたの治療はまっぴらよ……」。 「いつまで逃げてまわるつもりなんだ。では言おう、君が最後にロドニイと会ったのは牢の中でなんだよ。面会が終わり外へ出た君は、車にはねられたんだ!」。 「ウソ!そんなのウソだわ!」。 「いいかいアリスン、嫌なことを耳にする度に逃げていたら、君の記憶は戻らないんだ」。 「逃げてなんかいないわ、ただラジオをつけたら、知ってる子が殺人の容疑で裁判にかけられるって聞いて、驚いているだけよ」。 「君にとってロドニイの存在って何だ?しかもそのロドニイは裁判にかけられてるんだよ」。 「いったい何が言いたいの?」。 「自分で考えてごらん」。 「私には関係ないわ。もし牢にいるロドニイに会いに行ったとしても、それは彼をかわいそうだと思ったからよ、それだけのことよ」。 「君みたいにきれいで心の優しい若い女性が十九年の人生で、母親以外に一人も大切な人に巡り会わなかったって言うつもりかい?」。 「ロシイ先生、言いたいことがあるんなら、早いところハッキリおっしゃって下さらない?」。 「いいとも、あのニュースを聞いた今でも、ロドニイに会って冷静でいられるかい」。 アリスンは失われた記憶のせいで、どうしても自分がロドニイに特別な感情を持っていたとは認めたくないのであった。 ノーマンが証言台に立った。ファウラー検事は、リタの過去に触れながらするどい質問を浴びせ掛ける。ノーマンはたまらず怒鳴る。 「リタをふしだらな女なんて言わないでくれ、リタはボクの妻なんだ、分かったか!」。 ファウラーは驚く。 「……いつ、リタと結婚したんですか?」。 「昨日の夜!」。 ファウラーは、リタがジョーに不利な証言をした後、二人が結婚したことについて、まるで取引だと言わんばかりだった。だが、ノーマンは、彼女の過去が昨日法廷であからさまになっても結婚したのは"愛しているからだ"と言い切るのだった。(文・山口 浩) |
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--- 1978/09/11放映 (別番組放送で休止) | ||
177 1978/09/18放映 臨終の約束 178 1978/09/18放映 君のお父さんは…! 179 1978/09/18放映 父娘の裂け目 |
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ガス・チャーナックの死 退廷させられたりして面白くないガスは、酒を飲んでペイトン工場へ入り込み、ハンマーで機械をぶち壊した。その夜さらにペイトン邸へ押しかけ、忍び込んだのだが、発作を起して倒れてしまった。 工場でハンマーを振るったりした極度の興奮状態が、発作へと高まってしまったのだ。 ロシイは自宅でステラと楽しいひと時を過ごしていた。そこへ電話だ。 しかも、ステラの父ガスの容態だ。二人は駆けつけた。 だが、ロシイは一目見るなり首を振った。 「こんなに出血した後ではなすすべはない」。 ガスは弱々しい声で娘に向かってしゃべった。 「ステラ……オレは……仕事に戻りたかった……それが……オレの望みだったのに……」。 ロシイは手早く注射を打つ。ガスはステラに何か言おうとしている。ステラが耳を近づけた。 「……いいな、ヤツに払わせろ……ジョーの代償を、ヤツに……払わせろよ……約束だ……約束……」。 ガクッと首が折れて、ガスは死んだ。ステラは半狂乱だ。 ガスの死体はやがて運び出され、ペイトン邸にゴダード警部が入って来た。警部の質問に答えてペイトンは言う。 「ガスはこっそり押し入って来た、復讐のためにな。わしがクビにしたからだ。その仕返しに殺しに来た。いきなり襲い掛かって来たよ。もし発作が起きてなきゃ、わしは殺されとった」。 ステラはペイトンを激しくなじる。パパが求めたのは仕事に戻ることで、ここへ来たのは仕事をくれるように頼みに来たんじゃないか、パパの死ぬ前に、あなたは仕事を与えて喜ばすことが出来たのに――と言うのだ。 これに対してペイトンは冷たく言い放つ。 「ブラボー!ステラ・チャーナック。君は実に優等生だ。ガスからよく学んでいる。だが、お前の言っていることこそウソだ。たった一つの事実、ガスは死にかけていた、この事実をもとに全てを歪め、実に軽蔑すべきウソに仕立てておる」。 ロシイはステラが偽証していることが分かっていた。罪に追いやられそうなロドニイも友人だ。なんとかしてステラの良心に訴えて正しい証言をさせたいと思い、彼女を説くが、父の死と、その臨終に父から言われた言葉が彼女の脳裏にこびりついて、すでに聞く耳を持たないステラになっているのだ。 いまだかたくなに心を閉ざしているアリスンに、思い余ったロシイは、ついに言ってしまった。 「君があの人と言っているエリオットは、君のお父さんなんだ」。 アリスンはどなった。 「そんなこと信じない。先生は、わざと私を困らせているんだわ!」。 かえってアリスンの心はそれを認めずにエリオットへ反撥していくのだった。(文・山口 浩) |
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--- 1978/09/25放映 (別番組放送で休止) | ||
180 1978/10/02放映 贈りもの 181 1978/10/02放映 揺れ動く心 182 1978/10/02放映 喪服を着た証人 |
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ステラの過去 ベティは迷っていた。すでに夫婦ではないロドニイに、バースデーの贈り物をしてもいいものかどうか。 だが、彼女の足は吸い寄せられるように彼の宿泊するホテルへ。 ロドニイは喜んだ。二人は話をした。ロドニイは言った。 「ボクらにもこんな部屋があればよかったと思う、狭い部屋がネ。あの丘の上にある邸宅みたいにバカでかい広間じゃなくてネ。今も一緒にいたら、ボクたちどんな風だろうと考えることある?」。 「あるわよ」。 「やっと今になって分かったんだ、ボクらもノーマンたちのようにゼロから出発すりゃよかったんだネ」。 ロドニイに近づかれベティは泣き声になった。 「――どうしよう、こんなことになるなんて。私はただ、誕生日おめでとうを言うつもりで来ただけなのに」。 ロドニイはベティにキスする。ベティはあわてて帰りかけ、そこへハリントンが入って来る。ハリントンの忠告も、ロドニイは自分のことは責任持つから大丈夫だとうけ流す。 そこへペイトンの使いがロドニイの部屋のドアをたたく。ペイトンからは多額の小切手が誕生日のプレゼントとして贈られたのだ。 スティーブン・コードは、ステラの前歴を洗っていたが、カリフォルニアへ出張に出かけた。 その結果、ステラが生化学研究所の薬物を不法に売っていたジャンセンという男と関係があったことを突き止めた。 だが、これとてまだ裁判に持ち出せる材料ではない。 ロドニイは誕生日の夜、ノーマンに用事があるからと言われ、彼の家へ出かけて行った。 アパートのドアを開けると、ロドニイは驚いた。 ノーマン、リタだけではない。父のハリントンがいた。エイダもいた。イライもエリオットもコンスタンスもいたのだ。一同が声をそろえて言った。 「ハッピーバースデー、ロドニイ!」。 ロドニイは感激した。思いがけない人の心の温かさに出会い、裁判にくじけそうになる彼は、しばしの団欒(らん)にくつろいだ。 再び裁判の日がやって来た。ロドニイ、ハリントン、スティーブンは自信なくその朝を迎える。 法廷でロドニイの供述書が読み上げられている時、ガス・チャーナックの葬儀をすませたステラと母親が入廷してきた。その黒い喪服姿は、みんなの同情をかった。 そんな彼女が証人台に立った。スティーブンがくいさがる。 「あなたは一字一句たがわずに全く同じ証言を二度ならず三度もしているんですよ。しかもあなたがロドニイの脅迫の言葉を聞いて、もう何ヶ月もたっているのにです」。 ステラはスティーブンの質問を受けて再び答えた。 「そうです、ロドニイは必ず弟を殺すと言ったのです」。(文・山口 浩) |
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183 1978/10/09放映 失踪した妻の告白 184 1978/10/09放映 自供 185 1978/10/09放映 父親の怒り |
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妻の犯罪 「こんにちは、あなた!」。 ファウラー検事が振り向くと、そこに妻マリアンが立っていた。 ファウラーは家出した妻を許そうとした。ゲーリングとのことも不問にして、である。 家へ戻ろう、と言う彼にマリアンは話がある、と応じない。 「私、海岸を車で走っていたの。ラス・ゲーリングに会った帰りだったけど、もう二度と会わないことにしようって話し合った後だったわ」。 「情事はやめたわけか」。 「情事なんてなかった。ただの会話や散歩……ええそう、信じてちょうだい!」。 「……」。 「私は海岸通りを走ってたの。ところが夕日が目に入り……彼女の姿が見えなかったの。一瞬何かを"はねた"と思ったわ、何か小さな動物を……」。 「まさか!アリスン・マッケンジーを……」。 アリスンをひいたことを言うには、ラス・ゲーリングのことを告白しなければならない。マリアンは夫が恐かった。世間が恐かった。悩み苦しんだ揚げ句に、彼女はアリスンをひき逃げしたことを誰にもしゃべるまい、と決心した。いや、ラスだけには打ち明けたのだが、それとて何の慰めにもならず、マリアンはとうとう家出をした、というわけである。 「他にも話さないほうがいい理由があったわ。あなたはこの町で尊敬されているし、ちょうどロドニイ・ハリントンの裁判が始まる大事な時だったからなのよ」。 「だが……やはり警察に届けるべきだったな」。 警察に出頭したことで町中が、ファウラー検事の妻マリアンが、ひき逃げ犯人だった事実を知る。 「このことがわれわれに有利になるといいんですが、わかりません」 とスティーブン・コードはロドニイとハリントンに言った。 「町の人はアリスンとロドニイの仲を知っているから、ロドニイに同情票が集まるんじゃないか」 ハリントンが反論する。 「いや、そうじゃないんです。ファウラー夫人がこの町の奉仕団体の役員をしていて、週のうち四日も病院で奉仕活動をしてたってことも知っています。つまり、彼女こそ勇気を持って自らの罪を告白しに町に帰って来たペイトンプレイスの天使ってわけです。むしろ向こうに有利と私は見ますネ」 とスティーブンは説明する。 エリオットは、マリアンがひき逃げ犯人だと知って怒り狂った。 彼は妻のことを知っていて、今まで黙っていたに違いないと考えたからだ。 妻のコンスタンスも夫の意見に同調するが、イライは年長者らしい意見を言う。 「お前さんたちは仲が良すぎるから夫婦間に秘密を持たないと考えるだろうが、世間には一生暮らしを共にしていても、全くの他人のような夫婦だっているんだよ」。 だが、エリオットの怒りは解けず、激しくファウラーに詰め寄るのだった。(文・山口 浩) |
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186 1978/10/16放映 許し 187 1978/10/16放映 意外な傍聴者 188 1978/10/16放映 自ら弁護に立つ |
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アリスン許す 数週間に渡って陪審員たちはロドニイ・ハリントンの殺人容疑に関する証言を聞き、証拠物件を調べて来た。 そして今日、法廷はロドニイの弁護士スティーブン・コードの申請に基づき、現場検証を許可した。 陪審員自らの目で、ジョー・チャーナックの殺害現場を確認するのだ。つまり、法廷が現場に移転したわけだ。陪審員の一人が裁判長に、チャーナックが倒れた場所の部分の弁護側の供述を聞かせてくれ、と要請し、廷吏(ていり)が読み上げる。 そして検証を終えると、陪審員や裁判官たちはバスに乗って、法廷へ戻って行く。 ロドニイは検証が実にカンタンに行なわれてしまったことに不安を抱く。 「なぜ、この現場で、ボクに事情を説明させちゃくれないんだ!」。 スティーブンが慰める。 「こりゃ、法的手続きにすぎないんだから、あまり心配するな」。 ファウラー検事の妻マリアンが病院へやって来る。すでにアリスンはマリアンが自分をひいたことを知っている。マリアンがゲーリングと話をしているところへアリスンが入って来た。 「あなた、ファウラーさんね」。 「ええ」。 マリアンはゲーリングに席を外すよう頼む。 「どうしてあんなことをしたか話したくて……なぜ止まらなかったのか……」。 「ゲーリングさんから話は聞いたわ、あなたが彼の家からの帰り道だったって。もしその時、もっと他の安全な場所からの帰り道だったら、それでも私を置き去りにして逃げました?」。 「分からないけど……きっと止まったわ、私、あれからあなたのことが頭から消えたことがなかったの。さぞ憎んだでしょうネ、捕まったら重い罰にしてやろうって」。 「何が言いたいの?」。 「よく分からないの」。 「私に"あなたを許す"って言ってほしいんじゃなくて?」。 「そうかもしれないわ」。 「じゃ、許してあげます、ファウラーさん」。 この会話を部屋に入って来たロシイが聞いた。 「なぜ君は、ファウラー夫人を許したのに、君を心から愛してる両親を許してあげられないのだ」。 アリスンは数年間の記憶がとぎれ、エリオットが父親ということがどうしても納得出来ず、母のコンスタンスがかつて、無関係の男の写真を父だと教え込んだ行為もまだ許せないでいるのだった。 そんなアリスンの所へスティーブンが訪ねて来る。彼はアリスンに、ロドニイの裁判の日、法廷に来て欲しいと頼む。 ついに、ロドニイが法廷に立った。もちろんロドニイは殺意を否定し、激しく検察側の証人ステラと対立する。 この法廷にはペイトンさえも行きたがった。そして法廷では一同、傍聴席にやって来たアリスンに注目するのだった。(文・山口 浩) |
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189 1978/10/23放映 敗北 190 1978/10/23放映 第一級殺人犯 191 1978/10/23放映 交換条件 |
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キム法廷に立つ アリスンが退院する前日、エリオットはアリスンから、静養後にペイトンプレイスを離れるつもりだと聞かされる。とは言っても、エリオットは彼女を家に迎え入れてから、ジックリと話し合うつもりだった。彼は決して娘を家から出す気はなかった。 そんなアリスンに、ロシイ医師は期待を込めて尋ねる。アリスンはその日、ロドニイの裁判に、自分の意志で出席したからだ。 「どんなことを感じたか話してくれないか?」。 「だから言ってるでしょ。ちょっと心配だっただけよ。目の前で、ロドニイがやってもいないことで何回も何回も尋問されるのを見て不安になった。でも……それがロドニイでなくても、やっぱり同じように感じたと思うわ」。 「そうかなあ。でも、何か特別なものを感じただろ?」。 「いいえ」。 「ロドニイは君を愛し、かつては君もそうだった。何か特別なものを感じたはずだよ」。 「いいえ」。 かたくななアリスンなのだ。 シュースター家のドリス夫人とキムがニューヨークから帰って来た。キムが裁判に出席するためである。 いよいよ当日だ。まず弁護人側からキムへの尋問が始まった。 「これは滑車って言うんだけど、前にこんなの見たことあるかい?」。 「見ました」。 「どこで?」。 「船の……上で」。 「船のすぐ近くにいたんだね」。 「は……い」。 「けんかはどんなふうに始まったの?ロドニイは"歩いてるといきなりジョーが滑車を投げて来たのでけんかになった"と言ってるんだがその通りかい?」。 ここで検事側から弁護人の言葉は誘導尋問だと申し立てられる。 「ロドニイはカギザオを投げ捨てる時"こんなものいらない"って言いながら投げたと証言しているんだが、その時のこと覚えてる?」。 「ん……」。 「何だい?暗すぎた?」。 「は……はい」。 「ロドニイの口は見えた?」。 「……」。 「もし口が見えなかったら、何を言っているか分からないんだろ?君は耳が悪いから、そうだろ?」。 判事が木づちをたたいた。 「コード君、あなたを法廷侮辱罪とみなします!」。 すかさず、ファウラー検事が、 「いえ裁判長、休廷を申請します」。 いよいよ最終弁論の日、ファウラー検事が熱弁をふるっている。 「……もはや、ロドニイ・ハリントンの有罪は疑いの余地もない。ジョーの姉ステラは宣誓して、"ジョーを見つけ次第殺してやる"と被告が言った事実を証言している。第一級殺人罪を要求します!」。 これに対しスティーブンも必死に弁論をふるう。十二人の陪審員は果たしてどちらに傾くか…。(文・山口 浩) |
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192 1978/10/30放映 運命の序章 193 1978/10/30放映 評決! 194 1978/10/30放映 夜の訪問者 |
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陪審員の評決 ロドニイ・ハリントン裁判の法廷における審査は、その日の午後すべて終わった。 次の段階は、陪審員たちが有罪か無罪かの評決を出し、裁判長に手渡すことだった。 夜の町のレストラン、十二人の陪審員がそろって入って来た。こうして食事するため外出した時にも、その役割の重みは彼らの肩に重くのしかかっているのだ。 このレストランでスティーブンとベティも食事していた。 ベティはコッソリとスティーブンに訊く。 「今夜は審理をしないの?」。 「いや、晩飯を済ませたら裁判所に戻るんだ。そして夜中までに結論が出ないときには、一晩泊まってまた明日の朝始めるのさ」。 陪審員たちが食事を終えて裁判所に戻ると、新聞記者たちが待ち構えていた。 その中にエリオットとイライもまじっている。 「みんな三十分足らずで帰って来たぞ」。 「いいのか悪いのか……」。 「お前の裁判の時、わしは陪審員の前で、四日間、"わしの息子は悪いことなどしていない"と叫び続けたもんだった」。 「だが……効き目はなかった」。 「あのファウラー判事は息子よりもっと手堅かったぞ。お前の時はレスリー・ハリントンが、真実を隠してああなった。今度のカギを握っているのはあのステラだ。ステラがウソをついていることは、わしらには分かっている。だが、あの態度、陪審員たちはまんまとだまされるかも知れない。ああ、お前の時と同じだ。忘れようたって忘れられん、いまだにあの時のことが目に浮かぶよ」。 ついに評決は翌日に持ち越された。 法廷へは続々と町の人たちがやって来た。ペイトンも、ベティとハンナにかかえられて姿を現す。 ジョサップ判事が入廷する。 「陪審員のみなさん、評決は出ましたか?」。 陪審員たちはうなずく。 「では陪審員長、評決のコピーを渡して下さい。私が確認します」。 判事が、評決を見てから、 「被告は起立して下さい」 と、ロドニイをうながす。ロドニイが立つ。 「では、評決を読み上げて下さい」。 陪審員長のオルフィードが立ち上がる。 「評決を読みます。われわれ陪審員は慎重に検討した結果、ジョー・チャーナック事件に関し……被告を第二級殺人罪、すなわち有罪とみなします!」。 廷内はどよめいた。ロドニイのガックリする顔、ステラの勝ち誇った顔、スティーブンの顔、ペイトンの顔……。判事が言う。 「ロドニイ・ハリントン、評決が出されたこの瞬間から、被告は本日より拘置状態におかれ、ペイトン郡拘置所に移送されます!」。 判決は五日後、その夜、ステラの過去を知るリチャード・ジャンセンが町に着いた。(文・山口 浩) |
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195 1978/11/06放映 いまわしい秘密 196 1978/11/06放映 脅迫者 197 1978/11/06放映 影 |
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ステラの驚き 深夜、ペイトンプレイスにひとりの男がやって来た。彼の名はリチャード・ジャンセン。ステラ・チャーナックのかつてのボーイフレンドだった。 そして、ジャンセンを出迎えたのはスティーブンである。 すでに第二級殺人罪であと数日で判決が下るロドニイ。弁護士スティーブン・コードがついに探しあてた切り札だ。ステラの過去を掘り返し、何とかして絶体絶命のピンチを、逆転に持ち込もうと必死である。 ジャンセンを出迎えたスティーブンは彼をステラの家へ案内して行く。 スティーブンの目的は、もちろん、二人を対決させることである。 果たして、この二人の過去に、どんないまわしい秘密が隠されているのか。 ジャンセンはステラの家へは自分ひとりで行ったほうがいい、と主張し、スティーブンはエイダの店で待つことにする。 ノックをする音に、ステラが戸を開けた。入り口に立っているのがジャンセンだと分かると、彼が中へ入った途端、外へ飛び出して逃げようとする。 「ステラ、どうしたんだよ。そんな挨拶はねえだろ」。 素早くドアを閉められ、ステラは立ちすくむ。 「どうしてここが分かったの?」。 「あれっきりだと思ったのか」。 「これはスティーブン・コードの差し金ね。そうでしょ?」。 「だったらどうなんだよ。彼が切符を買ってくれたのさ」。 「いくらあなたを呼ぼうと話を変えやしないわ。どんなことをあなたが警察に話そうとも」。 「コードなんかどうだっていい。何とかって若僧が何年くらい込もうがオレにゃ痛くもかゆくもねえんだ。オレの目的はそんなんじゃねえのさ。わかるだろステラ」。 ステラのバッグを開けて、サッサとお金を取り上げる彼。彼女はどんな弱みを握られているのか。 ジャンセンが言う。 「手引きしたのはダレだっけ?オレみたいな運転手が一人であの研究所へ入り込めるわけがねえだろ。お前は礼金だって受け取ってるぜ。ところがオレのことをサツにたれ込み二年間も臭いメシを食わせやがった。オレは許さねえ」。 ステラの髪を持って引きずりまわす。ステラは泣きながら、 「いったい何が欲しいのよ!」。 「お前、病院中のいろんなカギ持ってるんだろ?」。 「持ってないわ」。 「たった一つの部屋のカギでいいんだ。モルヒネを置いた部屋だよ。LSDとかコカインだとか、要するに幸せになれる薬さ。オレのために盗め!二年間分をな!」。 「そんなこと私、出来ないわ」。 「出来ないと言いながら、二年間、ヤクの盗みを手伝ったじゃねえか。こんな町とオサラバしてえんだろ?行きがけのダ賃に昔のコンビでやろうぜ」。 「私、警察を呼ぶわよ」。 「ホウ、お前のことを全部話せば、お前の証言なんか、誰も信じなくなるぜ、いいか」。(文・山口 浩) |
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198 1978/11/13放映 偽りの末路 199 1978/11/13放映 逆転 200 1978/11/13放映 プロポーズ |
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ロドニイ無罪となる! ステラに良心があった、ということなのだ。ジャンセンは、まさか彼女が自分の命令に背いて、全てを明るみに出すなどとは思ってもみなかっただろう。 ステラの過去は、彼女が言うようにどす黒かった。ジャンセンは研究所から彼女と共謀して麻薬を盗み出した彼女の愛人だ。 だが、ステラは警察に愛人を売ることで、自分の保全を得てペイトンプレイスに帰って来た。 そしてドクターズ病院に就職し、ロシイ医師との愛をはぐくむかに見えた。 そこへ弟ジョーが死亡する事件が起きて、父までも急死した。ジョーをロドニイが殺したか否かの裁判で、ステラが偽証したのだ。 「ロドニイはジョーを脅したりしなかった……でも私、ジョーに借りがあったし、それからパパにもね。だからその借りを返したのよ」 とステラは言っているが、借りとは、ジョーが姉と一緒に都会へ出たいと言っていたのに耳を貸さなかったり、姉らしいことをしなかったことである。 父には貧しい中で大学を出してもらった恩があり、ハリントン家を憎む父がロドニイを罪に陥(おとしい)れようと、死ぬ間際にも、ステラに徹底的に戦えと言っている。 ジャンセンに再び麻薬を盗めと脅かされた時、それに従うより、全てを告白して罪に服すべきじゃないかと迷った結果、彼女の良心は、正しいほうを選んだのだ。 拘置されるはずのステラだったが、ロシイ医師が保釈金を積んだので釈放された。ステラは警察の前で待つロシイの胸に飛び込んだ。 ステラが偽証していたと知ってファウラー検事は動揺した。 そんなファウラーに"検事の資格なんかない!"と、批判の急先鋒に立ったのはエリオットだ。 彼は自分の新聞の社説で、激しくファウラーを攻撃する。 その社説はイライをはじめ多くの人から非難を浴び、スティーブンも抗議にやって来た。 かえってこの記事が逆効果で、ロドニイ保釈のマイナス材料になると言うのだ。だが、アリスンだけは父の記事を支持した。 「正義について強い信念を持っている人が、勇気を出して自分の信念を述べたのだと私は思うけど」。 結局、心配無用で、ファウラーは告訴を取り下げたのだ。 ついにロドニイは自由の身になる。みんな喜んだ。本人もいまだに信じられないと言う。 なにしろこれは知恵をしぼった弁護士コードの勝利だ。母のハンナは最大の賛辞を贈り、ペイトンもまた、彼の働きを認めるのだ。 そのコードがベティをデートに誘い、こう言った。 「……女王になってくれるかい。一人で国を治められない。一緒に王座に座って欲しいのだ。ベティ、結婚してくれ」。 ロドニイが釈放されると、ベティとよりが戻るかもしれない、とコードは先手を打ったのである。(文・山口 浩) |
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201 1978/11/20放映 人生の借り 202 1978/11/20放映 幸せになりたい 203 1978/11/20放映 たった一人の乾杯 |
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華やかな結婚式 ベティとスティーブンの結婚式が華やかにとり行なわれた。 場所はペイトン邸である。ペイトンが二人のために家を開放したのだ。そればかりではない。工場を含むペイトン家の財産管理業務一切がコード弁護士の手にゆだねられることとなった。そしてコードの母ハンナからは三万ドルもする一軒家をプレゼントされたのである。 パーティーには大勢の町の人たちが招かれた。ロドニイ、ノーマン夫妻、イライ老人、アリスンなどなど、みんなが花嫁ベティの白いウェディングドレスを褒めた。 ハネムーンに旅立つ二人を見送った後、ロドニイとアリスンは海岸へ出かけ、ヨットに乗って大海原で愛を誓った。 アリスンが記憶喪失から回復したからこそ、ベティとスティーブンの結婚式が行なわれた、とも言える。 アリスンがロドニイのことを認めた日、ロドニイはため息をついて言ったものだった。 「アリスン、君のことはあきらめかけていたのだよ」。 あきらめかけていたロドニイは無罪を信じて応援してくれるベティに気持ちを傾けた。寄りかかってくるロドニイの愛を、いつしか期待へと繋げていったベティ。だが、アリスンはやっとロドニイの存在を認め、そして求めた。 ロドニイはベティに対し、 「スティーブンと結婚したら……」 と勧める。ベティはロドニイのこの言葉をどんな気持ちで聞いたか。そしてロドニイをあきらめ、かつての夫との感情を断ち切ってスティーブンの愛を受け入れたのだった。 ロドニイは父との約束で、ペイトン邸に住むが、祖父のペイトンが一流大学に学費を払い込んであるから入学するように、と言うのを断り、母の遺産で、自動車修理工場を買い取り、自分も汗や油まみれになって働くことを宣言する。 ペイトンは修理工場と聞いてガッカリする。 だが、いずれはハリントンの跡を継いでペイトン工場の経営者になるロドニイだ。ペイトンはそれまでに経営者としてふさわしい人間にしたいと考えている。 ハネムーンの帰路、スティーブンとベティの間で、ちょっとしたひと悶着があった。 ベティは結婚してもペイトンのところの勤めを続けると言い、彼はやめて家事に専従しろと言う。 「ロドニイがいるから気になるのなら心配ないわ、思い切ったんだから」 とベティはつっぱねる。 アン・ハワードという女性がペイトンプレイスの町にやって来た。懐かしそうに町中を歩き、夜、岬に立っているのをロシイが目撃している。 そのアンはドクターズ病院に治療室担当として勤め始める。 「君は夜、岬に立っていたネ」。 ロシイが尋ねるとアンはあわてて首を振った。 「いいえ、私行ったことありませんわ」。(文・山口 浩) |
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204 1978/11/27放映 館の結婚式 205 1978/11/27放映 愛への航海 206 1978/11/27放映 岬で見た女 |
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アン・ハワードの過去 広場で目かくし遊びをしている子供たち見ている、一人の若い女性がいた。それは、最近ペイトンプレイスにやって来たアン・ハワードと名乗る女性だった。 彼女はトレーナーとしてドクターズ病院に就職したのである。 子供たちの目かくし遊びを見ていたアンは、やがて歩き出し、ペイトン日報社のドアを押した。 「あのう、昔の新聞を見せて頂けないでしょうか」。 エリオットは彼女を倉庫へ案内する。一九四九年の新聞をめくっているうち、大見出しの"船乗り岬の惨事"を見たとたんアンは倒れかかる。エリオットに介抱されたアンは、すぐに帰って行く。 アンが次に訪ねたのは、弁護士スティーブン・コードのオフィスだった。 「私を忘れた?」 と言うアンに彼は首をひねる。 十七年前、船乗り岬で、クリス・ウェーバーという男の子を突き飛ばしてガケから落としたのがアンだった。だが、その時、子供たちは目かくし遊びの最中で、たまたま彼女が鬼で、あくまで偶然なのだ。 スティーブンは思い出した。子供たちの中に自分もいて、アンがクリスを突き飛ばしたのだと証言したひとりだったのだ。 「責任を感じ、罪を背負って生きてきたのですが、私、疑い始めたの、もしかしてあの事件は間違いじゃなかったのか、それを調べるためにこの町へ戻って来たの」。 そしてアンは、彼に調べて欲しいと依頼する。だが、彼は自分の手に負えない、と断るのだった。 ロシイ医師は最近病院に就職したアンと顔見知りとなり、デートに誘う。デートに応じた彼女は、バーで彼が自宅に来ないかと誘うと、これにも応じてついて来た。 はじめは快調だった。ロシイはアンの美貌と機知に富んだ会話に満足していた。 ふと気がつくと、アンはドアを開けて庭からガケへ進んでいた。 連れ戻そうとすると彼女は顔面蒼白となり異常だった。 「もう一度ガケに立って、忌まわしい過去に立ち向かうことが出来ると思った……でもダメだわ、今でも聞こえる、私を取り囲み、笑ったり叫んだり……私が立っていられないほどフラフラになるまみんなはグルグル廻したわ」。 アンは口走る。ロシイの誘いに応じてこの家に来たのも、自分の過去と対決しようとしたからなのだ。この家はかつて女性が殺され"幽霊やしき"と呼ばれていた。 ここで子供たちは目かくし遊びをして、引っ越してきたばかりのアンを鬼にした。きつく目かくしをされ、子供たちにはやされいつの間にかガケまで来て、悲劇は起こったのだ。そして盲目になったクリスは、ロドニイの修理工場で働くリーの弟である。 スティーブンはアンの依頼を引き受ける決意をした。ペイトンとハンナはアンが戻って来たことを知り、がく然とした。ペイトンはつぶやく。 「神よ、どうかお助けください」。(文・山口 浩) |
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207 1978/12/04放映 目かくし遊び 208 1978/12/04放映 過去を背負った女 209 1978/12/04放映 お前がやった |
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アリスンの愛 ロシイ医師は、ガケの上に立つ女の姿を見た。翌日、その女は病院にいた。病院に勤めたのである。アン・ハワードはしかし、ロシイの問いに、ガケの上になんか行った覚えがない、と否定した。 アンとロシイはいつの間にか個人的にも親しくなり、デートをするようになった。 その夜、アンはロシイの誘いに応じて彼の家へ行く。彼が料理を作り、アンが脱ぎ捨てたシャツをたたむ。 「君のその格好似合うよ」。 二人の胸にインチメイトな気分が流れる。 「ああ、レコードは君のすぐ後ろにあるだろう。今夜の盛大な祝賀会にふさわしいムードのあるヤツを頼むよ」。 「ハイ王さま!」。 「ボクはこの家を借りるまで、自分で料理するなんて考えもしなかったな」。 それからロシイは卵料理に熱中した。ふと気がつくとアンがいない。 「アン?アン!」。 彼女はいつの間にか外へ出て、庭からガケの上へ行っていたのである。 ロシイは叫んで飛び出した。今にもガケの上から落ちそうに思えたからだ。 「どうしたんだ?」。 「来るべきじゃなかった……」。 「震えているよ」。 「わけは聞かないで。お願い、送って!」。 ロシイは確信した。ガケの上に立っていた女はやはりアンだったと。 十七年前に起きた恐ろしい事故――それは子供たちがガケの上で目かくし遊びをやっていて、一人の子供が落ちた。落ちた子は命はとりとめたが失明した。目かくしした鬼に押されて落ちた、と他の子供たちが証言した。押した鬼の子がアンで、それ以来、彼女は事故の幻想に悩まされた。 今回ペイトンプレイスにやって来たのも、その事故と真正面から対決しようとしたからだ。果たして目かくしした自分が押したものかさえも定かではなかったのだから。 そしてアンが依頼した弁護士は子供たちの中のひとりだったスティーブンであった。 ショーラインでは今夜も若者たちが楽しく踊っている。 ロドニイとアリスンたちも来ている。ロドニイの前に立ったのはサンディだった。強引に踊りに誘われ踊っていると、リーが入って来るなりサンディをたたいた。 「何をする!」。 「うるせえや、オレの女房だ!」。 リーはサンディを連れ出す。 「私、お母さんに話したの。お母さんは責任を持った行動をするべきだって」。 アリスンがロドニイに言った。 「私たちのしたこと、間違いだと思ってるわ。でも、どうかお願いよ。私を森に連れてって、ぶっても構わない、あなたにはその権利があるわ。あなたのことをどんなに愛してるか……」。(文・山口 浩) |
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210 1978/12/11放映 波止場で朝食を 211 1978/12/11放映 電話の女 212 1978/12/11放映 ガラスの靴 |
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ペイトンたちの驚き アンはロシイ医師の家で一夜を明かした。昨夜、ガケの上に立ち異様にコーフンしたので彼が鎮静剤を打ち、それが効きすぎ、長いすで朝までグッスリ眠ったのだ。 二人は海岸のチャーリーの店へ朝食に出かけた。 「昨夜はどんなことを言って先生を困らせたのかしら」。 「過去のことをちょっぴりで現在のことはサッパリさ、君が戻って来たのは?」。 「真実を探しにだわ。警察や他の子供たちは"私がクリス・ウェーバーを突き落とした"と言ったわ。私も信じたの。でも今は違う」。 「しかし十七年も経っているんだ、今さら調べ直すのは無理じゃないかい?」。 「警察ってとこは過去の記録を保存してるし、あの時ガケにいた子の何人かは今でもこの町に住んでるわ」。 「でも警察ではあの事件はとっくに片付いたと思ってるわけだろ」。 「ええ、だから私、弁護士に頼むことにしたの」。 「それでスティーブンのとこへ」。 「ええ、でも失敗だったわ、彼もガケの上にいた内の一人だったのよ」。 一度は断ったものの。スティーブン・コードは、アンの依頼を引き受けることにする。 「あの時、君はとても恐がってた。泣いてヒステリックだったよ。だからみんなが君を責めるのは簡単だった。君の押したところも、またクリスの落ちるところも見ていなかった。要するに覚えていないし何が起きたか見ていないんだ」。 「私にとってその一言でも感謝の声をあげたいの。ありがとう、コードさん」。 「それでは調査にかかる前に、二、三お断りしておきたいことがある。君が望んでいるような外部に秘密がもれない調査は不可能に近いこと、君がアン・コルビーだといつか町に知れ渡るってことさ」。 「避けられないことね」。 「もう一つ、君は私に真実を探すよう依頼している。そして少なくとも君は、自分が無実ではないかと思っている。しかしハッキリ言っておくが"やはり君が突き落としていた"場合もありうることだ、もしそういう結果が出ても私はそれを公表するよ」。 一度結婚し、アン・ハワードになったアン・コルビーの出現に、実は恐れおののいている人がいた。 ペイトンとハンナだった。 「いきなりスティーブンのオフィスにやって来たそうです。魅力的な女性になっているそうですわ」。 「ふん、そんなことどうでもいいが、この町へ何しに来たんだ」。 「あなた、もし彼女の父親も一緒だったら……」。 「バカなことを言うな、あの男も一緒なら真っ先にここへやって来るさ。アンだってとっくに大人のはずだ。もう父親の思うがままには動かんだろう。でもなぜスティーブンのオフィスへ?」。 このペイトンとハンナの会話の意味はまったく分からない。だが、次第にその全ぼうが明らかにされると、視聴者はアッと驚くに違いない。(文・山口 浩) |
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◇お断り 毎週、ご愛読いただいている「ペイトンプレイス物語」は都合により、掲載を終了させていただきます。なおテレビでの放送は継続します。 | ||
コラムのページでも書きましたが、「週刊TVガイド 関西版」の「ペイトンプレイス物語」あらすじの連載は以上の1978年12月11日放映分(第212話)をもって打ち切りとなりました。今後、なんらかの形で「週刊TVガイド 関東版」掲載分の情報等が入手出来ましたら、残りと欠けている部分のあらすじを随時更新していきたいと思います。もし情報をお持ちの方がおられましたら、どんなに少なくても結構ですので、メールにて連絡いただけると嬉しいです。 なお、以下のエピソードのタイトルは、当時僕がメモを取っておいたもので、第291話までしかありませんが、参考までに掲載いたしました。第217話から第250話のエピソード(途中抜けあり)は英語ですが、こちらで読めますので、チェックしてみてください。(こん太 2004年11月23日) |
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213 1978/12/18放映 差出人のない手紙 214 1978/12/18放映 忍びよる別離 215 1978/12/18放映 意外な事実 216 1978/12/25放映 スパイ 217 1978/12/25放映 答のない人生 218 1978/12/25放映 過去に口を出すな 219 1979/01/08放映 罠 220 1979/01/08放映 権力者の弱み 221 1979/01/08放映 父の再婚 222 1979/01/15放映 バラバラな家族 223 1979/01/15放映 帰ってきた弟 224 1979/01/15放映 肖像画の秘密 225 1979/01/22放映 17年目の再会 226 1979/01/22放映 真実を知りたい 227 1979/01/22放映 ショーラインの一夜 228 1979/01/29放映 夢の中に住む女 229 1979/01/29放映 夕食のあとで 230 1979/01/29放映 切り裂かれた肖像画 231 1979/02/05放映 立ち聞き 232 1979/02/05放映 新しい交際 233 1979/02/05放映 父、危篤 234 1979/02/12放映 密会 235 1979/02/12放映 父とは知らずに 236 1979/02/12放映 埋葬 237 1979/02/19放映 疑惑 238 1979/02/19放映 二回目の惨事 239 1979/02/19放映 不信の芽ばえ 240 1979/02/26放映 失職 241 1979/02/26放映 甦る記憶 242 1979/02/26放映 秘密の協定 243 1979/03/05放映 中傷 244 1979/03/05放映 深まる誤解 245 1979/03/05放映 夜の侵入者 246 1979/03/12放映 別居 247 1979/03/12放映 兄の告白 248 1979/03/12放映 父の遺品 249 1979/03/19放映 離婚の通知 250 1979/03/19放映 愛に乾杯 251 1979/03/19放映 兄と妹 252 1979/03/26放映 和解 253 1979/03/26放映 28年目の対面 254 1979/03/26放映 崖の下の死体 255 1979/04/09放映 私は裏切った!(2ヶ国語放送開始) 256 1979/04/09放映 死の波紋 257 1979/04/09放映 怒りの追求 258 1979/04/16放映 捜査はじまる 259 1979/04/16放映 逮捕令状 260 1979/04/16放映 君は人を愛せない 261 1979/04/23放映 失踪 262 1979/04/23放映 崖の上の娘 263 1979/04/23放映 故郷よ!さようなら 264 1979/04/30放映 保釈中の出来事 265 1979/04/30放映 失意の人々 266 1979/04/30放映 捜査つづく 267 1979/05/07放映 ?(白黒/セピア・カラー放送終了) --- 1979/05/07放映 これまでの総集編放映 268 1979/05/14放映 過去を燃やす(カラー放送開始) 269 1979/05/14放映 家族という木の枝 270 1979/05/14放映 神の贈りもの 271 1979/05/21放映 召喚状 272 1979/05/21放映 予審はじまる 273 1979/05/21放映 心変わり 274 1979/05/28放映 ロボットの反抗 275 1979/05/28放映 被告の妻 276 1979/05/28放映 秘密の隠れ家 277 1979/06/04放映 森の中の少女 278 1979/06/04放映 憎しみの証言 279 1979/06/04放映 怪電話 280 1979/06/11放映 謎の沈黙 281 1979/06/11放映 頑固な弁護士 282 1979/06/11放映 ? 283 1979/06/18放映 ? 284 1979/06/18放映 ? 285 1979/06/18放映 ? 286 1979/06/25放映 恐いのは自分だ 287 1979/06/25放映 叔父の影 288 1979/06/25放映 証言台の暴君 289 1979/07/02放映 侵入者 290 1979/07/02放映 息子の決意 291 1979/07/02放映 消防車の思い出 |
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