デジカメの写真をきれいに---モニタの階調補正
  最近またデジカメを買いました。薄くて3倍光学ズームがついていることで結構評判になったミノルタのDiMAGE Xです。確かに薄い。今まで FUJIFILMのFinePix 1700Zを使っていました。これだってそう大型ではないが、DiMAGE Xを触っていると1700Zって重いなあと感じます。

  しかし画質はどっこいですね。1700Zは150万画素で、Xは200万画素ですからそれほど解像感は上がらないだろうとは予想していました。逆にXの方が解像感は甘いように感じます。WEBでいろいろ見てもやはりみな甘いと書いているので、評判どうりなのでしょう。これは高域のエンハンスが少ないからかもしれない。1700Zの方が高域増強が強いので、エッジが少し不自然に見えます。
この点Xは画質が自然に見えます。

  しかし、Xの画像は黒が沈んでしまって、風景をとっても明るいところはいいのですが、影の部分は真っ黒になってしまい中が見えません。この種の画像はメリハリがあるように見え、一見くっきり見えるので解像感があるように見えることがあります。
  ミノルタめ、ちょっとひどい絵作りだ、と頭にきたのですが、よく調べてみると他にも原因があることがわかったのです。モニターのガンマ補正がなされていない状態で見ていたからです。
  モニターの入力信号のレベルと発光の強さとは直線の関係にはありません。入力が黒から次第に明るくなっても発光はなかなか明るくなりません。そのうち急速に明るくなります。
これはCRTの発光体の特性でどうしょうもないですね。家庭用のテレビシステムでは、この非直線性を補正するため放送局のカメラ内で補正しています。これはカメラの台数より、家庭内のテレビの台数の方が圧倒的に多いので、全体の経済的効果を狙ったシステム設計のためです。これをガンマ補正といいます。

  パソコンモニターの場合、パソコン側では補正しないし、デジカメ内でも多分モニター対応の補正はしないのでしょうね。このため黒側がつぶれる傾向にあるようです。
  デジカメの画像を扱うソフトではこの補正を自前で行うこともあります。かの有名なAdobeのPhotoShopではGamma Loaderというソフトがあってこの補正を行うようになっています。
  私としては自前で行うことにしました。幸い私の使っているパソコンのグラフィックボードのドライバーには、ガンマ補正ができるようなメカニズムがついていたからです。
  左の写真を見てください。ガンマ補正用のチャートです。モノクロ、赤、緑、青それぞれ独立に調整できるようにしてあります。
  縦の内側3列の正方形を見てください。それぞれの正方形の内側に更に半分くらいのサイズの正方形が見えますか?
(ただこの画面はJPEGで圧縮してあるので、あまりはっきり見えないかも。一部を拡大した物を下に添付しました。
  正しく確認するにはチャートをダウンロードして眺めてみて下さい。チャートはその性格上圧縮してないので、サイズがちょっと大きいです。約630KBあります。)
  下の画面の正方形の中に明るさの違う正方形が見えますか? もし見えるようであれば、ガンマ補正が必要かもしれません。
  ガンマの調整には上のチャートを使います。何らかのツールでこのチャートを表示します。例えばInternet Explorerで表示をします。中央の一番上の正方形に着目します。ここでガンマを変えてみます。これには各自のパソコンのグラフィックボードの調整ソフト等を使います。
外側の正方形の明るさと内側の正方形の明るさが等しくなるようにします。

  この時一番左側の黒とそのすぐ右の10%と書いてあるかなり暗い色が見分けられるでしょうか? 見分けられるようにモニターの明るさ(ブライトネス)を調整します。一番左側の黒はあくまで一番黒くないといけません。
  ちょうどその時一番右側の白と左となりの90%と書いてあるかなり明るい色が見分けられるでしょうか? これも見分けられるようにコントラストを調整します。区別できない時はコントラストを下げます。
  以上の3点の調整を2〜3度繰り返します。つまり、黒と白の部分で区別がつき、中央部の正方形部分はなるべく明るさが同じようになるよう調整します。理想的には中央部縦3列の正方形群部分の外側と内側の正方形の明るさが、25%も75%のところも等しくなります。ガンマ補正の方法が細かいところまでできるものであれば、すべてを等しくできますが、普通は中央部が大体同じ明るさになればOKでしょう。
  こんな調整をした結果、デジカメ写真を見ました。明るさが和らぎ、影の部分の中も見えるようになり、まあまあこんなものかなあ、という具合になりました。ガンマ調整はグラフィックボードのドライバーレベルで行ったので、それぞれ個別のソフトでは行う必要がなくなり、どのソフトで画像を見ても同じようなコントラストで見えるようになり、ハッピーハッピーとなったのでした。

上のチャートの一部分