集団的自衛権、安倍首相は嘘つき

 安倍首相が集団的自衛権について説明する時、いつもおなじみのパネルを出してくる例の日本人らしき母子が米艦に乗って避難してくるのを、自衛艦が護衛する図である。しかしあの図のようなことは実際には起こりえない。

 というのは、米軍には避難民を救出避難させる時のガイドラインがはっきり明文化されているのである。救出避難の順序は、

1.アメリカ国民。つまりアメリカ国籍を持つ人。
2.アメリカ永住権を持っている人。つまりグリーンカードを持っている人。
3.アングロサクソン。つまり英国民、カナダ人、オーストラリア人他。
4.その他。ここに日本人が含まれる。

 つまり、アメリカ人の次はお仲間のアングロサクソンで、日本人は本音では仲間ではないのである。
 韓国には上の1.2.に含まれるアメリカ人が22万人、日本人は2万5千人いるとされている。
一口に22万人というが、大変な数である。千人乗りの船を使用しても220回往復しなければならない。
 こんな時4.の日本人を乗せる余裕なんてありはしない。過去にも日本政府はアメリカに日本人避難を交渉したがはっきりと断られている。要するに避難はその避難民の国籍を有する国がそれぞれ責任を持ちなさい、という事なのである。これは世界の常識となっているのである。

集団的自衛権閣議決定の行く末
 
現状で見ればアメリカの先兵あるいは傭兵になるだけである。いわゆるパシリである。
まず最初は米海軍の護衛である。海上自衛隊の掃海能力は世界一と言われている。米空母の先兵となり護衛任務にかり出される。
 次の段階は陸上自衛隊が中東のどこかに戦闘部隊として派遣されることであろう。米軍も最近はかってほどの力は無い。自衛隊を米軍の下で使いたいのである。かっての戦争の時も米軍は「ショウザフラッグ」とか「ブーツオンザグラウンド」とか言って自衛隊の派遣を強力に迫ったが、憲法を盾にして派遣をやっと断ることが出来た。

 今後はこの手の断り方は出来ない。自衛隊が派遣され他国の人を殺し、又自衛隊員が殺される事態になるだろう。中東の人たちから今までは友人として扱われたが、今後は敵として扱われることになるだろう。

 自分は自衛隊員ではないから戦争には関係ない、と思っている人は考えが甘い。戦場に派遣されることを嫌い自衛隊員がやめる事例が増える。今でも人員の充足率が足りない所へやめる人が増えれば、対策は一つしか無い。徴兵である。年齢によっては、自分が徴兵されるか子供あるいは孫が徴兵されるようになる。アメリカのために家族を戦場に送れますか?

 安倍首相がこのような事実を知らないはずがない。ブレーンの人たちが教育をしているので状況を熟知しているはずである。かよわい母子が乗っていれば自衛隊が護衛するのは当然だ、とあり得ない事例を出してくるような、情実的な訴えはフェアーではない。嘘つきの安倍首相と言って良いだろう。このような事情を知っている人は、あの母子は日本人ではなく日系アメリカ人だろう、という冗談があるのだそうだ。

 記者会見などで、この点を記者が指摘質問をしないのも不思議である。あり得ない状況を用いて情感に訴えるのはおかしいのでは? と記者が質問したら首相はどう答えるのだろうか。
記者諸氏はこの事実を知らないのだろうか。勉強不足なのだろうか。もっと勉強してもらいたいものだ。

 あるいはこの種の質問をすると、記者クラブから追い出されてしまうのだろうか。最近の記者は記者クラブで政府関係者が配布する文章を元に新聞記事を書いていると聞く。独自の取材能力が無くなっているとも聞く。もっと勉強して政府のウソを追求してもらいたい。
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