戦前?のハクキンカイロ

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古いハクキンカイロのページです。
いつの時代のものなのか、はっきりとは分かりませんが多分戦前のものではないかと思います。
その理由は、
1.小判型なので、最初期の頃のモデルである。
2.定価が1円となっており、2004年12月現在の定価(3Rで2,385円)の1/2000以下である。
  (戦前と現在の物価の比は1:800〜1000というデータを参考にしました。)
3.箱や説明書の文が右書きで文体も戦前に書かれたとしてもおかしくない(と思う)。
といったところです。

カイロ本体の箱(左の2つ)と取換綿の箱(右の2つ)です。
カイロの箱には「新型引出式」とあるので、引出式ではない旧型があったのでしょうか?

取換綿の箱の内側には、逆文字のハクキン懐炉の文字や絵なども描かれている凝りよう。
(使用説明書にも模造品への注意が載っているので、取換綿も純正品であることの証かも知れません。)

カイロ本体は紙にくるまれて厳重に封がされてました。
小判型ハクキン懐炉と書かれています。(左)

カイロ本体

火口部

袋は紺色のビロードの様な生地で作られています。
(ビロードとベルベットと別珍は、同じ物だそうです。)

定量器

取換綿の箱の中身(下の四枚はクリックで拡大します。)
朱色の鉤状の棒でカイロの中の古い綿を取り出し、

3つに分かれている取換綿の内、紙にくるまれていない2つを先に入れて左右に寄せ、
最後に紙にくるまれている綿を、綿に直接触れぬように注意しながら真ん中に入れる手順の様です。

取換綿は一五銭,角形一円五十銭,角小型一円四十銭,換火口二十銭,眼炉一円とあります。
小判型の値段が載ってませんね。
眼帯のように眼にあてられる懐炉もあった様です。

最後に私が一番感動した取扱説明書です。
本当に良く出来た説明書だと思います。
表紙に「邦華欧文」とありますが、「華文」と「欧文」は最後に2ページずつ書かれているだけです。


上部の「プラチナの神秘」,「白金綿の誕生」,「火口を触るな」,「大切に使用せられよ」などの見出しが良いですね。
(拡大します。)

当時から模造品があったようです。
最後の「以上御不審の点が有りますれば発売元へ直接御申し聞け下されたく幾度にても御得心参ります迄御説明申し上げます。」
の1文が泣かせてくれます。
(拡大します。)

華文は、17,18ページのみ

所々に、「ハクキン」「HAKUKIN」の型押しがしてあります。
上の2枚の画像も良く見ると分かると思います。
(拡大します。)

終わり

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