PIANOと私(2)

かわいそうな私のピアノは、その後誰にも弾いてもらえず、実家の廊下に出されて、20年近くも眠る事に!!!
私はその間、1度もピアノの蓋を開けたことはありませんでした。
私のその後は、ピアノとは全く縁のない日々が流れます。
高校、大学、そして結婚、出産、子育て・・・と平凡だけれども、それなりに忙しく、それなりに幸せな生活。

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そんな私が何故?再びピアノと出会い、あんなに嫌いだったはずのレッスンを始めたのか?
そして、今、ピアノと過ごす日々が楽しくてたまらない私。
そのきっかけを作ってくれたのは、娘であり、そして、ステキな先生との出会いがあったからです。

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平成元年に生まれた娘は、今小学6年生。
引っ込み思案で、私の傍から離れられない2歳違いのお兄ちゃんとは違い、とても活発で、人見知りもしない赤ちゃんでした。
そして、音楽が流れてくると、自然と体を動かして、踊り、歌う・・・
心の底から、音楽が楽しくて仕方ないというような子でした。

自分の昔の思いが、残っていた私は、子供にピアノを習わせたいと思う気持ちが、なかったのですが、
実家のピアノをおもちゃにして遊ぶ娘は・・・
普段はどちらかというとあきっぽい性格にもかかわらず、
ピアノの前では、1時間でも、2時間でも座って、でたらめな歌を口ずさみながら、鍵盤をたたいる子でした。

そんな娘が、とうとうピアノを習いたいと言い始めたのは5歳の時でした。
もともと、クラシック好きな主人は、自分でもショパンのノクターンなんかをたどたどしくも、弾きこなす人でしたから、
娘がピアノを始める事には大賛成です。
初めは、電子ピアノでの練習でしたが、嬉しくてしかたない娘はハイ・スピードで次々と曲をあげていき、
4ヶ月弱で、バイエルを終らせてしまうほど、ピアノに夢中!!!

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「ママ、弾いて、弾いて」・・・とリクエストされて、
やさしい小曲を弾くと、「うわあ〜ママ、初めて弾くのになんでそんなに上手なの?」
なんて、ほめられれば単純に嬉しくなってしまう私です。
・・・もっと、弾いてみたい気分になってきます。
実家に置いてきた、ショパンのレコードを持ってきて聴いたり、
昔の楽譜をさがして、音をひろってみたりするようにもなって・・・。
娘と、「コンサートごっこ」といいながら、自分のレパートリーを弾きあったりして遊んでいると、
楽しくてどんどん時間が過ぎていきました。

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1日に何時間でも、ピアノにむかう娘と一緒にいると、
だんだんとピアノに惹きつけられて行く私自身に、気づき始めていました。
娘のピアノに対する気持ちは、私の幼い頃とは違っています。
ピアノに対して、心を開いて楽しんで弾く、という感覚が、私には欠けていたようでした。

その頃、小さいけれど念願のマイホームへの引越しが決まり、
実家で眠り続けていたピアノを運んでくることになりました。
なんせ、20年近くも調律もしていませんから、ひどい状態です。
鍵盤は押したら戻らないし、ペダルもガタガタです。
ピアノのお医者さん!・・・調律の方が丁寧に治してくださり、
グランドピアノのステキな音色は、よみがえりました。
高音の輝き、深みのある低音。
その日、ピアノの響きが新築の我が家の中で、一番輝いていました・・・

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娘はピアノが来てから、これは私のピアノよと言い張り、ますます張り切ります。
そんな娘の姿と、娘の先生が一生懸命レッスンしてくださる姿を見て、
もう一度、ピアノが弾きたい・・・今度はきっと、楽しんで弾けるだろうし。
・・・と思う気持ちが強くなっていきました。

娘と一緒に、音楽の道を歩いてみたい・・・
再出発の駅は、すぐそこに見えていました。




いつも元気一杯!!!
リリーの娘・えりぴ〜のこと、もっと知りたい人は、えりぴ〜のHPへどうぞ!
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