なつかしい街・・・
母の用事に付き合って、運転手役。
なつかしい・・・K市。
この街は、私が幼稚園〜小学校時代を過ごした街。

すごく、なつかしい・・・。

あの頃住んでいた、アパートや社宅。
なぜか、あの頃のまま・・・。
同じ姿で、残っていた。



幼い私が、どっかの木に登ってこっちを見ていそう・・・。
スカート、ひるがえして自転車に乗ってる、
ひざ小僧に赤チンの女の子!
それは、私・・・?

今にも、タイム・スリップしてしまいそう・・・。
過去への時間旅行。
どらえもんがいたら、連れて行ってくれそうだね・・・。

あれから、
どれだけの時間が過ぎていったんだろう・・・?
たくさんの人との出会いが会って、別れもあった。
結婚して、お母さんになっている。
2人の子どもたちは、
もう、私がこの街で過ごしていた時より、成長した。



1日だけでいいから、
あの日に帰れたら・・・
何をしよう・・・?
働き盛りの父、若々しい母、
しっかり者だけど、やんちゃで可愛い弟、
スピッツが混じった雑種の、『シロ』、
そして、
お転婆娘がひとり・・・。

母が作る、お味噌汁の匂い・・・。
お豆腐やさんの、ラッパの音・・・。


『夕飯が出来るまで、ピアノしなさいよ〜!』

いやいや、弾き始めるピアノの音・・・。
ブルグミュラーやソナチネ。



そんな、
ささやかな、平凡な、毎日が幸せだった頃・・・。
暖かい家族に囲まれて・・・
ぬくぬくと・・・ココまで来た私。