ご無沙汰・・・。
数日前から、検査入院で病院にいる母を見舞う。
母と会うのは、実は久しぶり。
電話で声は聞いていたけれど、実際に顔を見るのは・・・何日ぶりだろうかって位。
車で5分の近さであるだけに、いつでも会えるとばかりに、
忙しさに振り回されて、実家へはご無沙汰だ。
いつも思うけれど・・・私は親不孝ものだ。
やれ、ピアノだ、バイオリンだ、コンクールだと言いつつ、
実家に顔も出さずに、何ヶ月も過ごしてしまう。

***

何だか、昔のようには母としっくり行かない。
何となく、母の存在自体もうっとうしくて (本当にごめんなさい)
実家のムードすら、逃げ出したくなる気がする・・・。
どうして・・・?いつから?こんな風になってしまったんだろう?
私の結婚前の数年間・・・。
母とあんなに・・・。
姉妹のように、親友のように仲が良かったのに。。。わからない。
わからない。本当にわからない。
正直。あの頃の私には・・・もう戻れない気がする。
優しい・・・娘にはもう戻れない。
悲しくて、悲しくて・・・つらい時もあるのに。
やっぱり、それでも母のところへは素直に飛び込んでは行けない。

思えば、私は小さい頃・・・。
母が大嫌いだった。
世の中の誰よりも、母が嫌いだった。
世間体ばかり気にしている、スパルタ教育ママ。
小さい頃の記憶。本当に怒っている母の顔しか思い出せない。
母の存在は私の中で、『絶対』だったから、
間違っても反抗なんて許されなかったし、出来なかった。
母の前では、いつも良い子を演じる私。
陰で、どんなワル・・・だったかなんて母は、今でも知る由もない。
母の選んだ人と、お見合いで結婚して、
2人の子どもに恵まれ・・・。
忙しい主人に代わって、一緒に子供たちを育ててくれた母。
でも・・・何かが変った。何かに気付いてしまった私。
初めて母に反抗した。反抗出来た時。既に、私は30を過ぎていたけれど。
全てが許せなかった。もう、母のいいなりには生きて行かない。
母の人形を・・・卒業する。
母を・・・立ち直れないほど、傷つけてしまいそうだから、
離れていたい。
いないと・・・思いたいの。
ごめんなさい。


***


それでも、血の繋がった親子には、
不思議な力があるらしい。
どんなに、憎んでも、傷つけても・・・やっぱり、その中にも愛がある。
親子の愛・・・。
母だって、もうそんなに若くないもの。
私が・・・我慢すれば。それでいいのかも。
悲しい思いをさせては・・・いけないね。
おとな気ないよな。

一回り、小さくなったような母を見て、そう思った。
昔の私に、少しでも近づけたらと・・・。