星に願いを・・・。

夜・・・。

犬の散歩に出かける時、習慣になってしまっている事がある。
それは・・・。空を見上げること。そして星を探す・・・。
子供じみたことかも知れないけれど、
星が見つかれば、1番輝いている星が見つかれば・・・
それを、父と思う。
きっと、あそこで、私を見ていてくれてるんだよねって、
心の中で、父と会話をする。
誰も知らない父と私のやりとり。

夜だもの・・・涙がこぼれても見つかる事もないよね。

夕暮れ迫る商店街は・・・切ない想い出。
ただただ切なくて切なくて・・・。
泣きたい気持ちを抑えていた・・・。
もう・・・2年が過ぎたんだね・・・。
大切な大切な時間を、黙々と刻む音だけを感じていたあの頃を、
・・・ふと思い出す。

誰かがそばに居てくれたら、いいけど。
と、あの頃も同じように、犬と一緒に星を見上げていた。
病院から遠ざかれば気持ちは少し切り換わり、
母になり、妻になれた。
明日のために家路につこうとしている私がいた。

どうしてこうなってしまったのか・・・。
ベッドサイドで固まってしまうだけの自分が情けなかった。
どうして、なにもできなかったんだろう・・・。

もっともっと・・・。

なにか出来たはずだよってね。
今でも、思う。

私は、けっしてお父さんっ子ったわけでもなかったし。
多感な年頃は、父との会話も少なかったはず。
でも、何となく父とは・・・
心はいつでも通じていた気がする。

もっと、一緒にいたかった。
もっと、話がしたかった。



父のことを思い出して、切なくなる時、
胸が痛む時、
ああ・・・今、私の傍に父が来てくれてるんだなって感じる。
父に守られているんだなって感じる。

私は、もう泣いたりはしないけれど、
時々、怠けていたら叱って欲しい。
そして、いつまでもそこで私を見ていて欲しい。

今夜も・・・どうか、会えますように。