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プレス機の使い方や手入れ方法について

フェルトをエッチングプレス機に巻いて使う方法を教えてください。

紙シワや摺りにブレが生じたりした時の対処法としてフェルトを巻いて摺る場合があります。
トラブルがでたとき試してみてください。

・フェルトを強くひっぱりながら2本のパイプの下を通します。
・フェルトの手前のパイプの上を通してもどします。
・もう一本のパイプの下をまわして跳ね上げます。
・フェルトがたるまないように注意してください。








トラブルが起きた時だけでなく日常的に使用していただいて結構です。きっとよい結果が得られるはずです。


エッチングプレス機の左右の圧の調整方法を教えてください。

幾つか方法がありますが、一番簡単で確実なやりかたをご紹介します。
①ベッドプレートを中心に持ってきます。
②フェルトをプレス機からはずします。圧は抜いたままです。
③短冊状に切った薄い紙(ロール紙など)を3枚用意し両端と真ん中に置きゆっくりと両方の圧をかけてゆきます。紙が挟まる瞬間が分ります。   
その位置をマジックインクでネジと本体に印ます。








フェルトの種類と銅版画の技法によっての選び方について教えてください

フェルトの種類は一般的に3種類(並フェルト・純毛フェルト・ラシャ)が手に入りやすいものです。灰色の並フェルトは摺りに抜けが出ることがあるのでお勧めしません。純毛とラシャを組み合わせて使っている方が多いです。枚数は作家の技法や好みで決めているようです。
ラシャは織フェルトとも呼ばれています。

技法によってこれでなければならないというような決まった方法はありませんが、プレス機をご購入された方にお勧めしている種類と枚数についてご紹介します。
    
    小型プレス機をご使用になる方で細かい調子の版をつくられる方はラシャ2枚。
    中型プレス機は純毛とラシャ1枚ずつ。
    大型プレス機は純毛1枚とラシャ2枚。
    腐食が深くてざっくりとした摺りがお好きな方は純毛2枚。

 使用する紙や技法でいろいろと工夫してみてください。


フェルトの保存について教えてください。

フェルトは作業が終わったら型崩れしないように注意して乾燥させます。
長く使わないフェルトは防虫剤といっしょに保存します。


フェルトの一部が糊(鴈皮摺り)で硬くなってしまいました。

たくさんの鴈皮摺りをした時などは、糊がフェルトまでとおってしまい硬くなることがあります。
摺る時にロール紙を載せておくとロール紙が糊分を吸ってくれるので予防できます。

硬くなったフェルトは、お風呂の残り湯で踏み洗いし風呂の蓋の上に形が壊れないように気をつけて干します。その後で板の上で平らにして陰干しします。


変形した版や小さい版がうまく摺れません。紙にシワがはいったりします。

変形した版などは、フェルトのゆがみなどが紙のシワとなってあらわれやすい傾向にあります。プレス機の両端におなじ厚みの銅板を版の長さ分だけで良いので置いておくと防げます。
紙に対して版を菱型に置いたりする時も効果的です。


エッチングプレス機のベッドプレート(鉄)が長く使っているうちに反ってしまいました。

薄い鉄板は長期間使用すると反る時があります。
反ってしまった鉄板については、以前は裏を使う方もいましたが取り換えた方が良いでしょう。
リン版画工房では小型・中型プレス機に鉄板より高価になりますが復元力のある樹脂板をお勧めしています。

鉄製ベッドプレートのさびが気になります。

使い込むと気にならなくなりますが、気になる方は厚みのあるアクリル板を載せて使用すると良いです。見当を入れる事も出来て便利です。


銅版がローラーを抜ける時にガタンとすごい音がします。問題ないでしょうか。


銅版が厚い(1ミリ以上)と音がするときがありますが、あまりに大きい音のときはプレス機の左右端にあるベッドプレートの受けの位置が低くすぎるかもしれません。通常はわずかに下ローラーの位置より低く設定してあります。
受け金具の調整が出来るか購入したメーカーに問い合わせてください。
リン版画工房の販売しているプレス機は受け金具が調整できるようになっています。出荷時に慎重に調整してあります。工房のプレス機は長く使っていますがこれまで一度も調整したことはありません。下手にいじるとよくありませんのでご注意ください。
調整の仕方はスパナで緩めて上に上げてください。上げすぎるとプレス機に負担がかかりますので注意してください。

小柄なので学校の中型プレス機は、ベッドプレートが高くて使いにくかったのですが、高さは変えられますか?

一般的なプレス機のベッドプレートは高さが85センチぐらいです。多色刷りなどは見下ろすぐらいが作業し易いです。使用する方に会わせて、制作し易い高さを1センチ単位でオーダー承ります。また幅や長さも設置場所に合わせて承ります。




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