銅版画の刷り  エッチング・アクアチント編

○銅版画プレス機購入に際して気になることはやはり刷り能力でしょう。
 大型プレス機と同じというわけには参りませんが、小型エッチングプレス機の刷り能力の参考になれば幸いです。

紙は水を張ったバットにつけて湿します。
条件を厳しくする為に堅い紙のアルシュ紙を使います。
3分ほど水につけて吸い取り紙に挟んで重い本を載せて
30分ほどなじませました。

                 銅版画プレス機ご購入に際して注意する事
 
銅版画を持続して制作するためにはやはりプレス機が必要です。しかし価格や重量などの問題があり気軽に購入することは難しいことです。
 また、一度購入・設置すると気軽に買い替えや移動などは出来ません。使っていない時は邪魔なものです。また廃棄するにも重くて大変です。自分の技法・設置する場所、ずっと続けて制作出来るか考えてプレス機を選び購入される様にして下さい。
 大きな作品を作られる予定の方はやはり最初から大型プレス機(新日本造形製がオススメ)を購入された方が良いでしょう。
 あまり大きな作品を作らない方や、近くに貸工房などの大型プレス機を設置してある施設があり自宅では大きな作品を摺らない方にはこのプレス機は目的に適っていると思います。
 ベットプレートも樹脂製で軽いので使わない時は立てかけてしまっておく事も出来邪魔に成りませんし(倒れてこないように十分注意してください) 成人男性の方なら1人で持ち運び出来ます。   
 
  大切な事は、いろいろな事を良くご検討される事です。ご質問等お気軽にどうぞ。

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あえて厳しい条件で摺ってみました。
家庭で気軽に使える軽量・安価を目的に作った小型プレス機としては十分な機能を備えているごとがご理解いただけたと思います。

注)銅版画を制作している方には摺り手によって作品の摺りに違いが出きる事がお分かりのことと思います。

この実演には17年の刷り工房としての経験がプラスされています。よってすべての人に同じ刷り結果が得られる事を保証するものではありません。
 

拡大図

アルシュ紙の粗目のテクスチャーはやはり良いですね。

小型プレス機の使い方のコツ

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プレスの条件はエッチングと同じです。
フェルトは純毛フェルト1枚。
紙はアルシュ紙です。

○ 版画家・佐藤しおりさんの 「あまつかぜ」 を使わせていただきました。

粗目のアルシュ紙に純毛フェルト1枚という
厳しい条件でしたが線の抜けも無く
刷れました。
淡いアクアチントが大型プレス機で刷った時よりも薄い感じがしましたが上ローラーが軽い為、やむをえないでしょう。
 (十分の一以下の価格・重量ですから。)
織フェルトを使ったり、BFK紙やハーネミューレ紙などの刷りやすい紙をもっと長い時間水になじませたりしたならばもっとよく摺れます。
 しかし、プレス機に対して適した銅版サイズがやはりあります。あまりに大きな作品は大型プレス機と同じすりというわけにはいかないでしょう。
大型プレス機のご購入をご検討ください。

摺っている紙サイズは346×250mmです。
最大B3(364×515)サイズ程度の紙は摺れます。
 版サイズはもっと小さく (技法や紙質、インクの軟らかさ、摺り手の技量などにより摺れる最大版サイズは変わります) なります。

プレス機の圧は軽く回せる程度の圧で摺っています。
 もう少し強くした方が良いかもしれませんが、圧のかけ過ぎは版にも良くありません。ほどほどの圧でまずは試してみました。

右写真は、設置の参考にご購入者からメールで送っていただいた写真です。 下の台は市販の引き出しだそうです。(きちんと固定してあります)
 設置した時の雰囲気が良く分かります。どうもありがとうございました。

堅い粗目のアルシュ紙が原因で、やはり細かい所が大型プレス機よりもなめらかには摺れませんでした。しかし織フェルトを使って目の細かいBFK紙などに摺ると十分良い結果が得られると思われます。

メゾチントには上ローラーをムクに変更なさる事をオススメします。

インクは上記インクにリトインクの黒10%足して
プレートオイルNO2で少し軟らかくしました。

小型プレス機の使い方のコツ

汚れ防止の為に下に白いロール紙が敷いてあります。
条件を厳しくする為にフェルトは純毛フェルト1枚のみ使用。
プレス機の上パイプ2本に巻きつけて刷ります(フェルトがたるまない為に刷り上りが良くなります。試してみて下さい)

楕円の形をした版です。変形した版はプレスにゆがみ等があればすぐに刷りに影響します。
メッキしてあるためシルバー色をしています。
寒冷紗と人絹を使ってふきあげました。

インクはグラフィックケミカル社の
NO135C Stiff Black インク
(拭き取りやすいかるいインクです)
油も混ぜずに缶100%で使用します。

○プレス機お試し無料貸し出し

●購入希望者でスペースや使い易さを確かめたい方にはプレス機を無料で貸し出し致します。
  実際に部屋に設置して、自分の作品で確かめてください。
  (貸し出しは無料です。送料のみご負担ください。貸し出し期間は一週間とさせていただきます)
  また、お近くの方は工房に見に来てください。(要連絡。貸し出していて無い時もあります)
  

メゾチント 編

下に敷いた白ロール紙はプレス後のシワの出来方により、プレス機の圧の左右の違いやその他のプレス機の問題点も教えてくれます。