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革命児・信長 上/下
著者 谷恒生(たに こうせい)
出版社 (文庫)河出書房新社
(単行本)KKベストセラーズ
ISBNコード(文庫) (上)4-309-40528-2
(下)4-309-40529-0
値段 880円(上下とも)
発行日 1998年3月4日
メモ
著者の谷恒生さんが一等航海士でいらっしゃっただけあって、貿易・海外視点の強い作品です。
若き信長に魅かれ、援助し続ける堺の商人と、智謀の限りをつくして信長を支える千利休が中心に描かれています。
先物買い、先行投資のつもりだった堺の商人が、いつの間にか利益をどがえしして信長を援助しようとするところがいいですね。
そして千利休大活躍です。こんなに怜悧な雰囲気を漂わせる千利休ははじめてでした。
海を渡る風のように颯爽と駆け抜ける信長も必見!(必読?)
続編『千利休の謀略』とあわせてお読みください。(ただし、秀吉好きの人にはおすすめしません)
入手方法
品切れ重版未定です(涙)
なのに続編の『千利休の謀略』(小学館)は在庫があるっていう理不尽があっていいのか!
しかも、古本屋で見た事ないです。普通の図書館でも見かけません。
私はネットで半年ねばりました。
こちらの文庫は、KKベストセラーズ『信長、大志を生きる』と『信長、華か覇道か』を改題したものです。
岐阜城資料館と安土城考古博物館にて所蔵確認済み。
千利休の謀略
著者 谷恒生(たに こうせい)
出版社 (文庫)小学館
ISBNコード(文庫) 4-09-403771-3
値段 638円
発行日 1999年12月1日












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戦国の風
題名 戦国の風
著者 谷恒生(たに こうせい)
出版社 講談社
ISBNコード 4-06-185235-3(文庫)
値段 563円(文庫)
発行日 1988年10月(単行本) 1992年9月15日(文庫)
メモ
谷恒生氏の初の時代小説だそうです。

主人公は倶梨伽羅屋弥九郎こと、若き日の小西行長。
弥九郎は信長公の密命を受け、堺からマラッカへの貿易船を出すこととなった。
しかし、同時にその船には浅井長政の遺児、万福丸を乗せていた。
信長公の執拗な追跡を振り切り、海外へ逃がしてしまおうと云うのである。
彼らの行く手を阻む荒れ狂う海、次々と襲い来る海賊、弥九郎の命を狙う刺客達。
弥九郎は万福丸を逃がすことが出来るのか。
そして彼に課された密命とは…

相変わらずセンス無い解説ですみません。
カッコイイです、小西行長・・・・小西隆佐の息子、程度の認識しかなかったのですが
(思考回路が信長公基準なので、秀吉時代に有名な行長より、堺の豪商の隆佐の方が、管理人内では上(笑
腕は立つし、カリスマはあるし、男気はあるし、商売も上手い、女にモテて、でも遊ばないところがまた憎いですな(笑
船上での生活で、逞しく成長していく万福丸が、健気で愛らしいです。
同じく生き残った長政ちゃんの末妹の右京姫も芯が強くて可愛いし、用心棒としてついて行く朝倉の旧臣源三郎も良い男だ(涙
で、
肝心の信長公ですが、最終章でやっとご登場。
全部で15ページくらいしか、お出になられませんが、読んでるこっちが恥ずかしくなるくらいカッコイイです。
「口髭をたくわえた細面の刻みの鋭い貌は、晴れやかで、
 若々しい微笑をふくみ、あくまで颯爽としていた。」(343項
「信長は匂いやかな微笑を、雷鳴をはらんだ不穏な天界に投じた」(345項
とか、公を描写する一文字一文字が素敵すぎてたまりません。
匂いやかな微笑って・・・・・・・・・・(悶絶
帰港した弥九郎を、浜辺へ出迎えた公が、一言、
「達者か」
と尋ねたのに応じて、弥九郎が、
「お二方とも、御達者でござります」
と答えた場面は、公の御深慮、御心遣いの全てが詰まっているようで、万感胸に迫るものがありました。

入手方法
単行本、文庫とも品切れ重版未定。文庫なら古本屋にあると思います。