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蒲生氏郷 上下
  題名 蒲生氏郷
著者 童門冬二
出版社 学陽書房
ISBNコード (上)978-4-313-75234-4
(下)978-4-313-75235-1
値段 780円+税(上下とも)
発行日 2008年4月21日
メモ
蒲生氏郷の一生。岐阜の人質時代から、最期まで。
武勇に秀で、風雅にも通じ、経済感覚にすぐれた名将で、
人使いの上手、御屋形様の真の後継者はこの人であったかもしれません。
という感じの話でした。
でも、鶴ちゃん(氏郷)の本のはずなのに、近江商人の仁右衛門が主人公みたいでした。
仁右衛門がいい男すぎて、出来た人すぎて泣けました。
とりあえず、独眼竜とみっちょん(三成)は良い人に書かれていないのでお気をつけ下され(笑

信長公の切った爪を、拾えと云われて、
それを、後生大事に持っている鶴ちゃんが大好きだ!!!

◆入手方法
1987年に『近江商人魂』というタイトルで単行本が出て、96年に学陽書房から文庫化。
さらに、2000年に集英社から『全一冊 小説 蒲生氏郷』というタイトルで文庫が出て、
2008年に学陽書房から文庫版が再版になったようです。
集英社と再版の文庫は、大きい本屋になら置いてあると思います。なかったら注文してあげてください(笑












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清須会議
清須会議 題名 清須会議
著者 三谷幸喜(みたに こうき)
出版社 幻冬舎
ISBNコード 978-4-344-02197-6 (文庫)978-4-344-42055-7
値段 1400円+税 (文庫)571円+税
発行日 2012年6月 (文庫)2013年7月
メモ
清洲会議前後の5日間を、関連人物のモノローグ(と議事録)で描いた歴史小説。
ですが、三谷さんの本ですので、歴史小説というより、喜劇の戯曲。と云った方がいいかも。
帯には、猛将柴田VS俊英秀吉。と、書いてありましたが、個人的には、

柴田がへたれすぎて泣ける・・・

いや、カッコ悪さを通り越して、逆に愛おしくなってくるレベルのへたれっぷりで素晴らしいです。
それを参謀として支える毒舌五郎左(丹羽長秀)が、苦労して苦心して苦闘するんですが、
やはり悪辣秀吉の策謀に、罠と知りながら乗らざるを得ない苦悩がこれまた素晴らしい。
そりゃ胃悪くなるよ。と納得の五郎左でした。
秀吉のブラックさはもう言わずもがななので省略。
恒興ファンは要注意。
なんだか御屋形様への愛が感じられないし、軽薄すぎて凹んだ。でも出番は多くてしぶとい(笑
利家ファンも要注意。
何故か柴田について清洲へ来ているとっしーですが、優柔不断というか、日和見というか、むしろ何しに来たの?
くらいの活躍のなさで凹みました。だったら、佐々つれてきて、おもいっきり秀吉に突っかかって欲しかった。
信孝は優等生くさくて普通。
おかげで信雄の、五郎左曰く「リアルうつけ」っぷりが際立って大変良かったと思います。
もう何というか、かばいようのない

バカ。

流石過ぎる。期待を裏切らない信雄は天晴れでした。
黒田官兵衛の秀吉に対して、下手に出てるんだけど、どこか、上から目線な感じが、
この後の二人の関係を暗示しているようで好きでした。本編には全く関係ないですが。
まあ、清洲会議なので、秀吉の大勝利なんですが、三法師の行く末さえ知らなければ、影の勝者は松姫かな。
と、思える結末でした。そして、女は怖いな。という。
そして、何といっても最大のインパクトは、

鬼畜お市の方様。

さすが魔王の妹。鬼すぎる。
柴田が哀れすぎて可愛くなるのは、すべてお市様のおかげ。



信長公は、冒頭、本能寺の変のモノローグでご登場です。
火が回ってきた、熱いな。
目がかすんできた、そろそろ切腹するかな。
いてて。
とか云っちゃう上様でも大丈夫な方は、最初5ページだけでも立ち読みしてください。(たぶん続きが読みたくなる

◆入手方法
出版社在庫有ります(2012年12月現在)












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 決戦の時 上/下
タイトル 決戦の時
著者 遠藤周作(えんどう しゅうさく)
出版社 講談社
ISBNコード 単行本(上下) 文庫(上下) 単行本
(上)4-06-205038-2 (上)4-06-185755-X 4-06-261804-4
(下)4-06-205039-0 (下)4-06-185756-8
値段 1325円 580円 2854円
発行日 1991年5月 1994年9月15日 1996年3月
メモ
遠藤周作の戦国三部作の第2作目。ちなみに第一作は『反逆』第三作は『男の一生』です。
さて、主人公はもちろん信長公です。……いや、秀吉かな?
前半は信長公の主観が多いのですが、後半はほとんど公の心のうちは描かれないので、
(その分、孤独なお姿が際立ちますが)全体的に満遍なく出てきて、心情も吐露してくれる秀吉が主人公のような気もします。
物語はうつけ時代から長篠の戦い直前まで。
作品が書かれた当時、一般に知られるようになった『武功夜話』という資料をベースに描かれています。

己が殺されぬ為には、相手を殺さねばならぬ。
権謀術数の限りを尽くし、だが結跏趺坐し、死の覚悟をしようとする信長。
弟を殺し、一族を討ち滅ぼし、今川を退け、美濃を併呑した信長に天下統一の志が芽生える。
その下で陰日向無く働き、次々と手柄を立てていく秀吉と、秀吉にほれ込み、これを支える蜂須賀小六はじめ川筋衆の活躍。
浅井を滅ぼし、国持ち大名にとりたれられた秀吉の心にある思いが湧く。
俺はいつか信長公と雌雄を決する日が来るかも知れぬ。
秀吉が自分と同じ対武田の方策を考えていたことを知り、信長はふと思う。
この男、いつか余に謀反をおこすのではあるまいか。
目の前に迫る武田との決戦、そして天下の行方は…

女性に対して非常に優しい信長公ですが、決して表向きのことに口を出すなと、男の世界と峻別する公が印象的でした。
心を許し、唯一甘えられる吉乃にも、余は向後魔王となる故、如何なる非道をしようとも何も言うな、
という場面がとても切なかったです。

入手方法
3種類とも品切れ重版未定。文庫版なら古本屋でよく見かけます。ネットになら数点出品されています。












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下天は夢か(全4巻)
著者 津本陽(つもと よう)
出版社(文庫) 講談社
ISBNコード (1)4-06-185058-X
(2)4-06-185059-8
(3)4-06-185060-1
(4)4-06-185061-X
値段 680円(4巻のみ700円)
発行日 1992年
メモ
『織田信長3大小説』その3。
1992年NHK大河ドラマが『信長』になったのも、
その時歴史が動いた『日本の歴史を動かした15人』のアンケートで信長が堂々の1位に輝いたのも、
この本のおかげです(たぶん)
日本経済新聞に連載されて、大ぶれいくしました。
ちょっと文章が説明くさいのが気になりますが・・・一番の読みどころは、『名古屋弁の信長』です!
よくぞやってくれました。
(だってイメージが一気に崩れそうだもの。やっとかめだぎゃぁ、とか、えびふりゃぁ(?)とか)
活字だといまいち感じが出ない気もしますが、尾張人の私の頭の中では見事に信長が名古屋弁喋ってくれてます(笑)
入手方法
文庫は在庫あり。単行本(日本経済新聞社刊)は品切れ重版未定。
これも手に入れやすいですね。
普通の書店の棚はもちろん、ネットにも古本屋にも図書館にもあります。
古本屋だと100円で売ってると思います。