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濃姫のひざまくら
タイトル 濃姫のひざまくら
著者 富田源太郎
出版社 三九出版(発売元扶桑社)
ISBNコード 4-59405424-2
値段 1300円
発行日 2007年7月
メモ
輿入れ〜本能寺直後まで。

ものすごく淡々とした小説でした。
作風でしょうか、虚飾を削ぎ落としまくった、心理描写の少ない、想像力を試される本でした。
濃姫様が軍師的ポジションでなくて、御屋形様が無垢な濃姫様を表の戦や政争には
触れさせないよう、大事に大事にしているので、年表上の事象はあっさり過ぎ去っていきます。
初恋の人の光秀が絡みかけますが、そんなの関係ないくらいお二人がラブラブで
非常に満足です(笑
タイトル通り、御屋形様が濃姫様のひざまくらに、安息を得ているお姿もよかったですが、

「お濃!お濃!引越しじゃ!!」

と、濃姫様を一人連れ出して、馬に乗せて
新城まで駆けて行ってしまうシーンがすごく素敵でした。

らぶらぶばんざい。

入手方法
絶版です。重版未定ですらないのか・・・orz
古本屋さんかネットで探してみてください。店頭にある本屋さんは、もしかしたらあるかも。












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信長・曹操殺人事件
信長・曹操殺人事件 (実業之日本社文庫) タイトル 信長・曹操殺人事件
著者 風野真知雄(かぜの まちお)
出版社 実業之日本社
ISBNコード 978-4-408-55188-3
値段 574円+税
発行日 2014年10月3日
メモ
お話は現代。
某有名大学の、三十代で教授となったやり手教授が放った、

「織田信長の人生は、三国志の曹操のパクリだった」

という説が、世間を騒がせていました。
主人公はその教授が連載を持っている歴史雑誌に、同じく寄稿している、歴史研究家の月村弘平。
その教授の研究室に矢が射込まれたのに続き、講演会では火縄銃が発射され、ついには殺人事件が・・。
警視庁に勤める月村の恋人、夕湖が事件を担当することになり、
月村も次第に一連の事件に巻き込まれていきます。
で、
この後を書いてしまうと、ミステリーのネタバレなのであしからず。
本文では、その教授の説として、上様と曹操さんの相似点がいろんなエピソードを使って語られます。
が、直接登場される訳ではありません。
登場する信長好きの人たちが憤慨する様子が描かれていますが、
管理人は曹操さんも好きなので、いまいちどうして怒っていらっしゃるのかピンときませんでした(汗

それはさておき、唯一、冒頭、
若き日の上様が、人生について悩むシーンが7ページ程ありました。
英雄信長も、若い時には、世にありがちな悩みを抱えていたのだよ。
みたいな、ほんわかシーンにニヤニヤしました(笑
そんな悩める信長公が、『三国志』に出会う。というところで終わります。
ただ、分からないのが、そのシーン、
上様が、清洲城の門を出ていくのを、平手の爺が止める。
という、始まりなのですが、元服したばかりの14歳、と、書かれている上様が、清洲城の門から出て行ける訳がない。
上様が清洲城を取ったのは、22歳の時です。勿論、爺は切腹後。
絶対に何かの伏線だと思うのですが、どこで回収されたかがまったく分かりません。
読まれた方がおられましたら、是非お教え下さい。
読んだの結構前なのですが、いまなお気になっております。
よろしくお願い致します。

◆入手方法
(2015年2月現在)出版社在庫あり。近所の本屋さんで注文してあげてください。












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信長と久秀、悪名の誉れ
題名 信長と久秀、悪名の誉れ
著者 小林克巳(こばやし かつみ)
出版社 幻冬舎ルネッサンス
ISBNコード 978-4-7790-0385-1
値段 1800円+税
発行日 2008年10月15日
メモ
主人公は松永久秀。
話は1520年代、久秀10代の頃から、1577年の信貴山落城まで。
最初3分の1くらいまでで、久秀が三好家で台頭する経過が、
その後、信長公の吉法師時代から桶狭間までが描かれ、美濃攻めはすっ飛ばして、上洛。
久秀が公に降り、つかず離れずの不思議な関係が始まります。
前半、二人の青年時代から名を上げるまでが、対のように書かれているので、いよいよ後半、
その二人の人生が重なった時の楽しさといったらありませんでした。
若い頃の久秀のあまりの清々しさに我が目を疑いましたが、信長公の久秀すき好きっぷりにも耳目を驚かされました(耳て
久秀のこと『爺』とか呼んじゃって、「公の爺は平手だけよ!!」とか管理人が地団駄踏むくらい。可愛い、とか云うし!(焼餅
全体的に信長公がかっこよく書いて頂いていて、というか、むしろ公が主人公なんじゃないかと錯覚するくらい、
公と久秀の勝ち負けがくっきり書かれていて、信長好きにはすこぶる爽快な小説でありました。
(いや、もちろん久秀も素敵に書いてありますとも!
タイトルと表紙の割には、意外とがちがちな時代小説ではなかったので、時代小説初心者?の方にも楽しくお読みいただけるかと存じます。
入手方法
(2009年1月現在)出版社在庫あり。本屋さんで注文してあげて下さい。












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信長の女
信長の女 (集英社文庫) タイトル 信長の女
著者 清水義範(しみず よしのり)
出版社 集英社
ISBNコード 978-4-08-746670-6
値段 619円
発行日 2011年2月18日
メモ
お話は、吉法師時代から安土築城まで。
桶狭間以降はだいぶ駆け足ですが、素直に出来事を追って行った本でした。
吉法師時代に出会った、中国出身の梨華という少女と恋をして、
でも、生き方が違うために、尾張と中国で離ればなれになってしまうけれど、
いつか中国に会いに行くんだ、と秘かに思い定めている御屋形様がものすごく可愛かったv
運命の人と思う女がありながら、でも濃姫様を大事にしてるところもツボでした。
ちらちらと佐々と利家が出てくるのも、私のツボをとらえ過ぎてて怖かったです(笑
本能寺まで書かなかったところもニクイですね。
良作でした。ありがとうございます。
入手方法
(2015年2月現在)出版社在庫あり。近所の本屋さんで注文してあげてください。












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信長の肖像
タイトル 信長の肖像
著者 志野靖史(しの やすし)
出版社 朝日新聞出版 (文庫)
ISBNコード 978-4-02-251336-6 (文庫)
値段 1400円+税 (文庫)
発行日 2015年12月7日 (文庫)
メモ

主人公は、狩野一門に名を連ねる絵師、小次郎。
幼いころに雪舟流の似せ絵(似顔絵)の技を習い、後に狩野家の門をたたく。
上洛直後、信長に召しだされた永徳の供をした小次郎は、
ひょんなことから、信長の前で似せ絵の腕を披露することに。
その技に感心した信長から、その後、度々絵の依頼を受ける。
信玄を描きに甲斐まで出向くこともあれば、お市を描きに小谷へも行き、
安土へ呼ばれて少女を描くこともあったが、当の信長自身を描く依頼は、一向に無かった。
しかし、ある日、ついにその機会を得る。
ローマへ送るのだという信長を写し取ったその画は、思いもかけず慈愛にみちたものとなった。
これは目的に叶うのか、どのように完成させるべきだろうか、悩む小次郎だったが、
しかし、
翌日、小次郎は本能寺の変の報を聞くことになる。



作者は、管理人の大好きな漫画、『内閣総理大臣織田信長』の、志野靖史さんです。
総理大臣上様を描かれた後はどうしていらっしゃったのか存じ上げないのですが、
まさか時代小説作家として、また楽しませて頂けるとは思ってもおりませんでした。
何より嬉しかったのは、志野氏の上様の捉え方が変わっていないように感じられたことです。
峻厳さの中に、温かい優しさを隠していて、
己の摂理を貫くために、周りのあらゆることをなぎ倒すけれど、
己の摂理を持っている人間には敬意を払う感じ。
上手く言えないのがもどかしいです。

とりあえず、
永姫の手を引いて、しずしずと歩く上様を想像して、鼻をツーンとさせてください。

入手方法
出版社在庫あり(2016年3月現在)本屋さんで注文してあげて下さい。












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信長の二十四時間
信長の二十四時間 タイトル 信長の二十四時間
著者 富樫倫太郎(とがし りんたろう)
出版社 NHK出版 (文庫)
ISBNコード 978-4-14-005633-2 (文庫)
値段 1600円+税 (文庫)
発行日 2013年2月26日 (文庫)
メモ
いきなりネタバレですが、
『本能寺六夜物語』並みの、ショボーン(´・ω・`)な
上様の末路でウケた(最期じゃなくて、末路なのがミソ・・・笑

並みというか、オチ一緒じゃないのか?と、思ったのはさておき、
主人公は、上様・・・じゃなくて、伊賀の忍び、文吾。
石川村出身で後に五右衛門って云っちゃってるので、例の方だと思います。
それもさておき、
伊賀が織田に攻め滅ぼされ、その復讐をしようとする伊賀の生き残り百地一派VS織田方についた藤林一派。
の駆け引きに、巻き込まれた信忠、巻き込まれた上に貧乏くじ引かされた光秀、
流石の処世術で回避しきった家康公、むしろそれを利用して美味しいとこ持ってった秀吉。
の虚々実々の戦いが、米国ドラマ『24』っぽく(たぶん)書かれています。

当の上様は、清々しいくらい多方面から嫌われてて、でも、
皆が消えてくれたら良いのになぁと思っている割には、
あまり極悪には書かれてなくて(贔屓目かもしらんが
ちょっと物足りないくらいでしたが、
最後、乱ちゃんを捨駒にしたところは
おおお、悪い!悪いよ〜!!と、ニヤニヤしたのですが、
如何せん最後がまあ・・アレでしたので、
自分はドMだと自信を持って言える織田ファンは読んでみて下さい。

◆入手方法
出版社在庫あり(2015年2月現在)本屋さんで注文してあげて下さい。












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信長の棺
タイトル 信長の棺
著者 加藤廣(かとう ひろし)
出版社 日本経済新聞社 (文庫)文藝春秋
ISBNコード 4-532-17067-2 (文庫)(上)978-4-16-775401-3 (下)978-4-16-775402-0
値段 1900円+税 (文庫)(上)510円+税 (下)550円+税
発行日 2005年5月25日 (文庫)2008年9月3日
メモ
主人公、太田牛一が『信長公記』を完成させるため、そして、本能寺から消えてしまった信長公の遺骸を捜すため、
文筆家の意地と、己の半生をかけて東奔西走する・・・・・という話でした。
本能寺の変を安土の地で聞いた牛一は、変直前に信長公から預かった木箱を守るべく、安土を脱出。
生家の寺にそれを隠し、柴田勝家の援軍を求めるために、越前に向かいます。しかし、その途中、何者かに捕らえられ、
1年近い幽閉生活を余儀なくされ、助け出された時には、すでに世は秀吉のものとなっていたのでした・・・・。
秀吉に雇われて十数年。
隠居の身となり、長年書き溜めておいた日記を元に『信長記』の執筆にとりかかる牛一。
『大かうさまくんきのうち』などという秀吉礼賛の伝記を書かされ、いやが上にも闘志が湧きます。
ようやく、『信長記』を書き上げた牛一のもとへ、秀吉から正式に『信長記』執筆の依頼が来ます。
しかし、秀吉が求めたのは、自分の残虐非道を隠すため、信長公の残酷な面を暴き立てた伝記でした。
秀吉は内容に逐一口を出し、牛一の書いた元の姿はどんどん歪められていきます。
打ちひしがれる牛一でしたが、彼にはやらねばならない最後の仕事がありました。
信長公の御遺骸を探すこと。
牛一は立ち上がります。秀吉の出自の秘密、本能寺と阿弥陀寺の隠された関係、
変の直前、光秀の後ろに見え隠れする公家の影。
信長公の遺骸は何故本能寺から消えたのか?そして、
牛一に託された木箱の中身と、その真意とは・・・・

ちらちらと不完全燃焼な箇所はありましたが、かなり面白かったです。
作家転向第一作とは思えなかったです。内容、文章共に。
正直あんまり御屋形様は登場なさらなかった印象ですが、『信長公記』をめぐる秀吉との軋轢などは胸に迫るものがありました。
でも、御屋形様が南蛮渡来のトウモロコシの種を植えて、その芽が鳥に啄ばまれない様に長槍を持って一生懸命守っていた、
なんていう回想シーンを読んだ時は、涙ぐんでしまいましたよ。

◆入手方法
(2015年2月現在)出版社在庫あり。文庫版なら書店の店頭にあるかもしれません。












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