バリアフリータイプ


 段差の解消や手すりの設置など人にやさしい配慮がされていますので、お年寄りに限らず家族全員が安心して暮らすことができます。


共通基準<耐久性タイプ>(中古住宅、優良中古マンションを除く)
 基礎や柱といった構造部分を強化するとともに、腐食やシロアリによる害を防止する措置などを講じることにより、新築時の強度を長期間維持するための工夫が施された住宅です。




選択基準<バリアフリータイプ>
専用部分の基準
●段差の解消
  次に掲げるa〜eの部分の床及びこれらをつなぐ廊下の段差を解消します。
  a.高齢者等の寝室のある階のすべての居室(出入り口を含み、食事室が他の階にある場合はこれを含む)
  b.便所(2以上ある場合は、高齢者が主として使用するものをいう。)
  c.洗面所(2以上ある場合は、高齢者が主として使用するものをいう。)
  d.脱衣所(2以上ある場合は、高齢者が主として使用するものをいう。)
  e.玄関(土間の部分を除く)
高齢者等の基本的な日常生活における移動経路上にない居室等又は居室等の部分の床とその他の部分の床との間は、9p以上の段差を設けることができます。
●通行幅の確保
@ 廊下の幅
次に掲げるa〜eの部分をつなぐ廊下(2以上ある場合は、高齢者が主として使用するものをいう。)の幅は、78p(柱又は建具枠のある部分は75p)以上とします。
a.高齢者等の寝室のある階の全居室(食事室が他の階にある場合は、これを含む)
b.便所(2以上ある場合は、高齢者が主として使用するものをいう。)
c.洗面所(2以上ある場合は、高齢者が主として使用するものをいう。)
d.脱衣所(2以上ある場合は、高齢者が主として使用するものをいう。)
e.玄関(土間の部分を除く)
廊下の幅の測定にあたって、壁と床又は天井の取り合い部の化粧材(床幅木、廻り縁、コーナー保護材)及び手すりについてはないものとみなします。

A 出入口の幅
高齢者等の寝室のある階のすべての居室の出入口の幅は内法を75p以上とします。(ただし、食事室が他の階にある場合はその出入口を含む)。
浴室の出入口の幅は内法を60p以上とします。

出入口の幅は、原則として建具を開放したときに実際に通過できる「有効開口幅(図a)としますが、設計上の便宜を考慮して次の寸法とすることが出来ます。
開き戸:戸板の幅から戸板の厚さを減じた寸法・・・図b
折れ戸:戸板の幅から折れしろを減じた寸法・・・図c
ただし、やむを得ず将来改造により出入口の幅を確保することを前提とする場合は、次の寸法とすることができます。
(浴室以外)建具の枠を取り外した開口の幅(ラフ開口)の寸法・・・図d
(浴室)  建具の枠の内法寸法・・・図e
●浴室の広さの確保
 (戸建住宅等)浴室の短辺方向の内法長さは1.3m以上、有効面積は2.0u以上とします。
 (共同住宅)浴室の短辺方向の内法長さは1.2m以上、有効面積は1.8u以上とします。
昇降しやすい階段形状
住宅内の階段の各部寸法は、ホームエレベーターの設置により、昇降可能となる部分を除き、次の各式を満たすようにします(階段が2以上ある場合は、高齢者等が主として使用するものとすることができる)。
R/T≦22/21、T≧19.5p、55p≦T+2R≦65p(T:踏面の寸法、R:けあげの寸法)
なお、階段の曲がり部分の踏面の寸法は、階段の狭い側の幅木側面からそれぞれ30pの点を結ぶ距離とします。ただし、次の場合には基準を適用しないことができます。
・90度屈曲部分が下階の床から上3段以内で構成され、その踏面の狭い方の形状がすべて30度以上となる回り階段の部分・・・図a
・90度屈曲部分が踏場から上3段以内で構成され、その踏面の狭い方の形状がすべて30度以上となる回り階段の部分・・・図b
・180度屈曲部分が4段で構成され、その踏面の狭い方の形状が、下から60度、30度、30度及び60度の順となる回り階段の部分・・・図c





●手すりの設置
@浴室には手すりを設けます。
A住宅内の階段には、手すりを設けます。
 
<参考>
手すりの位置にあたっては以下の点に留意します
・手すりの設置高さは75cmを基準とする。
・下りの時の利き腕側に設ける。
・とぎれないよう連続して設ける。
 
住宅内階段幅の幅員の測定にあたっては、建築基準上、手すりの突端から壁に向かって10cmまでの部分は、階段の幅員に算入することができることとされてます。
●部屋の設置
・高齢者等の寝室のある階には、便所を設置します。

共用部分の基準
●昇降しやすい階段形状
共通階段の各部寸法は、次の各式を満たすようにします(共用階段のうち、専ら避難の用に供するものは除きます)。
T≧24p、55p≦T+2R≦65p(T:踏面の寸法、R:けあげの寸法)
ただし、エレベーターが設置されており、住戸の入口からエレベーターの昇降路の出入口に至る通路で階段又は段差が設けられていない場合は、適用しません。
●手すりの設置
  共用廊下及び共用階段には手すりを設けます。

共用廊下及び共用階段の有効幅員は、建築基準法上、壁と壁との内法寸法から手すりの突出部分の寸法を減じた寸法とされています。(住戸内の階段とは扱いが異なります)。
●スロープの設置
  住棟の出入口からエレベーターの昇降路の出入口に至る経路で階段又は段差がある場合、スロープを併設します。
●エレベータの形状
  @エレベータの昇降路の出入口の幅は内法80p以上とします。
  Aエレベータの乗降ロビーの幅及び奥行きはそれぞれ内法を1.5m以上とします。

割増融資との関係
 バリアフリーの基準を満たすことにより、「バリアフリー住宅工事割増融資(150万円)」も受けられます。