だって… Vol,337
(藤森 啓介さん 作)
「お〜い、香里!」
「あら、相沢クン。どうしたの?」
「いや、次の授業水泳だろ。早く行かないと着替えの時間無くなるぞ」
「え、ええ、そうね……」
「ん? どうした。やっぱり水泳は嫌なのか?」
「やっぱりってどういうこと?」
「いや、香里が泳ぐと竜巻が起こるって聞いたから」
「もしかして、名雪から聞いたの?」
「ああ、Vol,336で」
「あの子ったら、誤解されるような言い方を……」
「じゃあ、普通に泳げるのか」
「ええ、一応ね」
「だったらなんで名雪は竜巻が起こるなんて言ったんだ」
「あら、竜巻を起こせるのは本当よ」
「だって…」
「水着姿に寄って来る男共を叩き出すために編み出した技だもの」
「そんなにたくさんの奴が群がってくるのか……」
「そうなのよ。他の女子にも頼まれててね。特に……」
「何してんだ相沢、遅れるぞ。それに美坂も」
「あ、北川……げっ、やばい!」
「私は今日、水着持ってこなかったから見学するわ」
「何言ってんだよ美坂。水着がなくても泳げるぞ」
「だって…」
「生まれたままの姿で泳げば何の問題もごふぅっ!!」←鉄拳制裁
「こういう馬鹿のために編み出したのよ」
「な、なるほどな……」
「さ、相沢クン行きましょう」
「…………(今のはお前が悪いぞ北川)」
fin