競走馬育成牧場記
1.入厩

ヘッドライトの視界を頼りに細い山道をのぼり、雪国の競走馬育成牧場に着きました。
大気がキレるほど凍えていて、寒さで耳が痛かったけど、満点の星空(*^_^*)
かわいい仔馬がたくさんいるんだろうな〜♪さっそくお顔拝見〜♪
重たい鉄扉の厩舎に入ると、気持ちよく暖まった馬の香りにつつまれました。仔馬達が天然の暖房器具です。

仔馬達は、同行してくれた牧場長に甘ったれて、鼻面を突き出したり、前掻きでおねだりしたりしていましたが、
私には波がひく様に身を固くしました。

>誰だこの人は?
>こっちに来ないでっ!
>怖いよ〜(T_T)

私のダウンジャケットの衣擦れの音が寂しく響く…友好的な出会いを想像していた私は、超ブルーになったのでした(-_-;)


私の馬との出会いは、小学生の時の競馬TV中継。
ゲートを出てすぐ先頭にたち、左手前でラチ沿いをブッチギリで翔ぶ大きな馬がいました。
どんどん引き離してアッという間の一着!鳥肌がたって言葉もなかったのを覚えています。
彼の名はマルゼンスキー(*^_^*)
その衝撃的な出来事から何年も過ぎた頃、乗馬クラブの会員募集をみた時に、

>コレだっ!!(落雷でした)

次の休日には馬上にいて、暇があれば乗馬クラブに通い、各所で色んな馬に乗せてもらいました。
中でも、競馬から乗馬に転職したある馬に、

>そこに道があるから走るんだー!

と、言われた事(^_^;)で、彼から競馬上がりである誇りを感じた私は、無謀にも育成牧場にやってきたのでした。