乗馬に関する簡単な用語集のページです。(あいうえお順)
あいぶ[愛撫] 馬の頸を叩いて感謝の気持ちを伝える事。馬の気分を和らげる。
あおげ[青毛] 馬体の色の呼称で、全身が黒一色のもの。
あし[肢] 馬の足の事。前の足をぜんし:前肢、後ろ足をこうし:後肢という。
あしげ[芦毛] 馬体の色の呼称で、白、あるいは淡い灰色のもの。生まれた時は他の毛色だが、次第に白くなってくる。
あせこき[汗こき] 馬体の汗や水分を取り除く手入れ道具。
あぶみ[鐙] 乗り手の足を乗せる道具。鐙革で鞍に接続されている。
あんしょう[鞍傷] 鞍と馬体の背、き甲の摩擦でおこる傷で、装着のときは注意。
いれこむ[入れ込む] 興奮している状態。
ウォーク[ ] なみあし:常歩。歩く動作で、4ビートのリズム。
うらぼり[裏掘り] 馬の蹄に詰まった泥や石を取り除く道具。てっぴ:鉄爪ともいう。
うんぽ[運歩] 馬の足運びの事。
おうぼく[横木] 障害飛越に使用する、木材で作られた約4メートルの長さのバー。
おくさーしょうがい[オクサー障害] 並行した高さの障害物。



かいつけ[飼い付け] 食事を与える事。
がいほうしせい[外方姿勢] 馬体を外報に屈曲させる事。頭が進行方向の外側に曲がる。
がいほうきゃく[外方脚] 外側に位置する脚。
がいほうこぶし[外方拳] 外側に位置する拳。
かけあし[駆歩] キャンター。跳躍する様な走りで3ビートのリズム。左右どちらの前肢でリードしているかによって
           区別されるが、右駆歩の場合、左後肢、左前肢と右後肢、右前肢となる。
かげ[鹿毛] 馬体の毛色の呼称で、褐色のもの。立髪や尾など、体の末端部が黒色。
かすげ[粕毛] 馬体の毛色の呼称で、体は白色毛の混じっているもの。頭部、四肢、尾は原毛色。
         鹿毛に白毛を鹿毛粕毛、栗毛に白毛を栗粕毛という。
かたをうちへ[肩を内へ] 横運動の一種。馬体を進行方向約30度の角度で、
                乗り手の内方脚を中心に屈曲させ、頭を進行方向とは逆に向けて進む運動。
                馬の内方前肢は外方後肢の前を、内方後肢は外方後肢の前を交差して進む。
かんごう[乾濠] 溝になっている障害物。

きこう[き甲] 立髪の終わりの、少し高くなった部分。鞍で擦れない様に、装鞍の時に気をつける。
きざ[騎座] 拳、脚とならぶ主扶助のひとつ。座骨、腿の内側などで体重を移動する事によって、馬に指示を与える。
きゃく[脚] 主扶助のひとつ。乗り手の膝から下の部分で、圧迫したり踝で軽打して、主に馬への推進扶助とする。
キャバレッティー[ ] 障害物の一種。地上に横木を1本から数本並べる事。X字形の両袖に支えられ、高さは30センチ程度まで。
              常歩で約80センチ、速歩で約140〜150センチの間隔で置く。 
ギャロップ[ ] しゅうほ:襲歩。競馬の様に全力で疾走するさま。リズムは四肢が別々に着地する4ビート。
キャンター[ ] 駆歩。
キュロット[ ] 乗馬用ズボン。伸縮性があり、膝の内側などの擦れやすい部分には縫い目がなく、補強がしてある。
きょし[拒止] 障害を飛越する事を拒否して、正面で停止する事。
ぐうかく[隅角] 馬場の4隅の角の事。
くっとう[屈とう] 後肢の動きにより、馬体が収縮し、頭部が銜を受けてやや胸の方向に近づき、垂直になる。
くりげ[栗毛] 馬体の毛色の呼称。全体が茶色で濃淡がないもの。濃い茶から金色まで幅がある。色の濃いものを栃栗毛という。
くら[鞍] 乗り手が座る道具。総合鞍、馬場鞍、障害鞍などがある。
くらすう[鞍数] 馬に1回乗る事をひとくら:1鞍という。
グルーム[ ] 専門の馬取り扱い物。馬の世話役の事。
グルメット[ ] H型の銜の下部につく鎖状の道具。馬の顎をしめ、ブレーキの役目をする。
けいしゅば[軽種馬] 動きが速く、軽快な馬の種類で、サラブレッドやアラブ種など。
けいは[鶏破] 馬の後肢がニワトリの様な動きをする歩き方。
けいはやあし[軽速歩] 速歩の2ビートのリズムのうち、1回おきに腰を上げて反動を抜く乗り方。馬と乗り手両方の負担が少ない。
けいろ[経路] 馬場馬術では、20メートル×60メートル(40メートル)エリアで定められた指示に従って運動科目を行う事。
         障害飛越では、決められたコースを、順次飛越する事をいう。障害物の道に赤、左に白い標識がつく。
こうく[後く] 腰、でん部、後肢全体の事。
こうしせんかい[後肢旋回] ピルーエット。内方後肢を軸として、前肢をクロスさせながら旋回する事。この時、後肢は同じ位置で踏歩する。
                 180度旋回をハーフピルーエット、360度旋回をフルピルーエットという。 
                 常歩で行うが、馬場馬術では駆歩、もしくはピアッフェでも行う。
こうたい[後退] 逆行運動。手綱を引っ張るのではなく、銜を受け、脚の全身意欲で真っ直ぐ後ろに下げる。
こうとつ[交突] 前肢に後肢がぶつかって傷を作る事をいう。
こしをうちへ[腰を内へ] 騎手の内方脚を中心に、約30度の角度に屈曲させ、鹿毛に沿って行進する二蹄跡運動。
こしをそとへ[腰を外へ] 腰を内への逆の形で、後くが壁に向かって屈曲している二蹄跡運動。
コズミ[ ] 馬体の筋肉痛などによって本来の歩きよりギクシャクする事。
こぶし[拳] 手綱を握った手。脚、騎座と共に主扶助のひとつ。主に方向の指示とブレーキの役目。


さんだんおうぼくしょうがい[三段横木障害] 手間より約10センチずつ高くなる障害物。
しまき[肢巻] バンテージ。肢を保護するもの。布や革製で、肢に巻く。
しゃたいし[斜対肢] 右前肢と左後肢、左前肢と右後肢の2対をいう。速歩は、斜対肢による運動である。
しゅうしゅく[収縮] 銜を受け、前くを軽く、後くを低くして踏み込みを強くし、馬体全体が丸くなった状態。頸は湾曲し、頭は垂直になる。
しゅうほ[襲歩] ギャロップ。
じゅうしゅば[重種馬] 力が強く、大型の馬種。シャイヤー、ペルシュロン種など。
しゅふじょ[主扶助] 馬を動かすのに中心となる、騎座、脚、拳の扶助の事。
じゅんち[馴致] 馬を物事に慣れさせたり、理解させる事をいう。
しょうがいあん[障害鞍] 障害飛越様の鞍。障害を飛越する姿勢を取りやすい様に、鞍革が前に出ている。
しょうがいひえつきょうぎ[障害飛越競技] 馬場内に設置された障害物を決められた順に飛越し、減点の少なさとタイムの速さで競う競技。
                          他に、高さや幅を飛越する能力を競うビュイッサンス、タイムを競うハンティングがある。
しょうろく[小勒] リングが水勒より小さい銜。
じょうばじょうい[乗馬上衣] 乗馬用ジャケット。
ジョッパー[ ] 乗馬ズボンの一種で、長靴をはかない時のもの。
ジョッパーブーツ[ ] 足首までの短靴。
しんちょう[伸長] 歩幅を伸ばす事。
すいがい[水飼] 馬に水を与える事。
すいごうしょうがい[水濠障害] 水面を飛越させる、幅のある障害。
すいしんりょく[推進力] 後くの活発なエネルギーによって生じる駆動力、前進力の事。
すいちょくしょうがい[垂直障害] 高さだけの障害。
すいろく[水勒] 銜の一種。馬の口の中に入れ、口角のリングの部分に手綱をつける。
ずいはん[随伴] 馬の動きについていく事。
ゼッケン[ ] 鞍の下に敷く布、あるいはフェルトで、馬の背を保護する。
ぜっこ[舌鼓] 副扶助の一種。舌で音を出して馬の注意を引き、主に脚扶助を助ける。
ぜんく[前く] 馬の頭部、頸、肩、前肢部分の事。
せんつう[仙痛] 腹痛。 ※「本を読む」の「ドクターヘリオットの生きものたちよ」の部分抜粋をご参照下さい。
ぜんしせんかい[前肢旋回] 前肢を中心に後くを180度回転する運動。この時、後肢を交差して横に動き、前肢はその場で踏歩する。
ぜんしんきせい[前進気勢] 前進扶助で、馬が舞えに進もうとしている度合い。
そうごうあん[総合鞍] 総合馬術に使う鞍。
スリーデイイベント[総合馬術競技] 馬場、障害、耐久競技を3日間に渡って行い、馬の能力をどこまで引き出せるかを競う競技。
そうあん[装鞍] 鞍をつける事。装勒より先に行う。
そうてい[装蹄] 蹄が伸びるので、正常に切って、蹄鉄をはめる事をいう。約25日間隔で行う。
そうろく[装勒] 銜をつける事。
そくたいふじょ[側対扶助] 同じ側の拳、脚を使った扶助。
そくたいほ[側対歩] 右前肢と右前肢が動じに運ばれる速歩の動き。トロッター種がこの歩き方をする。



だいろく[大勒] H型の銜。小勒と組み合わせて二本手綱で使用する。前後の収縮に役立つので、主に馬場馬術の時に用いる。
たずな[手綱] 馬の口に通じる乗り手の手に持つ紐。馬に指示を与える。革、布などで出来ている。
たんどくきゃく[単独脚] 後くの位置をコントロールする時に使う扶助。
チャップス[ ] カウボーイがジーパンなどの上に履く、革製の保護ズボン。
ちゅうかんしゅ[中間種] 軽種と重種の中間にあたり、従順で軽快性のある、馬術に適した種類。
                ハンター、セル・フランセ、ハノーバー種など。
ちゅうく[中く] 馬のき甲の後ろから、腰の前まで。胴体、背、腹の部分。
ちょうか[長靴] 乗馬の時に履く膝下までのブーツ。革製の他、合成皮革もある。
ちょうばさく[調馬索] 馬の調教、及び初心者のバランストレーニングの時に使用する道具。
ていし[停止] 止まっている状態の事。前後肢をそろえ、体重を4肢に均等にかけているのが正しい。
ていさふらん[蹄叉腐乱] 不潔で湿った馬房に馬を放しておくと、蹄が腐敗して悪臭を発する。
ていせき[蹄跡] 馬場柵に沿って約1メートル内側の事。馬が歩いた場所をいう場合もある。
ていてつ[蹄鉄] 蹄の保護の為に、蹄の裏につける鉄製の馬具。
ていゆ[蹄油] 蹄の乾燥を防ぐ為に手入れの最後に塗る油。
てまえ[手前] 進行方向の事。右手前とは、右回り。
てまえへんかん[手前変換] 進行方向を変える事。
てっぴ[鉄爪] 馬の手入れ道具。裏堀りの事。
とうひ[逃避] 障害を飛越する事を拒否して、横に逃げる事。
とうほ[踏歩] 一歩一歩の歩幅の事を言う。
とうほへんかん[踏歩変換] フライングチェンジ。左駆歩から右駆歩へ、またはその逆に手前を変える事。
とうらく[頭絡] 馬の頭につける道具。
ドミアレ[ ] はんげんきゃく:半減却、はんていし:半停止、ハーフ・フォルトともいう。
        馬に次ぎの運動を要求する前に、体勢を整えて次ぎの運動科目にスムーズに移行できる様にする扶助の事。
        拳を握り締めて、やや高くしながら脚を使って後くの弾発を誘い、緊張感を高める。
トロット[ ] はやあし:速歩。走る動作で、右前肢と左前肢、左前肢と右後肢の斜対肢が組になって動く2ビートのリズム。



ないほうしせい[内方姿勢] 馬体を内側に屈曲させる事。頭が進行方向の内側に曲がる。
ないほうきゃく[内方脚] 内側に位置する脚。
ないほうこぶし[内方拳] 内側に位置する拳。
ななめよこあし[斜横歩] レッグ・イールディング。わずかに曲げた馬の頭と反対方向へ、内方脚の推進によって斜め横に馬を進める運動。
               二蹄跡運動の準備、またはその初歩的訓練として行う。
なみあし[常歩] ウォーク。
にていせきうんどう[二蹄跡運動] 肩を内へ、腰を外へ、ハーフ・パスの事で、馬体を屈曲させて行う横への運動。
                     前肢と後肢は2つの異なった蹄跡上を行進する。横運動ともいい、
                     馬の従順性と柔軟性を高める目的で行われ、推進気勢が保たれた上で、馬を横に進める。



はくしゃ[拍車] 馬を動かす時の補助道具で、長靴につけて用いる。これを使うと痛いので馬は良く動くが、
         それだけに使用法を誤ると事故を起こしやすい。
はくはん[白斑] 頭部や肢にある白い模様。1頭ずつの見分けに役立つ。
ばけいじょう[馬繋場] 馬をつなぐ場所。洗い場ともいう。手入れや馬具をつける時に使う。
はこう[破行] 馬の肢、肩、腰などに痛みがある時の不規則な歩き方。
ばじょうたいそう[馬上体操] 馬上で行う体操。乗り手の体の柔軟性を高める他、
                 姿勢を矯正したり、精神的なゆとりをもたらす効果がある。
ばちゃく[馬着] 防寒、保護の為に馬に着せるコート。
パッサージュ[ ] 歩調をつめ、きわめて収縮した速歩。優雅な弾性があり、ダンスをしている様な浮いた歩き。馬場馬術の高等技術。
バスキュール[ ] 馬が障害を飛越したフォームをいう。
ばば[馬場] 乗馬運動をする場所。正規には20メートル×60メートル。馬場柵で囲われ、トレーニングや競技会を行う。
ばばくら[馬場鞍] 馬場馬術に使う鞍。
ばばばじゅつきょうぎ[馬場馬術競技] フィギュアスケートや体操の様に、馬場内で各段階に応じた規定の課目運動を行い、
                        その動きの技術や完成度、芸術性を競い合う華麗で優雅な競技。
                       馬場の大きさは20メートル×60メートル。
ハーフ・パス[ ] よこあし:横歩。アピュイエともいう。馬体を進行方向に均等に曲げて、肩を後くのやや前方に進め、
           斜線上を二蹄跡で進む運動。
ハーフ・フォルト[ ] はんげんきゃく:半減却、はんていし:半停止、ドミアレ。
ばぼう[馬房] 馬の部屋。
はみ[銜] 馬の口の中に入れ舌に乗せて、乗り手が合図を送る道具。手綱につながる。
はみうけ[銜受] 馬の口の銜との接触が、手綱を通じて拳に柔らかく感じる事。
はやあし[速歩] トロット。
はんげんきゃく[半減却] はんていし:半停止、ドミアレ、ハーフ・フォルト。  
バンテージ[ ] しまき:肢巻。
はんていし[半停止] はんげんきゃく:半減却、ドミアレ、ハーフ・フォルト。
はんどう[反動] 馬の動きによって生じる馬体の揺れ。
はんまきのり[半巻き乗り] 蹄跡から輪を描き、輪の半分から直進して、蹄跡に戻る運動。進行方向が変わる。
ひきうま[引き馬] 馬装が済んだ馬を馬場まで、あるいは馬場から厩舎まで、馬を引いて歩く事。
ピアッフェ[ ] その場で行う律動的な速歩。極めて収縮し、前肢を高く上げ、リズミカルに足踏する。
         パッサージュと並ぶ、馬場馬術の高等技術。
フィギュア[図形] 馬場の名かで色々な図形を描く弧と。巻き乗り、ヘビ乗り、8字乗りなど。 
ピルーエット[ ] こうしせんかい:後肢旋回。
ふくふじょ[副扶助] 主扶助を補う目的の扶助。鞭、拍車、舌鼓の事。
フケ[ ] 発情する事。牡馬が前歯を固く噛み、鼻先を上に持ち上げる動作。鼻水を垂らし、笑っている様な仕草である。
ふじゅうじゅん[不従順] 乗り手の指示に従わず、抵抗する事を言う。
ふじょ[扶助] 乗り手から馬へ意志伝達方法。
ふみこみ[踏み込む] 後肢が馬体の舌に入り込む事。
フライングチェンジ[ ] とうほへんかん:踏歩変換。
ほうぼく[放牧] 牧場などに馬を放す事。
ほど[歩度] 歩幅の事。
ほほう[歩法] 馬の運歩をいう。
ほよう[歩様] 馬の歩き方の種類。スピードに応じて変化し、基本的には、常歩、速歩、駆歩、襲歩の4種類ある。



まきこむ[巻き込む] 馬の頭が胸前に大きく近くなり、頭が低くなる。
            従って、銜を受け入れていないので、推進しても後肢が流れ、前進力がなくなる。
まきのり[巻き乗り] 直進の途中で、直径6メートルの輪を描く図形の一種。6メートル以上は輪乗りという。
マルタンガール[ ] 馬の頭を一定にする道具。
むくちとうらく[無口頭絡] 銜のない頭絡。主に馬体の手入れの時に使用する。
むち[鞭] 馬を動かす時の補助道具で、馬の緊張を高めるのに役立つ。ステッキともいい、75センチ以下の短いものと、長いものがある。



やがいきじょう[野外騎乗] 馬場から出て乗馬をする事。又は、総合馬術競技の2日目のクロスカントリーの事。
よめ[夜目] 肢の前膝と飛節上部の内側にある、白い角質部分。個体によって模様が違う。



らくてつ[落鉄] 馬の蹄鉄が脱げる事。主に後肢で前肢の蹄鉄を踏んだ場合が多い。
りょうきぼう[猟騎帽] 乗馬用ヘルメット。
             転倒や落馬事故の時、乗り手の頭を保護する目的なので、固い素材で出来ていて、周囲はビロードが貼ってある。
れってい[裂蹄] 蹄にひびが入ったり、裂け目が生じる事。
レッグ・イールディング[ ] ななめよこあし:斜横歩。



わのり[輪乗り] 馬場内に直径6メートル以上の輪を描く図形の一種。
ワンコ[ ] 馬の蹄とその上部を保護するゴムでできた道具。