自作の句いろいろ1

思わざる地蔵の裏に枯山路

大菩薩峠へは千石茶屋までは林道である。林道を登り出すと、石仏があった。山里の風情
そのものである。写真を撮ったあと裏を覗くと、カーブしている林道を直登する山道があった。

大菩薩峠に立てば冬景色
正月の賑やいここも峠小屋

中里介山の小説「大菩薩峠」で広く知られている大菩薩峠は、東京と山梨の県境にある。
かっては甲州裏街道がここを通っていた。首都圏近郊で最高の展望を誇る。それは間近に
南アルプス全山が見渡せることなどによる。峠の山小屋・介山荘、正月はとりわけ賑わっている。

枯峠星を仰げば天近し
凍星やおとぎ話を語るごと

冬の星はとりわけ光りが鋭く、俳句ではしばしば凍星(いてぼし)と呼ばれる。確かに凍り
の輝きである。じっと見詰めていると、煌きも大きくなり点滅もはっきりしてくる。メルヘン
ティックな話を語っているかのようだ。


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