◇-「遊歩俳句大会」作品その9-前川整洋(11/14-19:59)No.101
101 | 「遊歩俳句大会」作品その9 | 前川整洋 E-mail | 11/14-19:59 |
俳誌「俳句界9月増刊号・遊歩俳句大会作品集」から各県ごとの掲載句で、 目に付い数句をシリーズで紹介しています。一言の句評も書き加えました。 新潟県 歩くだけ向こうに延びて天の川………七沢実雄 歩いても歩いても天の川は先へ先へと続いている。当たり前のことを言って いる。しかしながら、夜の山で天の川を見上げることはしばしばあるが、見 上げながら歩くことはまず無い。川原であろうか、なかなか体験できない一 場面である。 富山県 人生に道草もあり葱坊主………林武司 モーレツ社員という言葉が流行した時代もあった。そのときは葱坊主には、 誰も振り向かなかった。 石川県 歩くほど広がる世界雲の峰………山形沙紗和子 「広がる世界」は少々オーバーであるが、それも詩ならではの世界なのであ る。一歩一歩雲の峰に近づいている。作者も大きくなっているように感じて いるのだ。雲の峰でなくとも、表銀座や裏銀座縦走路で槍ヶ岳に近づいてい るとき、あるいは大雪山縦走路でトムラウシ山に近づいているときも、そん な気分を味わうことになる。 |