タイトル: 「遊歩俳句大会」作品その9
投稿者 : 前川整洋<maekawa.seiyo@ebara.com>Locked!
URL : 未登録
登録時間:2003年11月14日19時59分
本文:
俳誌「俳句界9月増刊号・遊歩俳句大会作品集」から各県ごとの掲載句で、
目に付い数句をシリーズで紹介しています。一言の句評も書き加えました。
新潟県
歩くだけ向こうに延びて天の川………七沢実雄
歩いても歩いても天の川は先へ先へと続いている。当たり前のことを言って
いる。しかしながら、夜の山で天の川を見上げることはしばしばあるが、見
上げながら歩くことはまず無い。川原であろうか、なかなか体験できない一
場面である。
富山県
人生に道草もあり葱坊主………林武司
モーレツ社員という言葉が流行した時代もあった。そのときは葱坊主には、
誰も振り向かなかった。
石川県
歩くほど広がる世界雲の峰………山形沙紗和子
「広がる世界」は少々オーバーであるが、それも詩ならではの世界なのであ
る。一歩一歩雲の峰に近づいている。作者も大きくなっているように感じて
いるのだ。雲の峰でなくとも、表銀座や裏銀座縦走路で槍ヶ岳に近づいてい
るとき、あるいは大雪山縦走路でトムラウシ山に近づいているときも、そん
な気分を味わうことになる。
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